有効な依存症対策とは?国民がサポーターにまわってくれること!です

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昨日、女性週刊誌の記事ですが、こんなニュースが飛び込んできました。
11円を持って揚げ物のケースを眺める…虐待された5歳女児を保護

「11円を握りしめコンビニに飛び込んできた女の子に声をかけ、
そっと抱っこして話しを聞きながら、ズボンを裾をまくってみたら、
あざが沢山あったので、警察に通報し虐待が発覚した」
というのです。

記事で読むと簡単ですが、
現場に直面している私たちから見たら、
これは各々の部署が迅速に的確に動いたすごい連携だと思います。

関わっている人達が、記事をみただけでも
コンビニ店員⇒警察⇒救急⇒病院⇒児童相談所⇒市の福祉担当者
といるわけで、これだけの連携でこの女の子を救い出した訳ですよね。
さらに、この子の姉、妹も保護された。

傷害で逮捕されたという母親が26歳、祖母ですら47歳という若さ。
体力的にもまだまだ元気いっぱいの母と祖母に脅されて、
どれだけ怖かったことでしょうか。
女の子が、この先関係者に大切に育てられることを望みます。

さて、この記事を読んだ時に最初に思ったのは、
「依存症対策だって結局はこういうことだよなぁ」
と思いました。
依存症の相談を誰が受けるか?
もしくは「この家の根底にある問題は依存症だ!」と、
どこの誰が気がつくかは全く分からない訳ですよね。

例えば、相談を受けるのは、スナックのママかもしれない、
整体の先生かもしれない、ママ友や兄弟姉妹かもしれないですよね。
皆が皆、精神保健センターや、保健所に行くわけじゃない。
だから、最初に聞いた人に、正しい知識があるかどうかって、
すごく重要なポイントな訳ですね。

また、今回のコンビニ店員さんだって、
度重なる虐待報道、そして我々が度々目にする、
「虐待かも?と思ったら間違っていてもいいから通報しよう!」という、
CMやポスター。
ああいうのを自然に目にすることによって学び、
「通報しよう!」という行動に繋がったはずですよね。

近年、虐待報道が増えて「最近の親は・・・」なんて言う人がいますけど、
あれは大きな誤解ですよね。昔は明るみに出なかった、顕在化しなかっただけですよね。
今思えば「あの家虐待だったよなぁ~」なんて思う家は、昔の方がずっと多かった気がします。
特に我が家なんか貧乏長屋でしたからそう感じます。

でも「児童虐待」という悲しい事件が度々報道されて、
我々はそこに憤りを感じ、なんとか子供たちを助けたい!
残虐な事件を目にするたびに「自分がもし目にしたら、絶対に助けよう!」
と多くの国民たちの胸に、その思いが広がり、
それがこうした成果に繋がっている訳ですよね。

だから、メディの人達も、もっとこういう「うまくいった」事例を、
どんどん報道して欲しいなぁと思っています。

そしていずれは依存症対策もこうなって欲しいです。
度々アルコールで問題を起こす人が身近にいたら、その裏に依存症の問題がないか?
友人が違法薬物を持っていることを知ったら?
度重なる借金の申し出をしてくる人の使途がギャンブルだったとしたら?

いつも夫婦げんかしている親に依存症の問題がないか?
知人になにげなく家族のギャンブル問題を打ち明けられたら?
給食費が払えない子供の親に依存症の問題がないか?

人は案外多くの場面で、依存症と出会っているはずです。
そして案外多くの場面で、とんちんかんなアドバイスをして、
その人達を益々苦しめているのです。

依存症の人が身近にいたら?相談を受けたら?
責めたり、説教するのではなく
「大丈夫!病気と向き合う勇気さえあれば、回復できる病気だよ。」
と、伝えて貰える社会になって欲しいと思います。

多くの国民がハナッから依存症なんて・・・
とバカにするのではなく、ないものにしたり、
関係ないと見て見ぬふりをするのではなく、
理解し、もしその場に出会ったら、適切なサポーターになろう!
そんな風になって貰いたいなと願い、日々活動しています。

今日は、長野県で筑波大学の森田先生とご一緒に
援助職向け講演会を行いました。
長野県でも、そんなサポーター作りの芽が出ますように!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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