苫小牧市でIR市民セミナーです

公開日: 

皆様、現在新千歳空港でこのブログを書いております。
というのも、昨日IR誘致に名乗りをあげている苫小牧市よりご依頼を受け、
ギャンブル依存症の講演をさせて頂くために、北海道に来ておりました。

私は、IR本拠地での講演は非常に重要と考えていて、
それはなぜかと言えば、カジノの是非にギャンブル依存症対策を利用しないで欲しい!
という思いを強く抱いております。

その意味では、昨日の苫小牧講演会は非常に有意義だったなぁと、
心から満足できる結果でした。
会場も100人近くの方がお越しくださり超満員!
地元の関心の高さがうかがえました。

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とかくIR候補地のシンポジウムやセミナーで、
ギャンブル依存症が取り上げられると、
実に不毛なわかっていない人たち同士が喧々諤々とやりあうので、
ギャンブル依存症者にとっては迷惑極まりないことが多いです。

例えば、賛成派の主な意見は、

①カジノと引き換えにギャンブル依存症対策をしっかりやる。
②シンガポールはカジノとともに対策をやったので、カジノ前より依存症者が減った
③IRとは統合型リゾートなので、カジノの面積は総面積のほんのわずか

とだいたいこの3つですね。
もうね~この3つを声高に叫んだ人がいたら、
「この人ギャンブル依存症の素人。何もわかっていない人」
とご判断ください。

まずこの賛成派の3つの意見の問題点は

①しっかりやるの中身が肝心。特に関係者会議が開かれるか否かは重要ポイント。
②シンガポールと日本は国家の成り立ちが全く違う。シンガポール程度の対策では日本は絶対にうまくいかない。
③面積は何の関係もない。そんなことを言ったら闇カジノなんか極小面積。

そして反対派の主な意見は

①ギャンブル依存症になったら身の破滅。そんな人たちが増えるカジノ反対。
②ギャンブル依存症対策のためには、ギャンブルはすべて禁止
③カジノおよびギャンブル産業はゼロサム企業。何も生み出さない。

とだいたいこの3つですね。
もうこの3つを声高に叫ぶ人がいたら、
ギャンブル依存症の味方の振りした、何でも反対したい人か、
政党のイメージ戦略に利用した、パフォーマーだと思ってください。

そしてこの問題点は、

①ギャンブル依存症者は人間失格ではない。回復できる病気に罹患したに過ぎない。
②そんな話は非現実的であり、ギャンブルが禁止されてもギャンブル依存症者は出る。
③意味不明。経済効果は確かにある。但し、対策をしなくては負の側面が上回るという話であり、何も生み出さないわけではないし、その産業で生きている方およびそのご家族にも失礼。

このギャンブル依存症のむしろスティグマを強めるような、
非現実的な話を「ギャンブル依存症対策だ!」
と言っちゃう人たちがいてですね、
まるで我々がこういった非現実的な話を求めているかのように思われ、
「ギャンブル依存症対策に耳を貸したら、産業はつぶれる!」
とばかりに、対立姿勢を強めている人たちがいて、
我々は話し合いもできず、困っちゃうわけです。

昨日のセミナーでは
「もうこういった表面的な、わかってない人たちのやり合いに
私たちは巻き込まれたくないし、本当に必要なギャンブル依存症対策は全然違います。
大切なのは、多様性を認めた、ギャンブル依存症者も受け入れられる社会なんです!」
ってなことをお話しさせていただきました。

IRを掲げたセミナーだったので、おそらく会場には、
賛成反対さまざまなお立場の方がいらしたと思うのですが、
会場の雰囲気もとにかくめちゃくちゃよくて、
あとからアンケートなどで聞いた話によれば、
大変ご好評をいただいたとのことで、すごくうれしく思っています。

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苫小牧市さんで、カジノの是非はともかくとして、
骨太なギャンブル依存症対策が整うことを、
こころから祈っております。

どうかこれからも連携が続きますように!
ご来場いただいた皆様方ありがとうございました!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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