新しい命の誕生を前にしてです

公開日: 

本日、スポンサーでもあり、スポンシーでもある、
パートナシップをとっている、ひろこさんに、
赤ちゃんが生まれました。

ひな祭りの日に生まれたお姫様。
ひろこさんとは、プログラムのない暗黒時代から、
ずっと苦楽を共にしてきたので、
喜びはひとしおです。

私の二人のスポンサー、昨年の4月生まれの姫と、
本日生まれた姫と、なんと同級生になっちゃったんですよね。
まるで、東京と奈良に孫ができたような気分です。

そして新たな命の誕生を前にして、
この子たちのために安心な社会を残すことが、
私達大人の使命だと、心に刻みました。

決して良い親ではありませんが、
その分次世代のために、
できるだけ負の遺産を残さないような社会が作れるよう、
努力しようと思いました。

さてそのうちの一つの使命、ゲーム依存症について、
昨日、とても危険な予感がすると書きましたが、
何故、そう思ったのか、根拠となった事例と、
私の考えを書きます。

まず、ゲーム依存は介入のチャンスがありません。
そして、介入のスキルも伝承されていません。
殆どの人達が手をこまねいたまま、
重篤化に陥っています。

アルコール依存症なら、身体をこわし、
病院に繋がるチャンスがあります。
薬物依存症なら、司法の手にかかるチャンスもあります。
ギャンブルなら、金銭面で破たんするチャンスです。

世間の人たちが、大ピンチと思う事態が、
実は、私たち依存症者の家族にとっては、
最大のチャンスであることは、
仲間なら、皆、分かってくれることでしょう。

けれども、ゲーム依存にはそのチャンスがありません。
ただひたすら、ゲームに向かう姿には鬼気迫るものがあります。
食事も睡眠もとらず、お風呂にも入らない、
日常生活をギリギリまで放棄してしまいます。
最悪の場合、トイレもペットボトルで済ます・・・
という話もあるくらいです。

皆さんは、何を大げさな・・・!?
と思うかもしれません。
けれども、私はその現実を目の当たりにしました。
それは決して特殊な事例ではなく、
重篤なゲーム依存症者には良くある光景なのです。

では、何故親は毅然とした態度がとれないのか?
これも、一般の皆様方には不思議に思われることでしょう。
共依存という症状に陥っているということもありますが、
何よりも、人格が一変してしまった、
得体のしれない当事者をみると、
恐怖で身動きできなくなってしまうからだと
私は、ご相談を受けていて思います。

あまりの恐さから、そこに近寄れなくなってしまうのです。
同居の場合でも、別居の場合でも、
そこにブラックホールのような空間があることは分かる、
何とかしなくてはいけないことも分かる、
でも、どうしたらよいのか分からないのです。

もちろんそれはゲーム依存に限らず、
依存症者の家族全体に言えることです。
けれども、他の依存症の家族には決して十分とは言えませんが、
勇気をくれる自助グループや、家族会などがあります。

ところが、ゲーム依存症のご家族には、
自助グループもなく、相談できる機関も、
非常に少ないのが、現実です。

そして、私たちも経験したことですが、
相談しても、ご家族だけでは到底クリアできそうもない、
アドバイスをされることも多々あります。

「時間を区切ってゲームをやるよう約束させる」
など、そんなことができるのなら、
現在の状況になっているわけがないというようなことを、
アドバイスされ、結局何も解決できないまま、
日々がむなしく過ぎてしまうのです。

依存症者の家族にとって、10年はあっという間です。
手をこまねいたまま過ぎてしまう時間です。
「もっと早く何とかすれば良いのに」
それは部外者だからこそ言える、
冷たい理想論です。

そしてゲーム依存は、社会とのつながりを、
猛烈な勢いで遮断していきます。
アルコール、薬物、ギャンブルは、
なんとか働きながら、使い続けることもできますが、
ゲームは殆どの場合がひきこもりです。

ひきこもりと依存症。
どちらか一つでも解決が難しいのに、
二つの強烈な病気が重なるのです。

孤独な生活が続くと、
対人恐怖のような症状になります。
そしてますます治療を頑なに拒否していきます。
性格は凶暴になり、ゲームを取り上げると暴れ出します。

家を出て行けと言ったって、
首に縄をつけて追い出すわけにはいかないのです。

また、ゲームや現在の環境を取り上げるなら、
「死んでやる」とか「事件を起こす」とか、
常に家族は脅され続けます。
恐怖から、不本意ながらも、
家族は要求に従わずにはいられないのです。

現在、最も出口の見えない依存症がゲーム依存だと思います。
本人も家族も自助グループがないというのは、致命的です。

どこにどんな風に繋げたらよいのか、
東京でこれだけネットワークのある私でさえも悩みます。
ましてや、地方ではいかばかりかと察するに余りあります。

助け照れるものが、殆ど何もない。
これが現実なんです。

だから私から始めなくちゃいけない・・・
そう、思ってます。
皆さんお力をお貸しください。

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Comment

  1. Joyful より:

    続いてコメントさせて頂きます。私のいた北海道の施設では、心の病(統合失調症、鬱、躁鬱)そして引きこもりの人達の回復は目覚ましいものがありました。26年も引きこもって46歳になっていた男性は、この2年で回復し、今は施設の26ある関連企業の中の大連(中国)で開かれる、喫茶店でバリスタとして働くための職業訓練を受けています。このほかにも枚挙に暇がないほど、税理士を目指している人や、引きこもって出てきてみたら畳が腐るほど部屋が荒れていた人も資格を得て、一人暮らしをしています。大体長~~く引きこもると、ゲームやネット依存を併発するようで、リコさんのブログでこれも依存症なのかと新たな気づきでした。ただ私たちの施設はキリスト教の信仰を土台としているので、キリスト教にアレルギーのある方は難しいかと思います。でも私たちは日々神様のなさって下さる奇跡を見ています。これは事実です。

    • rico より:

      joyfulさん、コメントありがとうございます。
      そうですね、回復した希望の生き証人もこの世には沢山いますよね。
      そちらに目を向けたいですね。Joyfulさんの施設も素晴らしいですね。
      これからも沢山の困っている方々を助けていかれることと思います。
      敬服いたしております。

  2. SA より:

    若い人やこれから産まれてくる子供たちがこの国に生まれて良かったと思って欲しいです。
    若者が、婚もしたくないし、子供もいらないと思ってしまうような世の中では、明るい未来はないですよね。
    自分達に出きることをコツコツやっていきたいと思います。

    • rico より:

      SAさん、コメントありがとうございます。
      プログラムは少子化対策になる!と個人的には思っています。
      絶対に子供を産むべきとも思いませんが、
      子供たちはこの国の宝として、
      もっと大切に社会が関わっていくべきだと思っています。

  3. T より:

    ひろこさん、赤ちゃんお誕生おめでとうございます。多くの仲間に祝福されたましたね。私も嬉しくなりました。私も以前、依存症の病気で起きた問題や、我が家の秘密、息子の問題を誰にも、相談する事が出来なくなりました。今は家族だけでの対応は限界があることがわかりました。心から多くの方のお力をお貸して頂けることを願っています。

    • rico より:

      Tさん、コメントありがとうございます。
      多くの仲間の祝福嬉しかったですね。
      健やかな成長をお祈り致しております。
      依存症は家族の病ですが、家族だけの関わりでは到底回復できません。
      社会全体で関わって貰えるよう仕組みを作りたいです。

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