昨日、松川村で過去の自分のことをお話ししたのですが、
そしたら講演が引き金になって、今日はあの狂っていた頃のことを色々思い出し、
そしたら「ホントめちゃくちゃだなぁ～」と、我ながらあきれるというか、
めちゃくちゃ可笑しいというか、そんな気持ちになったので、
今日はあの頃のエピソードを書きたいと思います。

これを読んで、依存症がどれだけ優先順位が狂い、
ギャンブル以外のことがどうでもよくなっていくかをご理解頂けたら幸いです。

まずですね～私がギャンブルに狂っていた頃って、
大学病院で秘書をやっていた頃なんですね。
でもってそれだけじゃ食っていけないから、
水商売のダブルワークや、時々休みの日もバイトしたりしてトリプルワークをしていたんです。

でもってですね、まず一番構わなくなったのが洋服。
オシャレとかどうでもよかったので、短パンにTシャツみたいな恰好で通勤してました。
すっぴんで髪の毛とかも伸ばしっぱなしで、美容院にも行かなくなっていました。

一度なんかですね、友人の結婚式があったんですけど、
なんと！その時も私、短パンはいて行っちゃったんですよね。
考えることも面倒だったし、むしろ結婚式などでお金を使うこともイヤ！
みたいな感じになっていて、変だとも思いませんでした。
ホント「どうでもいい」みたいな気持でした。
今考えると申し訳ない気持ちでいっぱいですね。
友人は、さぞかし恥ずかしい思いをしたことでしょう。

そもそも洋服は大量に持っていたのに、何故そんなことになったかというと、
当時、夫と付き合いだし、毎晩のようにギャンブルをやるようになったら、
自分の家に帰るのが面倒になったんですね。
それで、着の身着のまま、まだ恋人同士だった夫のワンルームマンションに、
他のギャンブル仲間と一緒に転がり込んでしまい、
それっきり洋服も取りに帰らなかったんです。
で、夫の洋服を来たり、時々その辺で超安いTシャツを買ったりしながら、
適当にしのいでいたため、そんなことになったんですね。

その頃の写真がこちら。
これ丸亀競艇に旅打ちに行って、確かちょっと勝ったんですよね。
それで珍しく観光して帰ろう！という気持ちになって、
だったら神頼みだ！ってことで金毘羅様にお参りに行ったんです。
わかります？すっぴんで伸ばしっぱなしの髪。
さらに夫のTシャツとネルシャツを着ている私。

EPSON MFP image

ちなみに履いているスニーカーは、付き合っていた当時の夫の唯一のプレゼントで、
確かバクチで夫が珍しく80万くらい勝ったんですよ。
それで当時靴もロクになかったんで、スニーカーを買わせたんですよね(笑)

あと、秘書時代ですね、徹マンやったり、
もしくは旅打ちから朝帰ってきたりするじゃないですか、
そうすると朝、医局の流しの湯沸かし器で、髪の毛洗ったりしてたんですよ。
そんで濡れた髪の毛にタオルまいて、朝出勤してきたドクター達に、
「おはようございま～す」なんて挨拶してた。
先生方「どうしたの！？」なんてびっくり仰天してましたよね。

更に、本当にお金がなかったんで、これまた先生方に恥ずかしくもなく
「先生、マジでお金がないんですけど、フリマで稼ぐからいらないものくれません？」
なんて言ってですね～、先生方の自宅に押し掛けてですね、
ブランド物のバックだとかベルトだとかネクタイピンだとか貰い歩いたりしてたんですよ。
んで、当時はメルカリなんてありませんからね、本当にフリマで売り飛ばしてたんです。

あの頃、先生方も奥様方もとっても親切にしてくれましたが、
あまりに自分たちとかけ離れた境遇の珍しい人種を見て、
あきれるというか憐れむというか、面白がっていたのか？
良く分かんないですけど、とにかくよくあれでクビにならなかったものですよね。
ホントあれだけあの職場にミスマッチだった秘書って、あとにも先にも私だけだったと思います。

そして今日思い出した、究極の狂った話なんですけど、
とにかくお金がなかったんで、駐車場も借りれなくなっちゃったんですよね。
それでしばらくの間、路上駐車をしてたんです。
で、当然取り締まられるじゃないですか。

当時は今の様にグリーンなおじ様たちが切符はるシステムじゃなく、
サイドミラーに、駐車違反の輪っかをかけられたんですよ。
でもって取り締まられると、それを警察署で外してもらうことになっていたんですが、
とにかく輪っかはめられても、罰金が支払えないんですよ。

だから出頭できずにいると、輪っかつけられてる上に、さらに輪っかつけられちゃうんです。
で、最高3個も輪っかつけられてですね、それぶら下げて走る羽目になったことがあります。

もうねホントよく生きのびたよなという気がしますが、
周りに集まってくるバクチ仲間もそんなのばっかになってくるんですよ。
そうすると足のひっぱりあいというか何というか、
ダメダメな友人をみて「私の方がまだマシだ」と思って、安心ししようとしたりして、
どんどん抜け出せなくなっていましたね。

そんな生活にほとほと疲れ果て、また友人と思っていたバクチ仲間に裏切られたりして、
傷つきまくって「もうこんな生活嫌だ！」と思って、
夫も私も正社員の仕事を見つけて、それだけでちゃんと真面目に生きよう！
と決意するんですよ。
そしてバクチ仲間とは別れを告げたわけです。

ところが二人とも見つけてきた仕事が、
「ギャンブルが好きなのでギャンブル関係がいい！」って思っちゃって、
夫⇒競艇の下請けのシステム会社
私⇒先物取引の会社
ってことで、折角就職した先で、またもやギャンブルにハマってしまい、
給料どころじゃなかったんですよね。

私なんか20万そこそこの手取りしかもらえないのに、
とうもろこしの先物やって、あっという間に200万円とかしてしまい、
バカバカしくなって早々に退職してしまいました。

まだまだ他にもアホやってた話はあるのですが、どうですか皆さん？
回復した私しか知らない方だと、私のことしっかり者と勘違いしているので、
想像もつかないかもしれないですよね。
でも、これがギャンブル依存症者の姿です。

そしてこの私、いつでもそんな自分に戻ってしまえます。
それは確信があるんですよね。
回復のコミュニティから離れたら、あっという間に元の黙阿弥になりそう！ってね。
だから今も細心の注意を払って生きてます。
でもそんな自分が好きだし、コミュニティにいることが楽しいんですよね。
ホント仲間がいるので、助かってるんですよね～。
改めて感謝ですわ～！

ブログ是非応援して下さい！クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者320万人（2017年厚労省）のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を！

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研)　ギャンブル依存症(角川新書)