アルコール、薬物、ギャンブルの支援はそれぞれ違うんです

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本日は4時間ぶっ続けで家族相談会を行い、
へっとへとです。
相談会は面白くもありますが、エネルギーをものすごく消耗します。

これまで、東京では月1回2時間の相談会でしたが、
ご希望者が多くなり過ぎたので、
2回に分けて少人数で開催することにしたんです。

なんせ私の相談会は、オーダーメードで、
かなり微に入り、細に入りお応えするので、
時間もかかっちゃうんですよね。
ホント我ながらとことん面倒見がよいよなぁ~と、
つくづく思いますね(笑)

しかしギャンブル依存症対策と言えば、
もう家族相談がキモです。
それは間違いないです。
アルコールの医療、薬物の司法といった、
他のルートからの介入チャンスがそれほど多くないギャンブルは、
やっぱり家族が介入チャンスを作るしかないんですよね。

でもって、私が特に最近の傾向について、一言申し上げたいのは、
IRのお陰で、急にギャンブル依存症が注目された訳ですが、
そのために、今までギャンブルについて全くやったことのない、
医療機関や相談機関で、急にギャンブルの相談受けるようになったりしてるんですね。
日本の場合、殆どの依存症の医療機関とか相談機関と言えば、
それはアルコールをやってこられた方々な訳ですよ。

で、アルコールと大体同じだろう・・・という感覚で、
なんか最近増えてきたから、ギャンブルもやってるんだけどね・・・的な所が増えて、
そして案の定混乱や問題が起きてる訳ですよ。

そりゃ似てる所もありますけど、アルコールとギャンブルって、
「全然違うわ~」ってところもものすごく多いです。
ちょっと前に、アルコール支援の草分けであるアスクの今成さんと、
ギャン妻の支援についてお話しさせて頂いた時に、
「え~!やっぱ全然違いますね~」ってお互い驚く!ということがありました。

以前、ある依存症治療で有名な先生がこんな明言をおっしゃっていて、
私たち、ギャン妻で「当たってる~」と大爆笑したのですが、
その先生がおっしゃるに、

「夫が回復しないと言って泣き、
夫がご飯を食べないと言って泣き、
夫がご飯を食べたと言って泣き、
夫が回復したと言って泣くのがアルコールの奥さん。」

「夫が回復しないと言って怒り、
夫がご飯を食べないと言って怒り、
夫がご飯を食べたと言って怒り、
夫が回復したと言って怒っているのがギャンブルの奥さん。」

あっはっはっは~、言い得て妙。
まさにその通りです。
ギャン妻はなんか元気いっぱいの人が多いんですよ。
エネルギーが余ってる感じですね。

あとはやっぱり、法的知識に強くならないとダメだし、
ギャン妻は働けないと、金銭的に行き詰まりますね。
そういったことをふまえて、支援をやっていかなくちゃならないので、
アルコールでの知識だけでは難しいです。

逆にギャンブラーは身体はめちゃくちゃ丈夫なので、
私は、アルコールの健康障害等については、
あまり良く分からないところがありますね。
相手が身体的な病気を抱えることも踏まえて、
奥さんの支援のあり方を模索する訳ですから、
やっぱギャンブルとは違いますよね。

アルコールの家族支援なんて、
借金を抱えていない人もいる訳じゃないですかぁ。
ギャンブルだったら考えられないですよね。

私なんて家族支援のうちのかなりのボリュームに、
ギャン妻をいかに働く気にさせ、就労させるか!?
ってことに費やしてますからね。
キャリアカウンセリングみたいなの大得意です。
これまでどれだけの女性を稼げる女にしたことか!
国から表彰されても良い位じゃないでしょうか(笑)

ギャンブル依存症の家族支援は、
借金をどう扱うかってことにかかっていると言っても過言ではありません。
だから知識を持ってない人が関わっちゃうと、
めっちゃ不幸になります。

安易に「大体同じだろう」といった感覚でやらないよう、
どうかお願い申し上げます。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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