長谷川豊氏の依存症者に対する本音が聞きたいです

公開日: 

日頃、日本維新の会の先生方には、大変お世話になっておりますし、
少なくともギャンブル依存症対策に関する実行力に関して、
私は、頼もしく感じています。

IR推進派のギャンブル依存症対策は、
「カジノの口実に過ぎない」という批判もあるようですが、
おざなりの対策にならないよう、陳情にあがったり、説明したりする義務は、
私たちの方にあると思っていますし、
そのための世論の喚起も、自分の使命だと思っております。

また、カジノの賛否はともあれ、現在の流れからすれば、
国会議員の先生方皆さん「骨太の対策作り」に尽力して下さると、
信じてやってきています。

その中で、降ってわいたような長谷川豊氏の立候補。
しかも日本維新の会から千葉1区でたつというじゃないですか。
びっくり仰天すると共に、激しく落胆も致しました。
「なんでまた、この人を立候補させるのか?」
訳がわからない???と思っています。

色々思いはありますが、私の一番の懸念を申し上げます。
昨日、長谷川氏の記者会見があり、こちらから動画をご覧頂けます。
長谷川豊氏記者会見(Fresh!)

ご存知の通り、長谷川氏というのは、失言というか暴言を売りにしてきた方であり、
今回大騒動になった「自業自得の透析患者は殺せ!」以外にも、
NHKで貧困家庭の高校生が取り上げられた際にも
「そこから這い上がる力を身に着けられる絶好のチャンス」「貧困は恵まれた環境」と言い放ち、
待機児童問題に関しては、
「子供をさっさと預けて働きに出たいママが待機している」とか、
「実は自分が甘えているだけの人と分けて考えろ」
などなど、とにかく自己責任論が大好きな人です。

で、千葉1区と聞いて嫌な予感がしたのですが、
案の定、実現したい政策に「幕張にIR誘致を!」と掲げてきたわけです。
これには本当に頭を抱えたい思いです。

そもそもこの人の人工透析の発言は、ある医師にから
「言うことを聞かない患者さんがいて、手がかかって困っている。
その人にどれだけ税金がかかっていると思うかetc長谷川さん是非ブログに書いてくれ!」
と医師に言われたというもの。
私は、本当にこんな医師がこの世にいるのか?と疑っています。

私は、若い頃東大病院で秘書をやっていましたが、
そこでも当然なかなか言いつけを守ってくれない患者さんはいました。
どんな分野にもそういう患者さんはいますよね。
病気の辛さを否認したいのかもしれないですし、現実を受け入れられないのかもしれません。
ですから医療従事者は、そういう患者さんのことをどうやって動機づけするか?
など、それらの要素も受け入れた上で、治療にあたっておられました。

少なくとも私が出会ったお医者様で、
「言うことを聞かない患者は税金の無駄使いだ!」なんておっしゃってる先生は、
見たことも聞いたこともなかったです。

で、長谷川氏はこの医師の発言を切りとって、
医者の言うことを聞かない患者を点数制にして、
自己負担額を増やせ!という暴論を吐いています。
だったら、医師はなんでもできちゃいますよね。
こんな恐ろしい制度が導入されたら、
悪徳医師や商魂たくましい医師にあたったら
どうするのでしょうか?
とにかく長谷川氏は権威に弱い方とお見受けします。

私は、長谷川氏に聞きたいのですが、
IRを実現したい政策に掲げるなら、あなたは最大の懸念事項である、
依存症について学んだのでしょうか、そしてどのようにお考えなのでしょうか?
依存症者はまず医者の言うことも、家族の言うことも、誰の言うことも聞きません。
「否認の病」と言われる依存症についても、自己責任と思われているのではないですか?

また、最大の心配ごとは、この暴言・失言の権化のような人が、
依存症者に対する誤解や偏見に満ちた言葉を発信するのではないか?
ということです。

その時に、人工透析の件では、もちろんあまりの暴言のために、
社会が一斉にバッシングしたわけですが、
依存症はそうはいきません。
依存症者へのバッシングは、まだまだ激しく厳しいものです。

そうなった時に、この方の暴言が切り取られ
「その通り!」「良いこと言う!」と拡散されていく可能性は十分あります。
実際、芸能人のそういった偏見にみちた発言のために、
私たちは現在も大変苦心させられております。

長谷川氏が依存症に対し十分な理解があるとは到底思えません。
そして、彼の立場を考えれば、これからも発言は注目されていくでしょう。
選挙の当落などよりも、私たちにとっては彼の暴言により、
依存症への誤解や偏見、そしてバッシングが広まらないか心配です・

長谷川さん、あなたが立候補し、本気でIR推進を掲げたいのなら、
まず最大の懸念事項である依存症者に対しどう思っているのかお聞かせ下さい。
願わくば、私とガチンコで対談して欲しいと思っています。

そしてまだよく知らないのであれば、私にレクチャーさせて下さい。
私たちの使う用語に「ミーティング100回」という言葉があります。
100回ミーティングにでるとやっと他人の言葉が入ってくるよ。
という格言的に使っています。
100時間ぐらい、勉強して下さいませんか?

あなたが誤解や偏見を拡散するリスクを、
私は最小限に減らしたいです。
そして本当に反省し、謝罪し、困っている人達の役立ちたいと思うなら、
まずその若いのに一体いつの時代の話なの?というような、
権威主義を捨て、自己責任論を捨て、
古い殻を破ってから、政治の世界を目指して欲しいです。

あなたは暴言でハレーションをおこすというけれど、
そのやり方で、傷つき、誤解が広まり、それを是正するために、
それこそ多くの人達が東奔西走しなくてはなりません。
時に、そのために税金を使わねばならないこともあるでしょう。
あなたの大好きな自己責任論のためにです。

言葉には力があります。
そして習慣性もあります。
本当に困っている人の役に立ちたいなら、
そしてIRを政策に掲げ、それについて語っていく予定であるならば、
今までのやり方を一切変えて欲しいと願っています。

クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑