IR実施法の行方です

公開日: 

本日は、ラスベガスのカジノ「シーザーズ」さんが、マスコミ向けに、
自社のギャンブル依存症対策について発表されました。
その席にお招きを受け、日本のギャンブル依存症問題を話して欲しい、
と言われたので、お話ししました。

さっそくテレビ朝日さんでニュースに取り上げて下さったので、
是非、ご覧下さい。

ギャンブル依存症で事業者が対策に本腰 不安の声も

さらに明日ですが、BSフジ プライムニュースさんに出演させて頂きます。

巨大カジノCEO来日 シンガポール型に学ぶ 日本版IR成功のカギ

番組HPから、IRに対するご意見が投稿できますので、
是非、皆様のご意見をご投稿ください。

この秋の臨時国会で審議されていると言われているIR実施法。
最近また取材が増えてきましたが、
この政権の雲行きですと一体どうなるのかな?と思っています。

事業者さんの中には、当然通るものと、
楽観視されている方が多くいらっしゃいますが、
私は「台湾のように実施法で塩漬けもあるんじゃないの?」と思ってます。

だってですよ、IR法案の前にはやっぱり「ギャンブル依存症対策法案」
を成立させないと!って思いは、政治家の先生方にもあるでしょうし、
国民の皆様だってそう思ってますよね。

ところがこの対策法案、議員立法なのに、
維新、与党(自+公)、民進案と、3つの案が提出され、 
継続審議になっているんです。

みなさまご存知の通り、議員立法って基本的に提出されたら、
与野党全員の先生方の賛成で成立するもんじゃないですかぁ。
でもまだ全然そんな段階じゃないです。

私も与党案のままでは、盤石の依存症対策は無理と思います。
今一歩踏み込んで頂かないと、いえ、中谷元先生はじめ、
ギャンブル依存症対策PTの先生方が頑張って下さったのは重々承知してます。
でも、他からの・・・ってな感じ。

どこが不足かと申し上げれば、
まず依存症対策費拠出が謳われていません。
これは今回の対策法案の目玉だと思っておりました。
そもそも何度も申し上げておりますが、
今の予算規模で依存症対策がカジノまでにできるわけがないです。

本年度など予算は医療とか自治体には、
もともとアルコールの法案の方でとった予算がおりましたけど、
それがいつの間にかギャンブルまで含まれてたんですよね。
おまけか!って言いたくなります。
アルコールの先生方だって急に入れこまれても困るでしょうよ!

あと民間支援のために作られた予算の方は、
ギャンブルの民間支援に貰ったのは北九州市のわずか5万円ですよ!

あのですね、日本はホントこの権威主義がムカつくんですけど、
ギャンブル依存症の自助グループができてすでに28年の歴史があります。
それに対して医療者で専門家なんて言われてる人達が、
ギャンブルに関わりだしたのなんか、IR法案が提出されて以降ここ数年の話ですよ。
ほんの数名、10年以上から関わってます!ってな先生もいらっしゃいましたが、
その先生以外は、殆どこの1,2年の話です。
でも、予算は拠点病院の選定とか自治体にはついても、
自助努力のグループ活動で頑張ってきた人達は、
置き去りなんですから空しくなります。

是非医療者や自治体の皆様も、
「拠点病院の整備や、自治体の相談体制ばっかりじゃなく、
これまで医療より民間団体や家族が頑張ってきたんだから、
そっちにも是非予算をつけてやってくれ!」
とガンガン国にっしゃって下さいませんか?
どっちが重要ってことじゃないですよね?
両輪で回っていかないとうまくいかないです。
どうか宜しくお願い致します。

そもそもこれまでギャンブルに対するなんの調査も出てないのがこの国ですよ。
専門家がいたならもっと調査研究が出ているはずじゃないですか。
ギャンブルは民間や家族が頑張って支え合ってきた、
この事実をもっと尊重して欲しいです。

そしてギャンブル依存症対策に税金を使うことには非常に違和感があります。
海外と同レベルに依存症対策費を産業側に拠出して貰うべきだと思っています。
特に小さな子供を抱えたギャン妻の支援が急務です。
それは税金で対応して貰うことは難しいです。
是非とも対策費を欧米の方式で、欧米と同じ規模感にして下さい。

またギャンブル依存症対策の本部が内閣官房となっていますが、
この本部がどんな権限があるのか分からないです。
ギャンブル依存症対策きちんとやってなかったら、
本部からなんらかの強制力が発動されるのか?
その辺が全然見えません。

絶対譲れないと思ったのは、関係者会議の実施ですね。
現在、警察庁が打ちだしてくるギャンブル依存症対策が、
我々にとって「それ全然ありがたくないです」
ってなものが出てくるのをみてもお分かりの通り、
依存症対策は「何が欲しいか!」現場の声を聞いて決めて欲しいです。
しかも何もかもは難しいとしても、優先順位だってあります。
関係者会議で我々の意見も取り入れ聞いて欲しいです。

私もギャンブル依存症対策法案の成立に向けて、
まだまだあきらめずに頑張るつもりですし、
内閣改造にも期待してます。
ネックのあの先生変わって欲しいわ、全く!!!

といった具合にですね、ギャンブル依存症対策法案ですら、
提出はされたものの、コンセンサスは得られないまま。
さらに、安倍内閣の支持率も急落しているのに、
まさか議員立法をムリクリ通しちゃうなんて荒技もできないでしょうから、
IR実施法は決して楽観視できないんじゃないの?と思ってます。

そしてIR事業者の皆様方にも、是非盤石な依存症対策法案の成立を、
国に働きかけて頂きたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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