よく、依存症に関わる人たちの間で、
「依存症者を助けて行くには、連携が大事」と言われます。
この連携というのは一朝一夕に進むものではなく、
お互いの信頼関係の上に、少しずつ積み上げていくものだと思いますが、
医療、司法、行政、当事者団体と言った、
私たちが普段話し合うような場でテーブルには上がらないけれど、
でも、依存症者を助けて下さっている、
実は大きな一つの流れがあることを皆さんお気づきでしょうか？

そう！それがまさに宗教団体です。
そもそも日本のAA立ち上げに関わって下さったのが、
ミニー神父様、ロイ神父様というカトリックの神父様だったことから、
キリスト教とは深いご縁がありますよね。

自助グループで会場を借りていたりする所も多いですし、
回復した依存症者が洗礼を受けるケースも多いですよね。
私もそうでしたけど。
また、回復施設のご支援に関わって下さっている教会も多く、
物心ともどもお世話になっている所も多いですよね。

で、そういった宗教団体の一つに天理教の皆さんがいらっしゃいます。
これまでも度々書いてきましたが、私、天理教さんとは、
もうかれこれ５年くらいお付き合いしているでしょうか？
それこそ全国各地の天理教会に行かせて頂きましたね。

最初は、依存症の概念みたいなものを、
天理教の本部で講演させて頂く機会を頂戴したのが、
きっかけだったんですが、受講されてた栃木支部の先生が、
「うちの教区でもやって欲しい！」とおっしゃって、
そこから全国行脚がはじまりました。

私も最初は、天理教さんと言う組織のことも、
成り立ちも、仕組みも全く分からなかったし、
なぜ天理教の方が、依存症なんて学びたいのかなぁ？と、
理由が良く分かりませんでした。

でも、何カ所も講演させて頂くようになって、
「へぇ～！そうなのかぁ～！！！」と、
この講座の意味が良く分かるようになったんですね。

そう！人は困った時に、身近にある神様を頼るんですよね～。
もしくは身近な人が、何らかの宗教を持って、
楽しそうに暮らしてると、その宗教に自分も頼ってみよう！
とそんな気持ちになる訳ですよ。

で、依存症で困ってる方々が、天理教に助けを求めてくるケースが、
実はたっくさんあるんだ！ってことを私自身も初めて知ったんです。

この天理教さんというのは、困っている人を、
ご自分の教会で引き取って、面倒をみたりする方もいらっしゃるようで、
もう全国どこにいっても、依存症者と関わりを持っていらっしゃる、
教会の先生方が、あっちこっちに居るわけです。

あぁ、わかるなぁ～と思いました。
つまりとりあえず、教会が預かって下さると、
当事者と家族は分離できる訳じゃないですかぁ。
施設に入るお金がない人で、生活保護受給が難しかったりしたら、
駆け込み寺的にお願いしたくなりますよね。

だけど、預かられたり、関わられた先生方が、
依存症のことをあまりご存じないと、
無駄に苦労ばかりして、共依存になってしまって、
誰のためにもならないわけです。
ですから、正しい知識が必要になるわけです。

しかもいくら依存症が、信仰により回復すると言っても、
宗教で抱え込んだりしてしまうと上手く行きません。
やはり共感も大事ですから、
自助グループとの連携は不可欠です。

そういうことをコツコツ５年間お伝えして、
「先生方、天理教の内部完結で囲い込んではいけません。
地元の自助グループに繋がらせて下さい。
援助のEcoが必要で、なんでもかんでも背負ってはダメです」
ってなことを言い続けて参りました。

でも、なかなかこのへんてこりんな依存症と言う病気って、
理解できないじゃないですか。
「手放していく」と言われても、
？？？という感じだったと思います。

そしてやっとですね、想いが結実して参りまして、
とりあえず天理教で、グループミーティングを実施しよう。
１２ステップの勉強をしよう！
ってところまできたんです。

まずは自助グループのミーティングのようなことを、
天理教の本部で毎月１回開催しする。
そしてその後、地元で自助グループに繋がれるよう、
動機づけしていくってな流れになりそうなんですね。

どうですか～？皆さん。
なかなか良い感じじゃないですか？

天理教さんの中でも、こんなプライバシーを明かさず、
申し込みも不必要というミーティングを開催するのは、
初めてだそうで、依存症問題に関わって下さっている先生方が、
真摯に向き合って下さったお陰で、やっと実現に至ったんです。
ホント私のプラン殆ど受け入れて頂き、感謝です。

ホント宗教と依存症の観点が盲点でした。
でも考えてみれば、昔から駆け込み寺って言葉がある位なんですから、
宗教ってお助け現場なんですよね。
人間てやっぱ最後の最後は、神にすがるんだなって思いました。

ですから私としても、折角助けを求めた来た人に対して、
適切な援助をして頂きたいじゃないですか。
助かる人を増やしていきたい。
そして、助けの手を差し伸べた、天理教の先生が、
燃え尽きないで欲しいんです。

５年間度々機会を与えて頂いてやっとここまで、
まとまってきたこと本当に嬉しく思いますね。
ありがとうございます。

今日は、この新プロジェクトに向けて、
勉強会を開催して頂きました！
参加された先生方とパチリ！

そしてその後は、お食事会にもお招きいただいたんですが、
そこでなんと井筒布教部長さんとお目にかかり、
お隣に座らせて頂くという、恐縮しきりな状況が・・・！
大変お偉い先生のご様子でしたが、
依存症問題に深い関心をお寄せ頂き、
大変有難く思いました。

これまでも、現場では様々な宗教をお持ちの仲間と出会ってきて、
もちろん天理教の方もいましたし、
カトリック、プロテスタント、創価学会、生長の家、立正佼成会などなど、
日本人が無宗教なんて嘘だよなぁ・・・とつくづく感じておりましたが、
どんな宗教に繋がったとしても、正しい知識が共有され、
回復の王道がつかめるような社会になって欲しいと願っております。

それこそ連携が大切です。
天理教さん以外の宗教団体でも、
依存症問題に関わられていらっしゃるのなら、
是非勉強会を開催して頂きたいと思います。

私も、良い連携作りができるよう、
これからも尽力していきたいと思っております。

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