行政は難しい案件に関わって欲しいです

公開日: 

昨日は、精神保健福祉センターさんなどが、
入り口部分に関わっている問題点について、書かせて頂きましたが、
現在打ち出されている地方自治体が行う、ギャンブル依存症対策って、
殆どがこの入り口部分の対策なんですよね。

でも、私は、昨日も書いたように、入り口部分は民間に任せたり、
巻き込んだりしてやった方がよいと思っているんですね。

でもって、行政が本格的に取り組んで欲しいのは、
困難事例の介入です。

これこそ、精神保健福祉センター、保健所、警察、福祉事務所、医師、
など行政間の連携を組み、対応に当たって欲しいと思う訳です。

現在は、家族が相談に行きますよね。
で、こう言われるわけです。
「本人を連れて来なさい」

それができないから悩み苦しんでいるわけで、
これ言われちゃうと、ご家族は絶望しちゃうんですよね。

例えば、
家庭内暴力でお金を脅し取られている
家の中のものを、どんどん売り払ってしまう
ヤミ金に次々と借りてしまい、家族が追い込みかけられている
ひきこもり状態になっている
自殺未遂を繰り返す・・・など、
可及的速やかに対処しないと、家族もろとも倒れてしまう
という重篤なケースには、行政が対応して当事者をなんらかの治療ルートにのせ、
家族の安全を確保して欲しい訳ですよ。

ところが、こういうにっちもさっちもいかないケースに限って、
行政はどっこも動かない・・・これが現状です。

精神保健福祉センター及び病院、保健所で本人を連れてこいと言われ、
「相談に行こう」などと言おうものなら、暴れて大騒ぎ、
でもって警察に行けば「なんかあったら(=事件になったら)言って下さい」
よくて自宅まで来て本人に説教。
もうこれが今行われている行政の対応の現実です。

我々は違います。
家まででかけ、本人と話して、説得して回復施設なり病院なりに繋げる、
もしくはアパートなどに移って、一人暮らしをして貰う。
あとはもう元気いっぱいなら、どっか自立しなさいと家を出ていかせる・・・
などなど、とにかく家族がホッと一息つける環境を作る訳です

こういう時に「あぁ、行政が理解があって、さっとチームで集まってくれたらなぁ・・・」
と何十回、何百回思ったことでしょう。

まず、包丁を振り回すとか、DV系の場合。
いくらなんでも、こんな丸腰のおばさんが一人で説得するには、
危険もありすぎるし・・・ってな時は、
警察についてきて欲しいと思う訳ですよ。

でも、これほぼ絶対と言ってよい位やってくれません。
一度だけ3時間位説得して来て貰ったケースがありますが、
これはその前にご家族が何度も相談していて、
どんだけ大変か理解があった・・・
それでも来て貰うのに3時間ですよ!
こっちはそれだけでへとへとですよね。

さらに、こういうケースを病院に入院させたいと思っても、
全然受け入れてもらえない。
突然ベットが満床になったりします。
で、「本人を一度診察に連れて来てくれ、それで入院かどうか判断します・・・」
ってね~!いい加減にせいよ!と思いますよ。
家族に30CMの牛刀包丁突きつけてくるのに、なんでそれが入院じゃない訳?
どうやって本人連れていくの?
だったら往診してよ!って話ですよね。

万引き、無銭飲食、無賃乗車などの軽犯罪で捕まった場合も、
即釈放されてしまったりして、
折角の介入チャンスも全然生かされていません。

また、生活保護受給者が「助けて欲しい」と言ってきた場合、
これこそ、治療に繋げ、やがて自立し生活保護を切る第一歩。
財政にも貢献でき、ご本人のためにもなるのに、
全く理解がありません。

最低だったパターンでは、本人と相談に行って、
説教されて、反省文書かされた時がありましたからね。
生活保護で、施設に入寮して貰うために、
自県で出すにせよ、施設のある県で出すにせよ、
行政間で話し合い、移送費などもスムーズに手続きして貰えれば、
ホントかなりの件数の生活保護受給者で、
回復できる依存症者を救い出すことができると思いますよ。

いつも、いつもここでつまずくために、
本人すっかり嫌気がさし、気が変わってしまい、元の黙阿弥・・・
こんなことがこれまで何度あったでしょうか。

でも、こういう案件にチームを作って対応することこそが、
真の連携じゃないでしょうか。
相談窓口で自助グループをアナウンスすることが連携なんかじゃないですよ。

これから先、ギャンブル依存症対策法案が各自治体に落としこまれることとなったら、
その時は関係者会議を開いて、当事者や家族もメンバーに入れて、
絶対に、きめ細かい対策づくりに着手して欲しい・・・
そう切に願う次第です。

クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑