「等」はやめて!です

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皆さんは、全国に精神保健センターという部署があることをご存知でしょうか?
もちろん私は現在は知っていますが、
依存症に気づくまではその存在すら全く知りませんでした。

では、そこは何をやっている所かと言えば、
例えば東京都の中部総合精神保健センターのHPをみると、
東京都立中部総合精神保健福祉センター
「当センターは、都民の精神的健康の保持増進、
精神障害者の自立と社会参加の促進のための援助を総合的に推進することを目的とした
精神保健福祉法に基づく施設です。
都内には、多摩市と台東区にも精神保健福祉センターがありますが、
当センターは主に23区西部の10区(約453万人)を管轄します。
精神保健福祉手帳の審査等、全都的な業務も行なっています。」
と、あります。

果たして、このような説明で、業務内容が理解できる人がいるのか?
と疑問なんですが、
どうやらここに来年から、国の予算で人員が割かれ、
各センターに一人「依存症担当」となる人が置かれるんだそうです。

もちろんこれは依存症対策が一歩も二歩も前進することで、
喜ばしいことではありますが、
だとしたら、これからはもう少し広報に力を入れ。
HPなどももっと分かりやすいものを心がけて欲しいです。

また、これまで精神保健センターでやって頂いてきたのは、
アルコール・薬物の家族教室を開催されているところは結構ありますが、
ギャンブルの家族教室を開いているところは本当に少ないんです。

ギャンブルの家族教室を是非開催して欲しいことと、
ギャンブル依存症も相談できることを、
大々的に広報して欲しいです。

ギャンブラーの家族は、ギャンブラーのことを精神疾患だなんて思っていません。
ですから、精神保健センターの体制強化に、
来年度の厚労省の予算はだいぶ大きくさかれるみたいですけど、
現状のままだと、ギャンブル依存症の相談で、
精神保健センターに繋がれるなんてほんのわずかだと思うんです。

実際、仲間うちでも「精神保健センターに紹介されて・・・」
と言って繋がってくる人は、殆どいません。
地域で多少温度差はありますけれど・・・

第一、家族のギャンブルの問題が、
どこかに相談できるという発想もありませんし、
あったとしてもそれは弁護士さんとか司法書士さんだと思うのが普通ですよね。
ギャンブル依存症なんて病気のことを、
殆どの人はよく知らないですから。

そもそも、国の「一億総活躍プラン」ってありますよね。
あれ中身をご覧になっている方は少ないかと思いますけど、
あの資料のP58には、
「アルコール・薬物等による依存症について、
依存症者が地域において必要な治療・回復プログラムや相談支援
を受けられる環境の整備を推進する。」
と書かれているんですよ。
ご存知でしたか?

で、このアルコール・薬物等の「等」ですよ!
ギャンブルがいつも忘れ去られ、どこのセーフティネットにも、
ひっかかってこない諸悪の根源は。

アルコール・薬物という2大「物質依存」が書かれていてですよ、
「あぁ、おそらくここにギャンブルも含まれてるよね」
なんて気がつける、助けを求めているご家族なんているでしょうか?
いや相談窓口に関わる方、援助職の方だってまだまだ
「あぁ、ギャンブルも依存症ってるんですね!?」
ってレベルの人いますからね。

まして一般人ならアルコール・薬物という文字をみたら、
「自分とは関係ない」と思いますよね。
全く結びつかないです。

だから「等」はやめて頂きたい!
というのが私たちの切なる願いです。
「ギャンブル」というたった5文字を省くことで、
多くの助けられたはずの家族と当事者を取りこぼすんです。
ちゃんと省かず記載して下さい。

厚労省関係には、来年度折角予算が、
1.9億円から5億円に増えるんですから、
その分依存症問題には力を発揮して頂きたいです。

HPも分かりやすく、せめてアルコール・薬物・ギャンブルの家族教室は
全国で開催して欲しいですね。
そして地元の自助Gとの連携を密にして、
家族教室から自助グループに繋いで欲しいです。
家族教室で囲い込んでしまってもいけません。
必ず自助グループに繋いで欲しいです。

そして、依存症の病気の理解を促す、
分かりやすい広報を是非お願いします。

依存症対策の必要性を訴え、
国がその意向を汲んでくれても、
我々に予算がおりてくるわけではありません。

これまでどんなに国の無策を補ってきたとしても、
今までやってきた民間に予算をつけるのではなく、
今までむしろなんもやって来なかったところに予算というのはつくのです。

その理不尽さを補って余りある位、
春からは精神保健センターさんには活躍し、
我々を助けて欲しいです。

「精神保健センターさんが本腰入れたら、
自助グループの数が、欧米諸国並みになったよ!」
と、評判になる位、是非頑張って頂きたいです。

当会が立ち上がった約3年前、某県の精神保健センターさんに、
「相談者のためにギャンブルの自助グループのパンフレットを置いて欲しい!」
とお願いにあがったら、
「どんなところかもわからない怪しい団体のパンフは置けない!」
と言われ驚いたことがあります。
「では、是非自助グループをご覧になってみて下さい」と申し上げたら、
「いきません!」とぴしゃりとお断りされました。

ものすごい怒りがこみ上げてきましたが、
当時はこちらも発信力もなければ、どうすればよいかもわからず、
すごすごと帰るしかありませんでした。

4月以降、国の予算がおりたら、必ず某県に再び問い合わせに行きますよ。
その時同じ対応だったら、今ならどうすれば良いか分かりますからね。
こちらも力を蓄えました。

精神保健センターさんは、是非予算を無駄にせず、
民間との連携作りにも、
是非、ハブ機能となって、力を発揮して頂きたいと思います。
宜しくお願い致します!

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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