「紙の月」症候群です

公開日: 

今回の、坂口杏里ちゃんのことで、つくづく
「世の中、男に貢ぐことで喜びを感じる女たちはある一定数いる。」
ということを実感しました。

ある意味、ギャン妻も間違いなくその一人です。
但し、回復したギャン妻は、貢ぎません。
病んでる、ギャン妻が貢いでいます。

皆さんは、宮沢りえさん主演で、映画にもなった「紙の月」という小説を御存じでしょうか。
あの小説は、銀行でパートをしている人妻が、若いつばめに貢ぎはじめ、
ついには銀行のお金に手をつけ始める・・・というお話です。

詳細は、忘れてしまいましたが、すごく印象深かったのは、
貢がれていた大学生の男の子が、この女性に
「もう許して・・・」と言うセリフがあるのです。

これ貢いだ女性が言うんじゃないですよ。
貢がれた方が言うんです。
そもそもこの擬似恋愛ごっこ、決して男がたかってる訳じゃないんです。
言われてもいないのに、人妻の方がどんどん貢いでいっちゃうんですね。

最初、この映画を観た時に「あぁ~わかるなぁ~」と思って、
小説も読んでみたんですけど、
この必要とされる喜びって、まさに共依存の毒の喜びなんですよね。

で、貢ぐのって、最初の余裕ある頃は、別にどうってことない、
小さな喜びなんですよ。
ちょっと気分良くなって、まぁでも自分もまさか深みにはまると思っていない。
ジゴロや結婚詐欺師でもない限り、
普通の人なら相手もちょっとしたラッキーくらいに思っているでしょう。

ところが、その喜びが2度3度と続き、
もっと喜んで欲しい、もっと感謝して、もっと私を大事にして!
と、お金で承認欲求を満たそうとし出すと、
どんどんエスカレートしていってしまいます。
まさに承認欲求の課金システム。

そしてこの頃には相手にとっても、愛情の切り売り状態。
「これだけやって貰ったんだから、愛情表現しなくちゃ」
それが自分にとって、不必要なお金や物であっても、
「そんな分不相応なものはいらない」とは言えない思考回路になっています。
また実際に貢がれているうちに、金銭感覚がマヒしていき、
あっという間にお金を使い果たしてしまうような生活になってしまいます。

でも、アラブの大富豪でもない限り、そのお金はどこかで尽きてしまう訳で、
貢ぐ方に余裕がなくなってきます。
けれどもすっかり「貢ぎ、貢がれ」の病的な共依存関係になっていると、
苦しいのにやめられません。

すると「こんなに苦しい想いをしてあなたに尽くしたんだからもっと愛して!」
と相手を束縛するようになり、相手は重くてたまらない。
けれどもお世話になってることも事実で、むげにもできないし、
実際、この人と別れてしまったら、もう今の暮らしはできないのだ・・・と、
全然今の暮らしが幸せじゃないのに、手放せなくなってしまいます。

もうね~、離れてみてる人にとっては簡単なことなんですよ。
「別れりゃい~じゃん。」「その暮らしやめればいいじゃん。」
ってことじゃないですか。
でも、それがやめられなくなっちゃうんですよね。

共依存は、疾病とは認められていないですけど、
メカニックは本当に依存症と似てますよね。

こういう脳の仕組みについて、もっと知られるといいなぁと思います。
依存症もそうですけど、共依存も
「愛情」みたいなキーワードで考えようとすると、
ずっと抜け出せないんですよね。

もっと全然違う、スパッと、
脳の悪習慣を断つ!みたいな切り口で、
対処療法が広まると、世の中の悲劇って減るような気がしますよね。

そもそも、「貢ぎ、貢がれ」といった関係が愛情の訳がない。
それは売買ですよね。
世の女性達に、そのこと広めたいです。

「貢ぐ女からの脱皮」とか「貢ぎ女の回復メソッド」とかやろうかなぁ。
かつて男に貢ぎまくった経験を、この時代こそ生かすべきではないだろうか・・・
ホスト依存も多いしね。

クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑