赤ちゃんポスト10年の記事に思う、相談のハードルです
本日、ヤフーニュースに赤ちゃんポスト設置から10年で、
120人以上の命を救ったという、ニュースが流れました。
赤ちゃんポスト10年の現実、120人以上の命救う
私にとってこの赤ちゃんポストを設置された、熊本慈恵病院の蓮田先生は、
私が尊敬する日本の偉人BEST10に入る方です。
そして、この赤ちゃんポストが全国にもっと増えて欲しい!
心から願っています。
2007年にこの赤ちゃんポストが設置された当時はどちらかと言えば
「安易な遺棄をうむ」などの批判的な声の方が多かったような気がします。
マスコミの論調も慎重論が多かったように感じています。
けれども実際に、これだけ多くの子供たちが助かっているのは、
間違いなく、蓮田先生が批判を恐れず、
「そうは言っても、実際に命を落としてしまう子たちを助けなきゃ!」
と新しい取組みに挑まれたお陰です。
本当に、勇気のある先生だなぁと心から尊敬致しております。
一方で、いまだに多くの子供たちが、
産み捨てられたりして命を落としている現実もあります。
そういった子供たちを助けるために、
社会は更なる取組を工夫しなくてはならないのではないでしょうか?
感情や道徳概念や、難しい理屈よりも、何よりも、
「とにかくがむしゃらに命を助ける!」
ってことが最重要ではないでしょうか?
「安易な遺棄」というのは、一体どんな基準なんだ!と、
こういう杓子定規な批判をする人達が、
私には全く理解ができません。
安易に見えて悩み抜いているかもしれないし、
そもそも子供を安易に遺棄しようとする親なら、
赤ちゃんポストに遺棄して貰った方が、
よほど幸せな人生がおくれて、安全なのではないでしょうか?
こちらは2年前にNHKがクローズアップ現代で、取り上げた際の記事ですが、
“ポスト”に託された命 ~赤ちゃん100人のその後~(NHKクローズアップ現代)
これを読むと、親が育てられないと思っているのに、
周囲が「引き取れ」と説得しているケースもあることが分かります。
また、折角一度は赤ちゃんポストに預けたのに、
親が引き取って、結局は育てられず親子心中となり、
命を落としてしまっているケースもあります。
「子供は実の親に育てられるのが一番幸せ。」
この呪縛が不幸を招いていると思います。
無理なものは無理なのに、
「多少無理をさせても、その方が幸福になれる」という結論は、
勝手な思いこみではないでしょうか。
また、生まれたばかりの赤ちゃんではありませんが、
私の仲間にも、児相などに可及的速やかに子供を預かって欲しいと願う場合があります。
夫がギャンブラーで事件を起こしてしまい、
身も心もいっぱいで金銭的にも追いつめられ、
親などの支援が受けられず、しかも子供の中に障害児がいて、
などなどかなり切羽詰まったケースで、今すぐ、なんとかして欲しい!
と思って相談に行っても、なかなか事は迅速に運びません。
相談しても「預かれない」と断られることもあって、
ものすごく憤慨する時もあります。
どう考えたって、このケース預かってくれなきゃ、
母子共倒れしかないよ!というような場合もありました。
このように真正面から相談にいくと、説得されたり、
逆に追い詰められてしまうケースだってあるのだということを、
是非、一般社会の方々に知って頂きたいと思います。
相談のハードルは高く、困っている親に寄りそえていない、
というのが私の率直な感想です。
また、そもそも相談に行くことすら、難しいケースが殆どではないでしょうか?
名前を聞かれ、プライバシーを明かさねばならないと思ったら、
様々な事情を抱える人達は、相談に訪れることすら躊躇するのではないでしょうか?
依存症の問題もそうですが、
倫理観よりも、そしてあなたがどう感じるかよりも、
何よりも、とにかく命を助けられる「システム」を構築すること。
それを最優先に様々な取組みを提供して欲しいと願っています。
赤ちゃんポストは、画期的な取り組みだと思っています。
熊本県だけでなく、せめて東京、名古屋、大阪、仙台、北海道といった地域でも、
是非同様の取組みをはじめ、お金のない人や、10代の望まない妊娠をした子たちが、
たどりつける救いの場を作って欲しいと願います。
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