ギャンブル依存症と金銭プログラムです

公開日:  最終更新日:2018/11/07

最近、医療・行政で急激に始まった「ギャンブル依存症支援」なんですが、
どうにも片手落ちなんですよね。
それはなぜかというと、全部アルコール・薬物のプログラムを、
ちゃちゃっとギャンブルに置き替えているからなんですよね。

だけど依存症って根っこは同じだけど、違うところもあるわけで、
ちゃんと違いについて、やっていかないといけないのに、
その違いの点について、全然、本人家族の意見を聞いてくれない、
もしくは、きちんと様々なプログラムを体験して、ツボを伝えられる人に聞いていない
という現実がある訳ですね。

で、ギャンブルの支援に何が入ってないか?っていったら、お金の事なんですよね。
ギャンブラーって、金銭管理は重大な問題なんですよ。
それやらないってことはですね、アルコールの人が入院して来て、
内臓疾患について治療しない・・・みたいなもんです。
有り得ないですよね。

でも、プログラムに全然入ってないし、
殆どが弁護士さん、司法書士さんに丸投げしちゃうんですね。
そうじゃなくて、自分たちのお金の問題の認知のゆがみや、
そもそもの考え方のクセみたいなものをつきとめていく、
そしてお金の問題で、いかに家族とコミュニケーションをとっていくか?とか、
可能ならお金の問題の家庭での取り決めについて、家族側も含めて話し合えるといいんですよね。

これプレッシャーリリーフミーティングって言って、
ギャンブル依存症の自助グループGAや、買いもの依存症の自助グループDAで行われています。
自助グループでは、当事者、家族のサポーター役である、スポンサーと呼ばれる人が提案してくれたり、
間を取り持ったりということをしています。
こんなん全然知られていないんですよね~。
もしくは、スポンサーシップで当事者・家族それぞれお金の事見直しをします。
これは本当に初期の初期、入口的なところで必要なプログラムになるはずなんです。
プレッシャーリリーフミーティングは、ちゃんと書籍も出てますからご興味のある方は発注してみて下さい。
GA書籍ガイド

じゃあですよ、アルコール依存症の人が、とりあえず内臓直して貰って、
血液検査の結果とか突きつけられて「次飲んだら死ぬよ!」って言われて、
「やばい!」と思って、酒やめ続けられるでしょうか?
答えはNO!しばらく我慢しても再飲酒しちゃう人は非常に多い訳ですよね。

ギャンブルも同じなんですよ。
回復に繋がる、で、家族とも徐々にコミュニケーションを取り戻す、
とりあえず家計を見直して、やり直そうってことになる、
はい、それで万々歳!なんて絶対にならないんです。

なぜなら徐々に弱った内臓も痛みやすいと思いますが、
ギャンブラーの弱った家計も傷みやすいんですね。

返済計画を立てた時は、なんとか返せると思うんですよ。
だけど生きてれば状況は刻々と変化する訳で、
例えば残業カットされることもある、子供が公立高校落ちることもあるでしょう。
親の介護が降りかかるかもしれないし、台風で屋根がすっ飛ぶ事だってあるわけですよ。

そういう時に、再びピンチが訪れるんです。
するとギャン妻たちは「夫がギャンブルで使った金さえあれば・・・」と、
過去の事をついつい蒸し返し、腹が立ち、不機嫌になり、嫌味の一つも言ってしまう。

夫は罪悪感から、なんとかしよう!と自分を追い詰めてしまい、
「ギャンブルであてれば稼げるんじゃないか?」なんてことがふっと頭をよぎる。
そこまでいかなくても「借金して急場をしのごう」と、借金癖が頭をもたげるわけですよ。
そしてあっという間に、家計は再び火の車になるんです。
まぁ、ギャンブル止まって5~8年くらいたつとこんなことがおこったりします。

だから、この辺の事も見越してプログラム作ってあるといいですよね。
自分はケチケチ型で、ストレス爆発!タイプなのか?
それとも、内ではケチでも、外ではええかっこしいの大盤振る舞い型なのか?
さらには、ギャンブル依存か?借金依存か?分かんないくらい、借金の垣根がもともと低い人なのか?
で、ちゃんと明文化して、意識づけておくときっと役に立つと思うんです。

で、将来的には、こんなことが起きて、
こんなピンチが来ると、またこんな風に考えちゃうから、
そん時はこうしよう!ってこと意識つけとくといいですよね。
それは当事者も家族もどっちもやっとかないとダメです。
意識つけといても、その時がくると、しっちゃかめっちゃかになりますが、
「はっ!」と気がつけて、早めにリカバれるんですよね、一度でも意識つけとくと。

私なんか典型的、借金依存型で、借金と貯金の区別がつかないタイプです。
それはギャンブルにハマる前から、始まっていた傾向で、
おそらく買い物依存の方が先に発症してたんだと思います。
問題ある買い物者というかそのレベルではあったんですよね。
それがギャンブルで爆発して依存症になり、最後買い物依存で締めたわけですが、
ギャンブル止めて15年、買いもの止まって11年になりましたが、
最近やっと「あれ?金利って勿体ないかも」って思うようになったんですよね。

なんせこの夏リボ払いで、オーストラリアへ家族旅行にいったじゃないですか。
なんだかんだで家族4人200万近くかかったんですよ。
それいまだリボで払ってんですけど、全然払い終わんね~な~と思ってやっと、
「あ~、リボって大変なんだな」って気がついた次第です。
10年かかって、やっとここまで軌道修正されてきたんだな~って思います。
でもまだこの程度。まだまだ病みは深いです。

ギャンブラーの借金家庭は、立て直すのに10年なんて余裕でかかりますよ。
下手すりゃ一生キツキツの家計状態です。
それでもプログラム使って生きていくんです。幸せにね!

アルコールの内臓と同じで、
ギャンブルもお金のこと普通に扱えるようになる、
本当の意味で健康を取り戻すのって、長い時間がかかるんです。

そして何と言っても、ギャンブラーの家庭が不和になるのは「お金」なんです。
短期、長期にみた金銭プログラム。これ入れなきゃ片手落ちです。
行政、医療でやれないなら、自助グループに繋いで下さい。生涯レベルの話しですから。
同じく家族プログラムにも必要で、これは改めてまた書きます。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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