お父さんというネックです

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この仕事をしていて、何と言ってもネックなのが、
頑固なお父さんがいる場合です。
しかもその確率が結構高いんですよね。

ネックになるお父さんは、
・息子が依存症と認めたくない
・ギャンブル依存症などという病気が信じられない
・息子は甘えている。たるんでいるのだと思う
・親が厳しく管理しなくてはならない
そして、
・恐れから来る現実逃避
というパターンですね。

現実逃避型は、
「のたれ死ねばいい」
「あんな奴どうなってもいい」
「親子の縁を切る」
など非現実的なことを言って、
問題と向き合おうとしません。

そして施設入所を頑なに拒否する人もいます。
これは、
「そんなにひどくない」と思う場合と、
「そんな奴らとうちの息子を同等と思いたくない」
と、他者を見下すパターンですね。

そういう人に限って
「イヤイヤお宅の息子さん図抜けて重症ですよ。」
って、言いたくなる人ばかりで、不思議というか当然というか、
お父さんが頑固だと、やっぱり問題も重症化してますよね。

そもそもギャンブル依存症だけだってなかなか良くならないのに、
そこに、万引きだ、窃盗だ、横領だってくっついてきたら、
それだけでも問題は悪化してる訳じゃないですか。
そりゃ、そういうパターンも確かにありますけど、
そういう犯罪には手を染めず、
単なる借金だけでとどまっている人の方がずっと多いんですから。

ところが頑固なお父さんだと、
そういう犯罪系にすでに手を染めていても、
そこをすごく軽視したりするんですよね。
「ギャンブルさえ止まれば、その問題もなくなる」
などと簡単に言います。
もう、お父さん自体のモラルも崩壊しているんですよね。

そして
「ギャンブルは金がなければやらない。だからお金を管理すればよい。」
と、現実を全く認められません。
管理なんてしきれないのと、
借金はいくらでもできてしまうという現実をです。

それでもですね、大抵のお父さんは私が介入すれば、
決して積極的とは言えなくとも、協力はしてくれます。
お母さんやお嫁さんの意見に従って、
力をあわせて本人介入に向かってくれるものです。

けれどもどうしても協力せず、
一向に考えを変えない、頑固な人も少ないですけど必ずいます。
本当に怒りを覚えるレベルですね。

子供の回復のチャンスを奪い、
子供の人生だけでなく、お母さんやお嫁さんの想いに
一切の斟酌をせず、我を通す頑固な暴君。
どうしてこうも変化を嫌うのでしょう。
どうしてこんなにも恐れが強いのでしょう。

女性は本当にたくましいですよね。
環境や状況の変化に、即対応できる。
もちろん回復には時間がかかりますけど、
家族の自助グループは、
アルコールでも薬物でもギャンブルでも、
その殆どが女性陣であることからも、
女性の柔軟性を物語っていると思います。

そして、自分以外の誰かのために、己を変える覚悟がある。
それはやはり妊娠出産という宿命を担って生まれてくる、
男性との性差と無縁ではないと思います。

お父さんが頑張りすぎている依存症家庭は、
なかなか上手く解決に至りません。
今も1軒そんなご家庭に出会い困っています。

回復を選べた、柔軟性のあるお父さん達に、
是非、意見を聞かせて貰いたいですね。
子供の依存症に対して、男親の感じ方について。
そして私の父親介入のスキルアップのために、
レクチャーして欲しいです。

頑固なお父さんの、非現実的な認知能力には、
あきれ果てると共に、ほとほと困っています。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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