「スノーデン」の警告は世界を変えたのか?です

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数日前に夫と待ちに待った映画「スノーデン」を観て参りました。
現在共謀罪で喧々諤々の議論が高まる中、
この映画が公開されるとは、皮肉なものだなぁ~と、
運命のいたずらというか、神様の意図はどこにあるのかな?
と考えさせられました。
与野党の議員の皆様他、今こそ日本国民に、見て頂きたい映画です。

さて、スノーデン事件が世界を震撼とさせてから、早4年がたちましたが、
あの事件から世界はどう変わり、スノーデンさんの行動は、
教訓として生かされたのでしょうか?

あの時、アメリカが世界中の国、それも仮想敵国だけでなく、
日本やフランスなど同盟国に対しても、
盗聴やパソコンデータの覗き見が行われていたことに、
多くの国民が驚愕したことと思います。

私なんぞ、どでかいことを成し遂げた、スノーデンさんに一気に魅了され、
ニュースにくぎ付けになり、
一体どうやって?と思い、書籍もむさぼるように読みましたが、
イマイチよくわからなかったものが、映画化されたことで、
なるほど!こういうことだったのか~と納得しました。
カメラ付きのPCがちょっと恐くなっちゃいましたが(笑)

また、なんといってもこの事件のキモは、
あの英国紙「ガーディアン」とのやり取りですよね。
のちにガーディアンはこのスクープで、ピューリツァー賞を受賞しますが、
昨年、共同で受賞したワシントンポストが、スノーデン起訴を支持するという、
まさかの日和見ぶりをみせたのに対し、
ガーディアンは一貫して、スノーデンは公益にかなった内部告発者との、
主張を他のメディアと共に発信しています。

頑張れ!ガーディアン!潰れろワシントンポスト!と思いますが、
ピューリツァー賞を取る位の、情報提供者に対して、
ジャーナリズムが守らなかったら、もう二度とワシントンポストは、
内部告発でスクープを抜くことなんてないんじゃないですかね?

私って、こういう巨大な敵に立ち向かう、少数精鋭のリベラリスト・・・
みたいな構図にめちゃくちゃ弱くて、ハートが掴まれる傾向にありますが、
去年は「スポットライト」にやられ、今年は「スノーデン」にノックアウトですね。
やっぱ、この人すごすぎる!しかも、あの時まだ20代ですからねぇ。
そしてガーディアンも偉い!

ただ、このガーディアンがスクープをものにするあたりは、
ちょっと映画では物足りないかも・・・
ガーディアンの記者で、スノーデンが尊敬し接触を図った、
グレン・グリーンウォルドの著書「暴露」の方が、ハラハラドキドキできます(笑)

しかし映画で見た、世界中の監視システムは、
実に恐ろしいものでした。
もうプライバシーなんてものはこの世にないですね。
あんな監視の仕事をしていたら、私なんか絶対病んで休職か退職になりますね。
スノーデンさんは、そこに自分が立ち向かおう!と思ったわけですが、
その気持ちというか、そうなっていく運命も良く分かりました。

スノーデンさんは自分でも気づいてしまった、
自分が特別な能力を持つことに。
周りの人よりも、頭一つ飛び抜けて優秀であることに。
そして、このことを暴露できる人は、
世界にたった一人自分だけであることに。

彼が恋人に告げるセリフの中で
「他人の命を背負う気持ちが君に分かるか!?」
「これは、僕にしかできない。そして後戻りはできないんだ。」
とあり、これには心打たれジーンときましたね。

私なんて、ものすごく小粒で平凡な中年女子ですが、
でもやっぱりこういう気持ちは心の中にあります。
「自分がやるしかない」と腹はくくっているので、
スノーデンさんにすごく勇気づけられています。

さて、スノーデンさんは事件当初かつて2年間住んでいた日本に対し、
この様な警告を発しています。

「もし、日本の企業が日本の諜報機関に協力していないとしたら驚きですね。
というのは、世界中の諜報機関は同手法で得た情報を他国と交換する。まるで野球カードのように。
手法は年々攻撃的になり、最初はテロ防止に限定されていたはずの目的も拡大している。
交換されているのは、実は人々のいのちなのです」

「僕が日本で得た印象は、米政府は日本政府にこうしたトレードに参加するよう圧力をかけていたし、
日本の諜報機関も参加したがっていた。
が、慎重だった。それは法律の縛りがあったからではないでしょうか。
その後、日本の監視法制が拡大していることを、僕は本気で心配しています」

2013年に発覚したスノーデン事件、世界が驚愕する中、
一部のネットユーザー以外、どこか他人事のようだった日本のメディア達。
そして共謀罪が審議入りしている現在、
このスノーデンさんの警告を果たして何人の日本人が覚えているでしょうか?
そして世界は、スノーデンさんの命がけの発信に、報いることができたのでしょうか?

この映画の予告編には、こんなコピーが使われています。

『自由を愛し
 恋人を想い
 世界を信じた

 純粋な裏切り者』

さて、私たちは今、果たして本当に自由なのでしょうか?
そして世界はあれからどちらの方向に向かって動いているのでしょうか?

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