依存症予防教育です

公開日：2017/01/27

昨日と一昨日、文科省の委託事業で千葉県で開かれた、
「依存症予防教室」の講師をさせて頂く機会に恵まれました。

この事業、今年度文科省のモデル事業として始まったもので、
全国で千葉県が唯一手をあげ、先駆けて実施した試みです。

もうすぐ公開となると思いますが、現役高校生に、
ゲームとギャンブルについてアンケート調査を実施しており、
これはなかなか画期的なことではないかと思います。
特にギャンブルに関する現役高校生に関する調査は、
おそらく私が知る限りこれが初めてではないかと思っております。

また、千葉県のHPで公開されたら、この件について
書きたいと思っております。

さて、千葉県の「依存症予防教室」ですが、
主に中学・高校の先生方とPTA関係の方々向けに行われました。
2日間で約400名の方がお越しになり、
会場は満員状態でした。

いかに今、この依存症問題に関心が集まっているか、
現場の熱気を感じました。

そうですよね～、先生方は一番事例に接してますよね。
ゲームにはまって、学校に来れなくなったお子さんにも接しておられることでしょう。
そういった子供たちに何ができるか？
日々心を痛めているはずです。

樋口先生のご講演によると、
ご両親以外の、例えば友人とか先生によって、
特に進学が迫った時期などに、
「高校行かないのか？」とか「大学受けないのか？」とか、
「一緒にセンター試験受けようぜ！」なんていうお声かけで、
ひょいっと変われた事例って、結構あるんだそうです。

なんとなくわかる気がしますね。
ギャンブルもよく分からないけど、色んなきっかけで、
なんか止まっちゃったよね・・・って人、結構いますからね。

それと脳の研究も進んできて、色んなことが解明されてきたなぁと思いました。
これだけ分かってくると、依存症がいかに進行性の病気かよく分かります。
画像診断なんかを見せられると、説得力がましますよね。
MRIの進化と研究者の先生方に感謝ですね。

あとはどうやって長年の思いこみを払しょくするか、
意思や性格の問題ではなく、病気なんですよ。
だから早期発見早期治療が大切ですよ！
ってなメッセージを国民に行き届かせるか・・・
ってことが問題な訳で、
それには予防教育はとっても有効だと思います。

どうしても教育現場に依存症はなじまない・・・
特にギャンブルの話を子供たちにするのってどうよ？
ってな思いこみが、大人の側にあるんですよね。

でもタブー視するほど、子供たちは子供じゃない。
早い子は中学生でギャンブルをやってたり、
特にスクラッチくじなんか平気で買ってます。
そしてそれを子供たち同士は知っているし目にしてます。
知らぬは教師と教育委員会ばかりなり・・・
ってな状況になっているのが現実なんです。

その現実を知って貰うためにも、各自治体で、
まずはアンケート調査を実施して頂きたいです。

そして我々相談現場が、「高校生、早い子は中学生でもギャンブルに手を出してます！」
と、発信している言葉を信じて欲しいんです。

今の大人たちは勝手に
「最近の子供たちはギャンブルをやらない」と、
決めつけてかかっているんです。困ったことに。

確かに、昔はかなり多くの子供たちがギャンブルをやりました。
今の40代以上の人達は、
高校時代に麻雀やパチンコをやった経験がある人が多いと思います。
でも、その中でも依存症になった子供はごく一握りです。

逆に、大多数の子がやらなくても、今でも一握りの子は、
ギャンブルにハマっているんですよね。
むしろ皆がやらないのに、
やってる子のほうが危険度は高いと言えるのではないでしょうか？
とにかく大人側の勝手な思いこみを払しょくして欲しいんです。

千葉県は今回、全国を牽引する、画期的なことに取り組んで下さったと、
教育長はじめ、皆々様方のご尽力に心から感謝致しております。
是非、この予防教育の取り組みが、全国に波及しますように。

ところで、この依存症予防教室ですが、
講師に久里浜医療センターの樋口進大先生もいらしてたんですね。
あんなご高名な先生とご一緒するなんて、めっちゃ緊張するじゃないですかぁ。

で、樋口先生がご講演の中で、
「先ほど田中先生が・・・」なんておっしゃる度に、
穴があったら入りたい！と、恐縮というか恥ずかしいというか、
恐れ多いというか、もうなんともいたたまれない気持ちでございました。
無事、2日間が終了し、ホッと致しました。
あ～、なんとかやりとげてよかったぁ～。

現在国内の推定罹患者536万人（2014年厚労省）のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を！
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

in a family way