目からうろこ!研究と現場のジョイントです

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今日はですね、森田先生らと作った、ギャンブル依存症の家族向けeーラーニングを
実際に、仲間達と全編モニターしてみて、
使い勝手をリサーチしよう!という会が行われました。

私もですね、映像作りの方はご一緒させていたので、
分かっていたのですが、
eーラーニングの全編がどんな感じになったのかを、
拝見させて頂いたのは今日が初めてという感じだったんですね。
いやぁ~、なんかすごく面白かったというか、
なるほどなぁ~と、めっちゃ勉強になりました。

よくこういう厚労省の科研費なんかでやってる研究って、
「一体これはどこを向いた誰のためにやってる研究なんだろう?」
と思うことって多々あるじゃないですかぁ。

で、成果物で作られたものも、作ってお終い・・・
的な、全く汎用性がないものって多いですよね。
そもそも使い勝手が悪かったり、「だからなんなのこれ?」とピンと来なかったり、
一番多いのは、そもそも作ったはいいけど、
研究者の先生方って営業しないじゃないですかぁ、
だから「そんなんあったんだ?」って存在自体を知らないというですね、
税金なんだからもっと有効に使ってよ!
と、私なんかお国が何の支援もくれないので、
やっかみ半分で思うことなんかしょっちゅうですね。

だって、現場が使わないものを、お上が作る意味が分かんないじゃないですかぁ。
だったら現場に予算くれるか、
現場の要望をお上が取り入れて、ジョイントで作った方がよくね~?
と常に思ってたんですよね。

ところが!今回、筑波大学の森田先生が、
「一緒に作りましょう!」と声をかけて下さった。
少なくともギャンブルの厚労省の科研費で、
こんな風に声かけて頂いたのって初めてじゃないですかね?
研究データに協力しろは、色んな先生方に言われるのでよくある話ですけど、
心理教育のツールで声かけて頂いたの初めてです。

でもって、このeラーニング作りになったんですけど、
映像で見せる部分は、小澤監督全面協力で作って貰ったものですので、
クオリティはめっちゃいいです。
森田先生の脚本もいい!
実際、作る所から関わらせて貰って、そのリアリティお墨付き、
マジで、見てるといまだに泣けますもん。

で、今日はその映像とパックになってる、
ワークとか、説明の部分のモニタリングだったんですけど、
あ~なるほど!こういう風になるのか~、
と、実際現場でみて、よくわかったんですね。

で、仲間と森田先生らと喧々諤々色んな意見が飛び交ったんですけど、
一番「そうか!!!」と、目からうろこで思ったのは、
先生方研究者というのは、病気の概念なんかをすごく説明したいんですよね。
他の心理教育のテキストなんかもこれまでにもいくつかみていて、
「なんかこういうのピンとこないなぁ~」と思っていたんですけど、
あぁあああああああそういうことかぁ~!と実によくわかったことがあったんです。

つまりギャンブル依存症ってのはこう言う病気で、
皆さんのご家族に起きてることはこういうことで、
本人はこんな風に思っていて、だからアサーティブな話し方が大切で、
ついては自助グループなどに行ってみましょう!
という結論になってるわけですよ。

で、私らの時代は自助グループっきゃないから、
そういう経験がないのでわかんなかったんですけど
今日、比較的新しい仲間が
「どうしたら良いかわからない時に、病気の説明なんか聞かされても、
全く頭に入って来なかった!それより今どうすればいいか教えて欲しかった。」
的な発言されて「そうか~!!!」と思ったんですよ。

つまり我々の時代は選択肢が「自助グループに行け」しかないから、
とにかく行って、誰かに繋がって、いてもたってもいられない気持ちを聞いて貰ってるうちに、
段々落ち着いてきました~ってなるわけですよね。

でも、最近のビギナーさんは色々なところで、
家族向け相談を通ってきているんで、
「そんなことが聞きたいんじゃない!」っていう経験があるんですよ。
これって私もわかんない貴重な体験なんですよね。

で、今日みんなこう思ったんですよ。
「最後の章に持ってきている、これまで学んできて病気のことわかりましたね?
じゃあ自助グループに行ってみましょう。」
ってのを最初の1回目に持ってきて欲しい!って。
まず、自助グループや家族会のことを伝えて欲しい!
今どうしたらいいかをまず教えて!って。

ねっ!なるほど~って思いません?
研究者は教科書みたいに作る、
現場は解決策から入って、落ち着いたら勉強できる・・・って思ってるんですよ。

実際、私も「へぇ~依存症ってそういう仕組みなんだ!」ってわかったのなんか、
繋がって、7年くらいたってましたもんね。
それまでなんか、止めるの必死で、とにかく今日ギリギリで持ちこたえられっかどうかだ!
ってな感じでしたもんね~。

「こうやったらうまくいったよ!時間はかかったけど仲間と繋がって、
一つ一つどうやったらいいか教えて貰いながらやったら、結果としてうまくいったよ」
という希望の結論を、最初に言って貰えると、こっちは救われるじゃないですかぁ。

しかも、こういう何回かやる家族教室とか、eラーニングって、
途中でドロップアウトしちゃう人もいるわけで、
そういう人も「依存症って完治しない病気なんだぁ・・・が~ん」
って所で、ドロップアウトするよりも、
「自助グループって所があるんだな」って情報が入った方がいいじゃないですか。
この「自助グループにお墨付きを与える」ってことこそが医療や行政の役割だと思うんですよ。
あと1回目で自助グループに繋がって、
「そっちで支えを見つけたから、心理教育はドロップアウトしました~」
だったら、もう大成功じゃないですか。

なるほどなぁ~って思いましたよ。
やっぱり、新しい仲間の意見って貴重なんですよね。
私なんかある意味研究に感化されてきちゃって、
フレッシュな感覚忘れかけてるのと、
なんか「効果測定」という名のデータ見せられっと、
医療や研究者が言ってることの方が正しくて、
迎合しなきゃいけないような気にさせられますもんね。

でも違うよな~って思いました。
やっぱ一緒に作っるってのがいいんだよ!って。
先生方のボキャブラリーってなるほどなぁ~って思うモノが沢山あるんですよ。
自助グループ用語じゃないから、新鮮で入ってくる言葉が色々ある。
でもその反面、上から来られてる感覚や、責められてる感覚、
あと「わかって貰えない・・・」と思っちゃう感覚も度々感じるのも事実です。

だからこそジョイントして作る!ってのが大事なんだ!って思いました。
厚労省の科研費で成果物を作る時、必ず現場の意見を取り入れる、
もしくは現場でモニタリング後、外に出すってことを
これからはやって欲しいです。
一人でも多くの人がミスマッチで傷つくことのないように、
そして、自助グループとWinWinになれるものを作って欲しいです。

何よりも、ジョイントで作ったものは、
汎用性がある!発信力がある!
ハッキリ言って現場が誰も知らない成果物なんて、
先生方の業績作り以外、何の役にも立たないじゃないですか。
学会なんか行くといっつもそう思いますよ。
「こんなん一体いつどこで誰がやってんの?」って。
そこの病院だけ、そこのセンターだけ数十人の人にやって、
自画自賛しててもしょうがないじゃないですか。

しかも効果測定と実際の行動変容なんて天と地ほど差がありますよ。
家族教室何年も通って、実際には家庭の状況は全く変わってない・・・
なんて人、それこそ沢山見てきていますもん。
そういう人達にたまたま出会って
「もっと早くに知りたかった~」と何度言われたことか。
行動変容はやっぱり仲間の支えなしに起きないです。

今回のeラーニングはよいものにして、
現場の特に仲間達の口コミで伝えていって欲しい!
そういうものにしたいなぁ~と思ってます。
どうぞお楽しみに!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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