家族に必要なのはリスクを共にしてくれる人です

公開日: 

年度末の報告書がたまりにたまっているって言うのに、
ここのところあまりにヘヴィな案件が立て続けに相談が来ている上に、
古い仲間がスリップしたりなんだりがあり、
その上決まっていた予定はこなさなきゃならないし、
行政や自治体からさまざまなアドバイスが求められたり、
さらに取材の依頼や、原稿執筆の依頼も入ってくるので、
もうほんと~~~~~~~に、参ってます。

心から、予算が欲しい。
潰れる、私が・・・このままじゃ。
絶対、タダ働きの範疇を超えてる・・・

地方の仲間も力をつけてきていますけど、
やっぱりアドバイスは必要だし、
なんだかんだとまだまだピアサポートの研修などが必要で、
やらなきゃならないことがありすぎます。

で、行政の対応もイマイチです。
民間団体への助成金は全然つけてくれないし、
タダ働きさせられることは多いけど、
こっちのお願いは突っぱねる。
ぼろぞうきん気分ですわ。

でも、やっぱ私のスタンスとして、
困ってる人を助けることは最優先でやりたいと思ってるんですよね。
でも、私の場合それがものすごく誰もどうにもできないような案件ばっかで、
更にそれが全国から寄せられてる訳ですよ。

で、私だって人間だから、他に何とかしてくれそうな地元のリソースを探して、
そこと繋がって助けてくんないか?聞いてみて!ってなるじゃないですか。
でも結局なんともならないから、やっぱあたしが何とかするっきゃね~な!ってなっちゃう。
で、非常に疲れる・・・この連続ですね。

んでもって、そういう地元の行政とかそういう支援者と私と何が違うかっていうと、
まず一つは「大胆さ」ですね。
とにかく行政なんかでされるアドバイスは、型にハマってるんですよ。
中には家族の不安とか気持ちに巻き込まれちゃってる人がいるんですね。

特に、依存症者が大企業勤めや公務員なんかだと、
家族も仕事第一、出世第一
「そんなことしたら、出世できない。」
「居心地が悪くなる。」
「福利厚生が悪くなる」
みたいなことばっか心配してるんですよね。

で、支援者もそういうことをすごく大事に考える人だと、
「金銭管理」
みたいなアドバイスに終始しちゃいますね。

一生依存症で苦しむぐらいなら「休職」や「退職」なんて、どうってことない!
って、回復した経験がある私には分かるんだけど、
やった事ない人にはわかんないんですよね。

次に、「困っている家族への配慮と想像力」がない。
今日、某区で我々との連携の模索について、話し合いの場がもたれたんですけど、
驚いたことに、このご時世に依存症の相談が来て自助グループへのアナウンスをしてない。
区の保健所にきた相談をわざわざ中部保健センターに繋ぐっていうんですよ。
これには驚きました。
なんで~?区内にもGAもギャマノンもあるのに???
わざわざあんな遠くに???

だって、ギャンブル依存症の家族なんて、みんな必死に働いてるのに、
平日の昼間に何度も相談だとか家族教室なんか行ってらんないっすよ。
保健所に相談に来て、さらに中部保健センターでまた相談。
で、家族教室通って「最終的には、自助グループ行きましょう。」ってなる。
全く、バカバカしい話です。

あと、時々やってるらしい「依存症の家族セミナーはどなたが講師なんですか?」
って聞いたら、ご担当者ほこらしげに「久里浜の先生です!」
って言うんですよ。
なんでさ~???東京の23区で、依存症に詳しい先生もっと近場でいくらでもいるじゃん!
家族はセミナーでこの先生いいな~と思ったら、そこに行くだろうよ!
予約とって通える先生紹介した方が全然いいじゃん。なぜ実践的にしない???
だから地域連携ができないんじゃんよ~(泣)

でもって、こういう事例でもわかるように、
とにかく「スピード感」がない。
行政の話しを聞いてると、毎回この温度差に私なんかつい怒髪天をついちゃうんですけど、
依存症ってのはチャンスがいつも転がってる訳じゃないんですよ。
チャンスが来たらすぐ掴む!それが何より大事な訳です。

だけどとにかく行政がやってることは、
リスクのない心理療法ばっかりなんですよ。
ハッキリ言おう。
それで行動変容は起こらない。

じゃあ人はどうやって行動するのか?
それはもう共にリスクを背負い、一緒に行動してくれる人がいるかどうかですよね。
私ももちろんこれやってる訳ですけど、
自助グループもそうですよね。
「アイ・メッセージで伝えましょう」みたいなぬるいアドバイスと全く違います。
いやそれも必要ですけど、それだけじゃ人は動けないです。

「ああしな」「こうしな」って、言う方だってめっちゃこわい。
例えば、まさに相手がいないうちに夜逃げしたりするわけですよ。
「夫がいない間に逃げよう!」もうどっきどきですよね。
他には「もうこうなったら会社に直接談判しよう!」とか。

んで「今、車で行ってあげる。そこに荷物積もう!」「私が、会社に一緒に行ってやるよ」
大体このパターンですね。
そうなるとやっぱ心強いですよね。
一人じゃないんだから。
私の場合、この決断力と行動力が多分とてつもなく早いと思います。

こんなことは行政だけじゃ絶対出来ないわけですから、
だから連携が必要なんですよね。

依存症支援で一番必要なことを、行政は勘違いしています。
一番必要なのは、大きな決断をする時のリスクを、
共に歩み一緒に経験してくれる仲間なんですよね。
自分たちにできることはわずかしかない!
それをお互い意識して、是非、地域連携作り、
そして家族の目線に立って、お考え下さい!
宜しくお願い致します。

ブログ是非応援して下さい!クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

PVアクセスランキング にほんブログ村

現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑