元国会議員秘書とJAL副操縦士事件の共通点です

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一昨日、元国会議員公設秘書が、現役秘書時代に1億円の強盗致傷事件を犯していたと報道があり驚愕致しましたが、
この容疑者が秘書時代に、ポルシェを乗り回し、京都では派手に芸者と豪遊していたとのことで犯罪の使途にも更に驚いた次第です。

また、10月31日にはJALの副操縦士が、飲酒運転で逮捕されました。
ヒースロー空港に到着後、JAL独自のアルコール感知器でチェックし検査パスしたとのことですが、
その後、バスの運転手さんが強烈な匂いに気がつき、警察に通報し逮捕されたとのことでした。

どちらの事件も、現在様々なメディアから報道が出ています。
例えば、元公設秘書の強盗致傷事件はこちら。

1億円強盗で「元公設秘書」逮捕 刃物で脅し金庫から

1億円強盗は佐藤ゆかり議員の元秘書 「ホストのような恰好でゆかり先生と呼び、メロメロ」

また、JALの事件はこちらです。
ANAに続きJAL 飲酒副操縦士はなぜ最初の検査スルーできた?

これらの事件どちらにもある共通点は、周囲の人間がおかしいと気がついていながら、
くさいものに蓋をしてしまう、対応のあり方です。

JALの事件は、機長らのコメントは出ておりませんが、
バスの運転手さんが気づくぐらいですから、当然機長らが気がついていない訳がありません。

また、元国会議員の秘書も、自分たちが給与を払っている訳ですから、
それほどの豪遊ができるはずなどないことを、分かっているはずです。
ちなみに、このHPによると国会議員秘書の給与はこのくらいだそうで、
給料BANK

彼は、事件当時34歳ですから、推定月額44万円位でしょうか。
公設秘書だったようなので、犯罪後も給与が税金から支払われたと思うとムカつきますが、
決して安いお給料ではないものの、ポルシェを乗り回し、祇園で遊べるわけはありません。

そしてこういった対応の問題は、JALのような大企業、
また政治家のような社会問題に対し一番敏感でなくてはならない立場の人達が、
問題行動のある人が、辞めていく、もしくは辞めさせることで「はい、おしまい」としてしまうことです。

JALの副操縦士の処分はまだ出ていませんが、おそらく解雇となるでしょう。
そしてこの事件の前には、ANAで起きたお酒のトラブルで、機長及び支店長が諭旨解雇となっています。
ANAウイングス、飲酒機長を諭旨退職

でも解雇となり、罪を償った後は再び社会に出てくるわけだし、
彼らの人生も続くのです。
その時に、一体誰がどう手を差し伸べるのか?
結局、ボランティア団体がタダ働きで右往左往するのが現実です。

これらの事件全てに言えることは、メンタルヘルスの問題が絡んでいるという事、
特にロンドンで逮捕されたJALの機長は、おそらくアルコール依存症と思われます。
ANAの諭旨解雇となった2名はこれだけでは分かりませんが、
ただ「問題ある飲酒者」であるとは言えると思います。

また、元議員秘書の場合は、分不相応なお金遣いや自己顕示欲、
どう考えてもなんらかの病みを抱えていたと思います。
この容疑者の場合、依存症問題とは別ではありますが、
ここまでくるとメンタルヘルスのアプローチが必要だったと思います。

職場でもこうした問題行動が露見しているわけですから、
その前には、相当家族は困っているはずです。
アメリカのEAPのように、職場と家族がタッグを組んで、
当事者を何らかの治療に繋げるという試みを、是非日本でも取り入れて欲しいです。

家族は、うすうす「何か事件を起こすのではないか?」と心配はしていても、
「会社にバレたらクビになってしまう。」と、
それが心配で早期に会社に相談することができません。

そして、会社を辞める、辞めさせられた後、こうして被害者が出たり、
家族は益々ひどい目にあっているでしょうし、社会負担費だって増大するわけです。

だからこそ事業者、雇用主が早期発見、早期治療に結び付けられるような、
社会システムを実現すべきと考えています。

これだけの大問題になってしまったら、事業者、雇用主だって、
失うものが大きいですよね。
だからこそ「くさいものに蓋」と言わんばかりの慣れ合い対応をやめ、
解雇ではなく「治療」という選択肢を柱に据えていく社会が実現できるよう、
そろそろ日本も意識していくべきだと思っています。

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