バドミントン闇カジノ事件:再発防止策は口だけ?です

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まず最初にお知らせです。
本日6/2夜8時から、テレビ東京「わたしはワケあり成功者」
という番組で、微熱上映会&シンポジウム大阪開催のゲスト、
桂雀々さんが登場します。
是非、ご覧下さい。
わたしはワケあり成功者

また、昨日の清原判決に対する思いを書いたブログ、
アゴラさんに掲載して頂きましたので、
まだお読み頂いていない方、是非ご一読下さい。
清原判決、テリー伊藤の知ったかぶり論評にうんざり

今日はギャンブル依存症問題でも、
衝撃的な記事を教えて頂きました。
独占告白 闇カジノで「永久追放」田児賢一「それでも僕にはバドミントンしかない」

この記事、田児選手の正直な告白にまず驚きます。
「それでも、僕はあの勝負事は、スポーツ選手として自分を成長させてくれたと今でも思っているのです。」
という部分には、相当な批判が集まることが予想されます。
おそらく世間の人はこう言うでしょう。
「反省していない」と。

でも私には、田児選手の気持ちと、田児選手の病気の深さが良く理解できます。
「さっき「後悔していない」と言ったのは、ギャンブルと、極限状態で勝負するスポーツには、通じるものがあるからです。」
「僕はバドミントンという勝負に、博打を重ね合わせることで、プラスにつなげていたと今でも思っているのです。」

この二つのセリフは、病気の真っ最中であることを良く示しています。
「ギャンブルがあるから、バドミントンが強くなった」
「ギャンブルがあるから、辛い試練に耐えられた」
田児選手はきっとそう思っていたはずです。

私も「ギャンブルがあるからなんとか生きていけてる」
ずっとそう思っていました。

ギャンブル依存症者は、辛い出来事、悲しみ、プレッシャー、ストレス・・・
そういったものを、ギャンブルでしか乗り越えることができません。
病気の発症により、脳の回路がそうなってしまうからです。
回復して初めて「あの考えは、おかしかった。」と気がつけるのです。
ですから間違いなく、田児選手はギャンブル依存症だと思います。

それに対して、ここで書かれていることが本当なら、
バドミントン協会さんも、NTTさんも、まさに
「放りだすだけ」で、責任放棄したとしか思えません。
私は、この事実に大きなショックと、深い無力感を味わいました。

「再発防止に努める」と言いながら、ロクな聞き取りもせず、
治療につなげたり、カウンセリングを受けさせるなどの対処どころか、
ギャンブル依存症の診察すら受けさせていません。

田児選手を放りだすだけで、予後の追跡調査をしなければ、
一体どうやって真の再発防止策を作るのでしょうか?
そしてこの国は、仮にも税金まで投入して育て上げてきた、
オリンピック選手の依存症問題に対して、
綿密な調査や、研究、そして再発防止の検討会も行わないのでしょうか?
当事者を抜きにした、再発防止策など効果が上がる訳がありません。

そもそも、この問題に対し、NTTさんも、バドミントン協会さんも、
一度も依存症ということに触れていません。
おそらく組織の長が依存症に対する偏見をお持ちであろうことは明らかです。
「依存症などというダメ人間のレッテルを貼られたくない」「臭いものに蓋」とばかりに、
まるで自分たちこそ被害者とばかりに振舞い、
世間体を恐れ、さっさと切り捨てごめんにし、
厳しい処分を下したことが非常に残念でなりません。

あえて私は申し上げたいのです。
これだけギャンブルが蔓延した国で、
これだけ頑張ってきたオリンピック選手に対し、
これが、ふさわしい処分だったのでしょうか?
それほど悪いことをしたのでしょうか?

そして、日本のスポーツ関係者とオリンピック関係者にお聞きしたい、
「体面ばかり取り繕って、恥ずかしくないですか?」

熊本地震が起こる前、マスコミは田児選手、桃田選手のことを、
一斉に「ギャンブル依存症」と、取り上げました。
それが関係者の耳に届かぬ訳はありません。
でも、関係者は医学的な対処法や、前例のない取り組み、
そして世界の常識に習うよりも、
精神論と根性論をとり、世間体を気にして何も変えようとしませんでした。

依存症に対して、向き合う勇気がないから、
知識を身につけることができず、
どう対処して良いのか分からなかったのだと思います。

昨日の清原判決しかり、今回のバドミントン闇カジノ事件しかり、
自分たちに理解できないことに対して、理解しやすい落とし所を持ってくる、
単純で安易な方法を、とることからもういい加減この国は卒業しませんか?

NTTさん、バドミントン協会さん、
そして馳文科大臣と、遠藤オリンピックパラリンピック大臣、
あなた方は本当にこれで再発防止策に尽力されたと、
胸をはって言えるのでしょうか?

マスコミの皆さん、何故依存症問題に対して、
あなた方も視線を変えようとしないのでしょうか?
尾木ママやテリー伊藤さんといった、依存症の素人に意見を求め、
間違った情報を垂れ流すことをやめてくれませんか?
そのために多くの仲間達が、死を選んでいるのです。

そして、国民の皆さん、これで幕引きで本当に良いのでしょうか?
「バカな奴」と切り捨てるだけで、何も変わらなくて良いのでしょうか?

私たちは、決してこのままで良いとは思いません。
何故なら、野球賭博や闇カジノ事件は、何度も摘発されながらも、
繰り返されているからです。

どうかお願いです。私たちに同意して下さる方は、
チェンジオルグに是非ご協力下さい。
「バドミントン選手闇カジノ事件」――アスリートとギャンブル問題に関する再発防止策を国に求めます!

たった一人、治療にも繋がらず、
借金は家族の尻拭いという最悪の結末のまま、
それでも敢えてバドミントンで生きていこうと、
前を向く田児選手にはエールを送らずにはいられません。

依存症は、孤独の病。
今のあなたはどんなにか苦しいことと思います。

あなたを日本人は切り捨てたけれど、
マレーシアで是非親身になってくれる仲間を見つけて欲しいと心から願っています。
そしてマレーシアで、依存症に向き合って欲しい。
あなたのことを誰も知らない、マレーシアでなら、
回復プログラムにも繋がれるのでは?と、
一縷の望みを繋ぎ、お祈りしています。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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