ギャンブル等依存症対策総括!そしていよいよIR法案審議入りです

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昨日、ギャンブル等依存症対策基本法が、衆議院を通過いたしました。
速攻で、IR実施法が審議入りしたことは、あまりに露骨な感じで嫌~な気持ちにはなりましたが、
何はともあれ、本当に基本法が実現するのだと、感無量です。

立憲や共産の先生方は反対されましたが、
最後は、前向きな反対と申しますか、ただ単に審議拒否するということではなく、
きちんと政策論争をなさってくださったことには、心より御礼申し上げたいと思っております。

特に、初鹿明博先生は、立憲案の提案者であられ、
党の方針で、事前協議には参加できなかったものの、
中谷元先生とは、アルコール健康障害基本法を成立させた仲であり、
審議入りしてからは、ギャンブル依存症対策費の財源や、ギャンブル産業の広告の在り方など、
現状の問題点にずばずばと切り込み、八面六臂の活躍をして下さいました。
最後の最後で、参考人招致がかない、かなり濃く内容について議論されたことは、
本当にありがたかったです。

私も参考人として、発言させていただきました。
審議の様子は、こちらからどうぞ。
衆議院インターネット中継ギャンブル等依存症対策基本法案(196国会衆20)

さて、ギャンブル等依存症対策基本法ですが、
なんといっても目玉は当事者家族を含む「関係者会議」が実現したことです。
これを入れることを、官僚が拒否し続けていたようですが、
官僚主導で作られてしまえば、IR法案のように、
とんちんかんな依存症対策で終わってしまうこと間違いないです。
現場の声を聴いてもらえる仕組みができたことは、本当によかったです。

中谷元先生はじめ、当初の法案の提出者である自公の先生方自らが、
関係者会議の実現にお骨折り頂くという、本当に珍しい法案で、
マスコミによっては「与党が折れた!」なんて書かれたところがありましたが、
あれは正確には官僚が折れたんですよね。
議員の先生方は最初から皆さん「関係者会議は必須」とおっしゃってたんですから!

さて、ではこの基本法、最後の最後立憲の先生らが反対されたのは何故か?
それは、財源をギャンブル産業側に負担させるという、
応益負担が実現できなかったからなんですね。

これは確かに、現行法を大幅に変えなくちゃならない訳ですから、
めちゃくちゃ大変だとは思いますけど、
世界の取り組みをみたって、ギャンブル産業に依存症対策費を拠出させています。

日本は、最大のギャンブル産業であるぱちんこに、
ギャンブル依存症対策を義務付けてこなかったばかりか、
公営競技のような公共の福祉のための納付金もなく、
ギャンブル依存症対策費の負担もさせず、
不正釘をゆるし、巨大産業として大儲けさせてきたんですよね。
ここに何らかの応益負担制度を取り入れることは、当然のことだと今も私は思っております。

また公営競技は「公共福祉費」と謳いながら、
ギャンブル依存症対策費に関しては、一銭も拠出してこなかったわけです。
競艇などは、2015年まで堂々と
「競艇によるギャンブル依存症者は殆どおりません。」と公言していたくらいです。
政府はまず、この公営競技によって賄ってきた福祉費と、
ギャンブル依存症問題による、社会負担費の比較から出すべきです。

「ギャンブル依存症対策をしっかりやる!」この口約束というか、
二枚舌だけは絶対に信じられません。
なんせですね、昨日立憲の高井崇先生に出していただいた質問主意書の
回答が返ってきてですね、びっくりしちゃったのですが、
厚労省の平成30年度の依存症対策予算6.1億円のうち、
アルコール・薬物を除く、ギャンブル依存症のためだけに裂かれた予算は、
1942万7000円だっていうんですから!

これがIR推進法が通過して「しっかりやる!」と言った現実なんです!
ここの278番を是非ご一読ください。
ャンブル依存症問題の監督体制に関する質問主意書
やはり対策費の財源確保は、今後も訴え続けねばならない、
大きな課題だと思っております。

そして、日本大学の問題と米朝首脳会談の話題で、
すっかり影に隠れてしまいましたが、
いよいよIR実施法が審議入りしました。
日本にカジノが誕生する日も本当に来ちゃうのです。

こちらはそれこそ世界最強の規制、
などと安倍総理がおっしゃっておりますが、
意味のない規制は、日本の首を絞めるだけ、
これは本当にまずいプランです。
なんせ「入場料」も「入場回数」もなんのエビデンスもないままに、
「やってます感」を出すためだけに作られたようなものですから。

どうか、IRも強行採決などにならないよう、しっかり審議していただきたいです。
野党も絶対に審議に参加してください。
さらにマスコミの皆さんも、結果だけを「強行採決!」と煽るのではなく、
問題点から取り上げ、政策論争が進むようアシストしていただきたいと思います。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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