推進派目線でカジノ依存症対策を検証してみた!です

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西日本豪雨の甚大な被害の中、国会では陣頭指揮を執る立場にある、
国土交通大臣がカジノ法案で内閣委員会に張り付いているということで、
Twitter界隈は大炎上していますが、この私だってもちろんそう思います。
しかもそうまでしてゴリ押ししたいのであれば、
もう少しまともなカジノ依存症対策を出してこんかい!と思う次第です。

そもそもこのIR法案であげられている依存症対策、
つまりこれは「カジノ依存症対策」な訳ですけど、
これは我々ギャンブル依存症対策の推進派にとっても「何じゃこれ?」
と思う対策ですけど、これは推進派にとっても「ど~してこんなものを・・・」
と思っているはずです。
つまり誰のためにもならない対策なんですよね。

ではまず入場料と入場回数制限についてですけど、
入場料を徴収しているカジノってシンガポール以外あんまりないです。
徴収したとしても韓国なんか約900円位と少額です。
アメリカ、オーストラリア、カナダなんかは無料ですが、当会理事の佐藤拓先生の報告によると、
ギャンブル依存症の罹患率は年度によって多少ばらつきはあるものの、
アメリカ 1.4%
カナダ  1.3%
オーストラリア 2.1%
と日本の3.6%と比較したら全然低いわけで、
入場料が依存症の重要なファクターではないことが分かります。

続いて入場制限ですけど、これはですね
例えばシンガポールなんかでは入場制限したい人は自分で選べるようになっているです。
しかも家族も申告できます。
でもって1月あたり8,6,4,2,1日から選択できるようになっているんですね。

あとは韓国の悪名高き江原ランド。
韓国唯一の自国民が入場できるカジノで、周辺には質屋が立ち並び、
依存症対策に失敗し街が荒廃したと言われているカジノですね。

あそこはですね、地元住民は月1回しか入場できないことになっています。
なので、罹患しているのはみんな首都圏からやってきてる人達なんですね。
で地元以外の人は、月15日まで入場可ですが、2ヵ月連続して月15回まで入場すると
以降は出入り禁止になります。
但し、江原ランドは日本で予定されている24時間営業ではありません。
現在は18時間営業となっています。

で、日本の月10回規制。実に中途半端です。
それこそ回数制限するなら月1回とかならわかるんです。
でも24時間で月10回もいけるなら、殆ど効果なんかないですよね。

だったら推進派からみたら「こんな余計な制限いらね~だろ!」ってことになりますよね。
依存症対策で効果が歴然としているわけでもないのに、
無駄な規制をして、国際競争力を下げる意味がない!そう思うと思うんですよね。
はい、私もそう思います。

さらにマイナンバーで入場チェック!というもの。
これ普及率1割ですからね。めっちゃハードル上がりますよね。
これは絶対カジノ推進派には痛手ですよね。
だから「そうまでして行きたいギャンブラー」しか行かないカジノになりそうですよね。

でも、これカジノだけの規制なんですよ。
だったらマイナンバーで入場チェックなんて、ハードルあげないでですね。
免許証とか保険証とか、みんなが持っている証明書にハードルを下げてですね、
公営ギャンブル、パチンコと全てのギャンブルで、
年齢制限を徹底した方がよっぽど良くないですか?
IR推進派にとっても、依存症対策推進派にとってもそっちのほうがよっぽどいいのに、
何故、そうしないのか?何故、マイナンバーなのか?何故カジノだけなのか?意味が分かりません。

そして30%の納付金の中に、ギャンブル依存症対策費が明記されていないこと。
これは我々にとっては本当に痛手ですけど、
カジノ側だって、30%も納付金とられてですよ、その上入場料も吸い上げられ、
さらには普通に消費税だ法人税だ、その他各種税金が徴収されるわけですよ。

でもってさらに依存症対策を事業者に丸投げしてる状況なんですよね。
この上依存症対策までやれったってね~、こうもガバガバお上が吸い上げたんじゃ、
これ以上そんなに対策費なんて出せませんよ!ってな具合になりかねないと危惧しています。

ちゃんと30%の中に、依存症対策を明記してくれた方が、
推進派にとっても安心材料ですし、現実的です。
さらには誘致する地方自治体と事業者両方で責任を分担して欲しいです。
ちゃんと自治体が受け皿整備してくれないと困ります。

とまぁ、今日はカジノ推進派目線でギャンブル依存症対策を検証してみましたが、
こんなような話はすでにチラホラ聞こえており、
結局、国際競争力のない、負け組カジノができちゃって、
カジノ依存症者だけが行く、「賭場」のようなカジノになっちゃうんじゃないの?と、
危惧しています。

ギャンブル産業を否定はしませんが、
少なくともこれから作ろうとするからには、
経済界と福祉が双方WinWinになるような、
もう少しまともな依存症対策を出して欲しいものです。
来週、ホントにこんな法案で決まっちゃうんですか???

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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