研究者と現場の関係(愚痴っぽいブログ)です

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昨日も、今やっている研究プログラムの会議があり、
なんだかんだと喧々諤々、大激論になってへとへとに疲れてしまい、
家に帰ってきたら、目をあけていることが不可能なほど、ぐったりと疲れ切ってしまい、
ブログも書かずに寝込んでしまいました。

今日は、気がついたら8時間ぐっすり寝ており、気分爽快!
・・・とまではいきませんが、やる気と気力が戻って参りました。

今、三つの研究プログラムに関わっていますが、
どちらも一体どうなる事やら?といった問題が出てきて、
本当に難しく、疲れています。

いつも思うのは、研究者と現場のギャップですよね。
これはもうよく言われている話ですが。

私たちギャンブラーの家族なんかは「どんどん研究を出して欲しい!」という気持ちがあるので、
多少大変でも、何度も同じようなアンケートに応えるようなことになっても、
「やっていただけるだけでありがたい!」という気持ちがありますから、
喜んで協力しますよね。
だってギャンブルを研究しよう!なんて思って下さる方が、
これまで殆どいなかったんですから。

そもそもギャンブラーの家族は
「頼まれたことはちゃんとやって、期待に応えたい!」
という人達です。
今までは応えちゃいけない期待に応えてましたが、
こういうどんどん応えるべく期待なら、バシバシ応えていこうじゃないの!
という気持ちになって燃えます!(笑)

でも、「そんな研究なんて、別にこっちはどうでも良いんだけど」とか、
「研究に協力しても、面倒なだけでなんらよいことはなかった」という方々、
もしくは「依存症なんて全然知りません」・・・という一般の人達相手に、
研究をさせて貰う時に、色んなことがおきますよね。

なんていうんですかね、研究者の先生方にとっては、
「論文として通用するかどうか」
ってことが非常に大事な訳ですよ。
で、大体は「先行研究でそういう尺度があって・・・」
という話になって、それにあてはめて質問等をなさりたいわけですよ。

でも現場サイドは「え~、そんな沢山はできないよ~」とか、
そもそも依存症の研究というのは、非常にナイーブな問題なので、
組織自体に依存症の問題があると結果が出ることは、
ちょっとどうなの?って組織の名誉に対する不安があったりする訳じゃないですか。
だから面倒なら協力なんて益々したくなくなっちゃいます。

で、この私もやっと
「あぁ~研究っつうのはクソ面倒くさいもんだな!」と、
理解できるようになったんですけど、
おそらく一般の人達はそういったルールのようなものは分からないし、
大体、一般社会の人は「先例にならう」なんてことに嫌悪感があるじゃないですか。
「先例がなくったって、やりゃ~良いじゃないか!」なんて、
お役所に文句いう感じですね。
その先例の大切さがよく分かんないです。

で、またですね、こんなことブログに書くと大ひんしゅくをくらいそうですけど、
まっ、それは今に始まったことじゃないので、書いちゃいますけど、
研究者の皆さんて、大体においてプレゼンが下手くそですよね。
何言ってるかわかんないです。

そもそも研究者の方って「言いきる」ってことを良しとしない人達じゃないですか。
「可能性が非常に高いと思われます」「優位差が出ました」みたいな感じでお話しされます。
私、学会発表なんかほぼほぼさっぱり分かんないですもん。
「だからそれが何なの?」「その結果がどうだっていうのさ!」
とやさぐれた気持ちになって、大体眠くなりますね。
でも、あれが通常言語な訳ですよね、研究者の先生方って。
もうね頭の構造が全く違う訳ですよ。

それに対して我々現場サイド、特に家族支援なんかは、
頭が混乱している人達に、研究みたいにあいまいな感じで言ってたら、
家族は益々ふにゃふにゃしてシャキっとできないので、
私なんか特にですけど、めっちゃくちゃバシっと言いきっちゃうことを、
良しとしてるわけじゃないですか。

多分ですね、他の業種の人だってそう思いますよ。
OLやってた時だって、上司にはっぱかけられる時なんて、
めちゃくちゃ分かりやすい言葉で、檄を飛ばされる訳じゃないですか。

で、こういう全く違う生活習慣と頭の構造を持った人たちで会議をやってると、
めっちゃ疲れます。
「ハッキリ言ってくんないと、何が伝えたいんだか分からん?」みたいな感じと、
先生方ももちろん現場に配慮されながら話すので、
遠慮もあるのか、控えめな言い方になり益々わかんない・・・みたいな感じ。

んで段々、バカにされてんの?みたいな、見下されてるような気分になりますね。
先生方は、そういうつもりは全くないのでしょうけど、
でもそもそも学歴の違いとかバックボーンの違いは明白な訳じゃないですか。
だからこっちがそういう気持ちになっちゃうんでしょうけど、
「なんかバカにしてます?」と聞きたくなることは時々あります。

あとですね、研究に協力しても、
先生方論文書いて、学会発表して終わりじゃないですか。
フィードバックがないから、全然現場のモチベーションがあがらないですよね。

これこれこのような研究結果が出て、
それはこういうことを示唆してるわけで、
例えば、議員さんにこれを持っていって、こんな風に説明すれば、
こういうことはやらせられると思いますよ!
なんて、こっちのメリットに対する配慮があれば、
もっと現場は喜んで協力するんじゃないですかね?
この研究の使い道をもっと教えてくれればいいのに・・・なんて思いますね。

あとですね法案を作ったりする時に、
研究者の皆さんが、どこでどんな研究をしていて、
誰がどんなデータを持っているのかさっぱりわからん・・・???
ってのが現状です。

もちろん研究者の皆さんはデータベースがありますけど、
こっちは研究者番号がないから、検索することすらできないです。
各団体が協力したのに、その結果をみることすらできない。
これには非常に不満を持ってます、私。
もっと工夫して欲しいです。

んで、しょうがないから学会にでて情報収集しよう!
と思っても、前述の通り、自分の関わったものとか、やったことのあるもの以外、
サッパリわからず眠くなるし、
そもそも研究者の皆さんには研究費があるからよいですけど、
こっちは自腹で学会に行かなくちゃならない訳ですから、
所属するだけで年会費も払わなくちゃならないし、
そうそういくつも行けるわけじゃありません。

なんか愚痴っぽいブログになりましたが、
もっと現場と研究者は双方でWinWinになれるよう、
お互いの努力と歩み寄りが必要ではないでしょうか。

現場側のお願いとしては、先生方にまずは
「通じる言語で話して欲しい!」です。
研究者の先生方の常識前提で話されても、こっちはわからないのですが、
その言語が特殊だということが、
その世界にいると分からなくなっちゃうじゃないですか。
我々が回復用語を当り前のように使ってしまうのと同じで。
通じるように話しつつ、バカにしたように見えない、
そこ工夫して頂きたいです。

あともう一つの私の願望は、先生方の研究が我々現場の人間に検索できるような、
プラットフォームとなるNIDAのようなサイトが欲しいです。
National Institute on Drug Abuse(NIDA)
これずっと訴えかけてますけど、全く実現していません。
研究なんて、研究者だけが見てたって仕方ないじゃないですか。
なんで広く一般に知らしめないんですか?

仕方ないから、クラウドファンドやってNIDAみたいなもの作ろうかなぁ・・・
と思ってますけど、果たしてどんなもんでしょうか?
研究者の皆さまは、協力してくれるもんでしょうか?

結果のフィードバックを共有して、
よりよい社会を目指していきたい!
これって研究者の先生方と、現場と双方の願いだと思いますが、
いかがなものでしょうか?

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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