ギャンブル依存症者の再発までの考え方です

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依存症は、回復率がめちゃくちゃ低い病気で、
とにかく再発が多いですよね。

で、ギャンブラーの場合、なんで再発するかと言えば、
大抵の場合、お金の問題で再発するんです。
それも再就職してお金に余裕ができたから、再発するんじゃない。

何か問題が起きると「これは、お金の問題だ。」と、
人生に起きる問題を、すべて
「お金があれば解決するのに。」と結びつけてしまって再発するんです。

ギャンブル依存症という病気は、一般の方にはわからないでしょうが、
一度なってしまうと完治はないんですね。
でも、やめ続けることはできると言われていて、
この「やめ続ける=回復」と、我々は呼んでいます。

ただ、このやめ続けている「回復状態」が続いていても、
どっかギャンブル依存症の「根っこが残ってる」感じなんですね。
この感覚は多分依存症の人ならわかってくれると思うんですけど。

で、その根っこの問題の一つに、
「お金の問題はギャンブルであてて解決する」
という感覚がどうしても抜けないんです。
馬鹿げてることはわかってる・・・でも、それが真実のような気がしちゃうんです。
いまだに私もそういう感覚ありますもんね~。

活動資金が全くなくなった時があるんですけど、
「その時、宝くじ買うしかないかな。」と考えちゃいました。

うちの夫は最後にスリップした時は、ものすごく残業や仕事量が多くなっていて、
「お金さえあれば、こんなに働かなくて済む」と思って、FXに手を出しました。

あと、よくあるのは、社会復帰しても最初はそんなに稼げないし、
借金などもたくさんあるし、生活が立て直せなくて、
風邪ひいて仕事や済んじゃって、給与が減っちゃった・・・
なんてちょっとしたつまづきですぐ赤字になっちゃう生活をしているので、
「お金がないから、パチンコで稼ぐしかない。」
となっちゃう・・・というパターンですね。

いや普通の人だって、こんなことよぎるかもしれませんが、
ギャンブル依存症者はそれを唯一無二の解決策とばかりに、
本当に実行しちゃうことが違うんですよね。
「思う」のと、「やる」のは全然違うんです。
普通の人には、その違いが判らないから、
「そのくらい、誰にでもある!」なんて軽く考えられちゃうんですよね。

いや、実際は一般の皆さんの行動は全然違いますよね~。
活動資金がなけりゃ、寄付を募ったり、何かで稼げるようにしますよね。、
残業が多くて働きすぎなら、普通にそれを減らせばよい。
実際、夫の場合、そんなにがっつり働く必要なんか全然なかったんですよね。
どこかで生活がつまづいたなら、生活困窮で役所に相談するとか、
何かの支払いを待ってもらうよう交渉するとか、
そういう真の解決策を模索してやってますよね。
「イチかバチかこれにかけよう!」なんて解決策はとっていないはずです。

ここ最近、再発したギャンブラーの支援に走り回っていて、
「はぁ~、なんて根深い病気なんだぁ~!」と疲れ果ててます。
感覚が分かるだけに、責めても仕方ないし、
だからといって、一度再発してコケると、
その支援ってとてつもなく手間暇かかり、
このままじゃとても手が足りない!とてんてこ舞いです。

例えば、お金の管理を社協さんとか生活困窮者の支援の方に、
リスタートのための再建計画は、ファイナンシャルプランナーに、
自営業の再建計画は、社労士さんや中小企業診断士さんに、
公租公課の未払いなど、お役所との交渉ごとは地域包括支援センターさんに、
などなど役割を分担してもらえたらと、切に願っています。

こういった方々に依存症を理解して貰い、
なおかつこの方々の報酬が得られるような制度を、
ギャンブル依存症対策法案で作ってもらいたいと願わずにはいられません。
心から本当に助けて欲しいです。
これ以上、続いたらつぶれます私・・・(笑)

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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