研修は双方向でやって欲しいです

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先日、当会の仲間達から驚くべく報告が寄せられて、
「えぇ~~~~~~~~行政ってそのレベルだったのか!?」
とまさに愕然とした件がありました。

あのですねこれ分かってない人がいますけど、
「自助グループ」って言うのは別に、
「12ステップグループ=自助グループ」でもないし、
「アノニマスグループ=自助グループ」でもないわけです。

当事者たちがお互い助け合っているグループなんですから、
例えばNPO 全国ギャンブル依存症家族の会も自助グループな訳ですよ。
考える会だって、そう言えなくもありません。

でもってですね、医療とか行政の関係者って、
現場に足を運んでくれないから、変なことだけ聞きかじっていて、
「自助グループってのは、意見も言わないし、資金援助も受け取らない」
って思っているんですね。
だからそれは、「アノニマスで12ステップを使っているAAから派生したグループ」だけなんですよ。

で、歴史があるから断酒会さんのことは皆さん認知しているんですね。
ただ断酒会さんを自助グループとは思っていない人もいます。
で、やっかれんさんという、薬物の家族の連合会があることも分かってる。
あとは薬物にはダルク、アルコールにはマックという回復施設があって、
それらの方々が連携を築いていることも知っている。

でこれらの方々が、相談会をやったり、海外視察をしたり、
法律が変わった際の勉強会をやったり、省庁に申し入れを行ったり、
政策提言をしたり・・・と、さまざまな活動をされているわけですよ。

でもこの各種団体の人達も、殆どの人達が、
アノニマス・12ステップグループのメンバーな訳です。
そこで自分たちの回復プログラムに向き合っている。家族も同じです。
だけど、アノニマス・12ステップグループのメンバーってのは、
最初に言った通り
「外部に意見を持たない」
「自分たちの献金だけで自立して助成などを受けない」
「実名を明かしたり、顔出しで活動しない」
という決まりごとがあって、皆それを守っているんですね。

で、断酒会さんだけは、そのアノニマスグループがやっている回復プログラムの部分と、
様々な活動をされてる部分を一緒にされているので、
上記にあげた決まりごとに縛られていないんです。

でもって、ギャンブルだけ長い間、
12ステップ・アノニマス系のGAとギャマノンしかなかった。
施設もあるにはありますけど、数が少なくそれぞれ独立してやっているので、
連携がなかったんです。

12ステップ・アノニマスグループの決まり事は、
安全性を守っていく最大の武器であって必要なことなんですけど、
それだけじゃ世の中に発信していかれないから、先人たちは皆
「二つの帽子をかぶり分ける」という言葉を使って、
12ステップ・アノニマスグループのメンバーである無名の依存症者の立場と、
民間団体のメンバーとして活動する場を使い分けてきたわけですよ。

だからGAとギャマノンしかなかった、
ギャンブルチームは、アルコール・薬物に比べてめちゃくちゃ遅れをとっていたわけです。
だって相談会もできないし、市民向けセミナーも、啓発グッズを配ったり、
政治家の先生に陳情にあがったり、政策提言をしたり、署名活動をしたり、
マスコミに情報を流したり、SNSで発信したり、ブログで意見を述べたり、
そういうことを殆どやっていないわけですから。

だからある日我々がそこに気がついて、
「やっぱギャンブルもこれじゃまずいよ!もっと社会活動ができる団体を作らないと!」
ってことになったんですね。
でもってたまたま、我々が立ち上がった後に、カジノ法案が国会に提出されたお陰で、
当会が度々取り上げられるようになったわけですよ。

だから当会ってのは、たった4年前にできた会ではあるけれど、
メンバーは皆、自助グループ歴は長いんですよね。
ギャンブル依存症問題の草創期から知ってる人達もいるし、
それらの人達をみてきてもいるわけです。

さらにギャンブルにこういう社会活動できる団体が必要だ!ってことを、
ちゃんとまともな古くから依存症に関わっている医療者や行政関係者なら、
それも分かってくれていて、「よく作った!」と喜んでくれるわけですよ。

ところが、その必要性や役割の違いが全く分かってない人達も沢山いるんです。
行政の担当者とかが!現場を見に来てくれないからですね。
なんでGAやギャマノンがあるのに、考える会や家族会なんてのを作ったのか?
金目当てか?分裂騒ぎか?と思ってたらしいんですよね。
イヤイヤ違うって!みんな12ステップ・アノニマスグループのメンバーであり、
考える会や家族会のメンバーでもあるんですって。

もうさ~、ホントこんな感じの人達が、
依存症担当です!ってなっちゃうんですよ。
上は、厚労省から、下は市区町村の様々な担当者の方々まで。

でもってですよ、こういう人達が、どっかで研修受けてきて、
我々を審査し、上から目線で助成金を突っぱね、
胡散臭い目で「貧困ビジネスか?」みたいな感じで見て、
挙げ句の果てには、この人達から我々が研修を受ける・・・なんて羽目になってる現実。

もうやってらんないですよ。
医療や行政がどうにもならない困難事例に立ち向かい、
情熱だけで多くの仲間達を助けてるのは我々だし、
我々の方がよっぽど沢山の事例に関わってるんですから。

依存症の様々な研修会が、医療をトップにおいてトップダウンで行われるの、
ホント止めて欲しいです。
何よりも大切なのは、漏れや抜けがない連携支援作りであって、
医療が一番上の役割なんかじゃないですよね。

あたしゃお医者さんより、自分の回復初期の頃は、
臨床心理士さんのカウンセリングの方がよほど役立ったし、
なによりも自助グループがなかったら、絶対に絶対に絶対にここまで来れなかったです。
だから研修には必ず現場の声を入れて欲しいし、
なによりも現場を見に来て研修して欲しいですよね。

自殺対策のように、精神医療と民間団体が断絶の分裂・・・
なんてことにならないようにしないと。
でも、今は本当に、自助Gも民間団体も回復施設も危機に陥っちゃってます。
このままじゃ絶対に良くないし、
あまりにも民間団体への扱いがひどすぎると思います。
まずは研修は双方向でお願い致します。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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