報道の在り方です

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今日は、随分多くの仲間がFBでUPしたり、
コメントしたりしていたのと、
我が考える会でも取り上げさせて頂いたので、
既に目にされた方も多いかと思いますが、
パチンコ台を認知症予防の福祉用に開発している、
パチンコメーカーさんがいるようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150526-00010000-yomidr-soci

この開発自体が悪いことではないし、
メーカーさんが新しい道を探して、
新分野に参入することも当然の企業努力と思いますけど、
そういう動きがあっただけで「パチンコが認知症予防になる」と
イメージするような報道がなされることで、
さらに窮地に追い込まれている、
パチンコ依存症者のご家族がいるかと思うと、
胸がふさがれる思いがします。

退職金を使い果たした、年金を使い果たしている、
それでも暴力と暴言で、パチンコをやめない。
年老いた妻はあきらめ、自身は病院にもかかれず、
子供たちは、長い間の父親の横暴なふるまいでうつ病になっている・・・
こんな話、私たちの相談の現場では、
ゴロゴロ転がっています。

それなのに「認知症予防にもなる」
エビデンスもないうちに、こんな報道の仕方は、
いかがなものか?と思います。

パチンコとは全く別物として開発して欲しいし、
確かに認知症予防として効果があったと、
エビデンスが出されたのちに、
パチンコメーカーが開発したけれども、
パチンコとは別物であり、パチンコ=認知症予防ではない、
と、細心の注意を払って報道して頂きたいです。
そして、その上でメーカーもプレスリリースを配信して欲しいです。

パチンコ業界が、ギャンブル依存症対策に、
いまだ意欲的な姿勢を示さないことに、
社会の多くの皆さんが疑問を呈しているこのご時世に、
「パチンコというとギャンブルというイメージを持つ人もいるが、
目や耳、手足を複合的に動かすことで脳の刺激にもなる。
パチンコを経験した施設利用者も増えるので、
専門家にも意見を聞きながら開発を続けたい」
とこの言い方や報道はないんじゃないの?
と正直思います。

京都大学の先生方の脳の画像診断のご研究でも、
ギャンブル依存症者の脳には、明らかな特徴がみられ、
ギャンブル以外のものに反応が鈍くなるという
研究結果を発表なさっているのに、
何故、パチンコが脳の刺激になるなどと言いきっているのでしょうか?

むしろ脳が機能しなくなり、
ギャンブル以外のものを楽しいと思えなくなってしまうこと、
思考や本能を駆逐するほどドーパミンが過剰になり、
ギャンブル以外何の興味も持てなくなり、
寝ない、食べない、それでもギャンブルを続けるという経験を、
私自身がしています。

パチンコにより美しいものを美しいと思えず、
愛する人たちを愛する術を忘れてしまい、
大切なものを大事にできなくなった、
むしろ認知症の方のようになっていったのに、
認知症予防になると言われても、
にわかに信じられません。

何度も言いますが、エビデンスもないうちに、
認知症予防に効くなどと、プレスリリースをまくこと、
またそれを取り上げるマスコミさんがいることにも、
大変残念な思いです。

カジノ問題に対して、マスコミ各社は、あれほど批判的でありながら、
何故既存のギャンブルに対しては、こんなにも無防備なのでしょうか?

私たちは、パチンコ業界の皆さんにも、
自浄作用のあるギャンブル、企業責任のあるギャンブル
であることを求めています。
パチンコという娯楽を決して非難も批判もしておりません。

だからこそ、こんないかにも健康に役立つような、
イメージアップを図るような報道を流すことは、
フェアではないと、あえて申し上げたいと思います。

認知症予防にパチンコが効くというようなアプローチが、
これから盛んになっていくのでは?と、
大変懸念致しております。
老人世帯のパチンコ依存症のご家庭の悲惨な現状もまた、
歴然としてあるのです。

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