「太陽のめざめ」と「ニュースの真相」です

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しつこく、夏休み映画情報をお届けします。
さて今日お届けするのは、シンゴジラのような大ヒット作ではありませんし、
単館上映なので、上映している地域が限られていると思いますが、
チャンスのある方には是非観て頂きたいなぁという2本です。
そして今日ご紹介する2本は、どちらも依存症に関係が深い映画です。

まず「太陽の目覚め」。
こちらは、薬物依存症で、恋愛依存の母親から生まれた少年の話で、
彼は幼い頃から、きちんとした養育を受けられず、
そのため人を信じず、すぐに感情を爆発させ、
次々と問題を起こしていきます。

そしてそんな彼を、なんとか更生させようと、
何度も何度も温情判決を出し、彼を諭す判事との10年にもわたる
関わりを描いた映画です。

フランスの裁判制度もとても面白いですが、
薬物依存症で、無責任で、人の気持ちが分からない、
そしておそらく発達障害の母親との共依存関係や、
翻弄される大人たち、そしてそんな彼に惹かれる少女、
問題の世代関連差と、日本と全く同じ問題がフランスでも起きているんだなぁ
と実感させられる映画です。

更に、学校もろくに通っていないため、全くスキルがない彼を、
どう社会で就労させていくか、周りの大人たちの苦労が、
まるで草刈さん達の、職親プロジェクトそのものです。

そして周囲の大人たちの、根気強い関わりによって、
少しずつ変化していく少年。
やはり「親の愛」という思いこみを捨てて、
周囲の人の愛で変わるんだという、柔軟な考えが必要だなぁと思います。

さてもう1本は「ニュースの真相」。
これは日本でもおなじみのCBSの伝説的ジャーナリスト
ダン・ラザーがアンカーマンを務める番組で、
ブッシュの軍歴詐称疑惑を裏付けるスクープを放送し、
センセーションを巻き起こすのですが、実はそれらの証拠は「偽造」だったのです。

そして、BSニュースのベテランプロデューサー メアリー・メイプスと、
まるで娘と父親のような強い絆で結ばれていた、ダン・ラザーがTVの世界から、
失脚していく話なのです。

アメリカの選挙戦略や、スクープを狙うジャーナリストたちの、
息詰まる攻防や、偽造疑惑がでてからの、
世間や会社の非情な仕打ちと、そこに立ち向かっていく姿は見応えがあります。

けれども私が何よりも、この映画に惹かれたのは、
鉄の女、優秀で仕事ができ、何度も表彰されているような、
メアリー・メイプスの父親が実はアルコール依存症で、
父親からすさまじいDVを受けて育ったこと。

そしてそのアルコール依存症の父親が、
他人の要求には良い顔をして、今でも平気で娘を傷つけるシーンに、
もうめっちゃくちゃ共感致しました。
わかる!うちの父親みたい!と思わず膝を叩きたくなりました。

そして、そんな父と娘の不全感を埋めるかのように、
強いきずなで結ばれた、ダン・ラザーとの信頼関係。
そういったものが実にリアリティをもって、
映画化されているので、是非お見逃しなく!

アメリカではこの映画が作られたことで、議論が再燃し、
CBSでは、映画のCMを一切流させないなど、
大論争になっているようです。

いや~、映画って本当に良いものですね~。

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