面白い!ハームリダクションです

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今日は某研究会で、ハームリダクションについて学んで参りました。
前々から、ハームリダクションについてきっちり学びたいなぁと思っていた所、
今回のチャンスに恵まれ、今日は楽しみにしておりました。
講師はアパリの古藤吾郎さんと、東京ダルクの秋元恵一郎さん。

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はぁ~、もうめっちゃ面白いじゃないですか!
ハームリダクションの考え方。
依存症業界の先生方の中でも賛否両論あるようですが、私はめっちゃ共感。
是非、勉強会とか検討会とか、参加してこれからも学びを深めたいです。

ハームリダクションて、依存症の中でも特に薬物依存症に関わっている方じゃないと、
あまり知られていないかもしれないですよね。
実際私も話には良く聞くけど、あんまり良く分かっていませんでした。
前回の学会で我らが女性研究会の代表の徐先生が発表されたので、
それを聞いたぐらいですかね。

あとは「あぁ、あのオランダとかで薬物が自由にやれるとかっていう話?」
ぐらいにしか思ってなかったんですね。
ギャンブル関係の仲間なんかだと、全然知らないと思います。

で、このハームリダクションてなにかと言いますと
ハーム(危害)をリダクション(削減)する訳ですから、
つまりですね、
「合法だろうと違法だろうとドラッグについて、
必ずしもその使用量が減ることがなくても、
使っちゃうことによって生じる、
健康・社会・経済上の悪影響を減少させることを、
主に考えていきましょうよ!ってな政策・プログラム」
のことを言うんだそうです。

へぇ~~~~~~~~~~~!!!!!いいじゃん!!!!!
って思ったんですね。私こういう合理的な考え方好きです。

だってね、ホント依存症って、どうにもこうにも止められない人が、
もう絶対にいるんですよ。
そして、この平和時の日本で、信じらんない位多くの人が、
依存症による自殺や事故で死んでるんですよ。
死んだらおしまいじゃないですか。
だったら依存してても、生きてた方が良いに決まってる。

もちろん止められるなら、止めた方が良いですよね。
私もきっぱりやめられてホントよかったですけど、
これがずっと続くのかは分からないし、
止められない人を責める気にもなれないです。

だったら「わかったよ。止められないなら仕方ない、
んじゃ、せめて使ってる時に生じる、他の問題は減らしましょう」
ってなことで、清潔な注射器が与えられたり、
麻薬は麻薬なんだけど、より副作用の低い代替え品を使いましょうよ
ってなことで代替え品の麻薬が与えられたりするんですね。

で、今このハームリダクションの流れが世界的にやってきていて
なんでかって言うと、この40年の間、取り締まりを強化して、
ものすごいお金を使って、取り締まる方も、取り締まられる方も、
沢山の人が亡くなって、撲滅戦争をやって来たけど、
その結果、ちっとも薬物問題は減ってないじゃん。
だったら、その分、健康対策とか治療や回復にお金かけようよ
ってなことを皆が言いだしているんだそうです。

めっちゃ合理的で、すごくないですか?この発想。
だって、結果を客観的にみたら、
そりゃそうだ!って思えるじゃないですか。

んで、一番大きな声をあげて活動している人たちが、
誰だと思います?皆さん。
なんと、アナン元国連事務総長&色んな国の元大統領軍団なんだそうです!

へぇ~へぇ~へぇ~!
言われてみりゃそりゃそうだ!ですよね。
だって自国の薬物問題で一番頭を悩ますのって、
大統領ですよね。
命令を出しても、ちっとも改善されない訳ですから、
「参っちゃうよなぁ~」って思う最たる人っていったら、
そりゃあ大統領閣下だ!って思いますよね。

だけど当然、反対論もあって、
ハームリダクション=悪と考えられて、
攻撃もされやすいんだそうです。
日本の世論なんかめちゃくちゃ反対でしょうねぇ。
日本でやるには、もう少し依存症の理解を深めて行かないとダメでしょうね。
そもそも自己使用だと犯罪にならないそうですからオーストラリアなんかは。

日本なんて、なんでもかんでも「厳罰化」が大好きですけど、
刑事罰が再犯防止になんかならないですよね。
覚せい剤なんて実に70%近くが再犯なんですから。

あともう一つ非常に興味深かったのは
健康だけじゃなくて、人権も守るってのがハームリダクションなんですね。
つまりスティグマ(負の印象、レッテル)を強化すると、
人権侵害が高まるんだそうです。
なるほどなぁ~ですね!

薬をやっちゃいけないと言えば言うほど、
薬をやる奴は馬鹿だ!という人権侵害が生まれるわけですね。

で、私思ったんですよね。
このハームリダクションってギャンブルこそありじゃないの!?って。
だって、最も受け入れやすく、薬物と違い法改正も必要ない訳だし、
しかもスリップも多いんですから。

もちろんやめられれば一番良いんですから、
今日一日でやめていくことを目指しますよ。
でもね、再発した時こそ、自殺率が高くなる訳じゃないですか。
そんな時にですよ「まぁ今年はスリップ1回で良かったじゃん!」とか、
そんな感じで接するプログラムがあったらいいのになと思いました。

お医者様と研究者の先生にも、
「ギャンブルこそハームリダクションですよね?」
と言ってみると、「そうそう、そうだよ~」とお二人とも同意見で、
あぁこれテーマに何か研究できないかなぁなんて、
頭の中がまたグルグル忙しくなりました。

今日の研究会でジ~ンとしたのは、あるお医者様が、
「死を防ぐことが第一目的で、薬をやめることが第一目的ではない」
とおっしゃったことで「その通り!」と、
じ~んと胸が熱くなりました。

会場の皆さんおっしゃっていましたけど、
依存症問題は、死に出会うことが最も辛いことです。
だったら、使ってても、やってても良いから生き伸びて欲しいです。

「あの先生の発言に胸が熱くなりました」と、今日の主催者の先生に申し上げると、
「沢山の死に出会ってきたからね、あの先生も」とおっしゃってました。

私も、沢山の仲間の死に出会って来ました。
特に今年はこたえました。
だったら、1ミリでも生き延びられる可能性を見つけていきたいです。

早速、年内に作られるという、
ハームリダクションの研究ネットワークに、
参加申し込みをしました。

新しい概念に出会って、死んでいった仲間の無念に、
絶対応えていくんだって、ものすごくまたやる気になりました。

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