まず支援者の行動変容から!です

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この仕事をするようになったので、さすがに共依存のことが良く分かるようになり、
共依存パワーを発揮してくる人との息苦しい関係に気づけるようになりましたが、
本当に共依存のパワーって恐ろしいものがあります。

誰かが依存症になると、家族が共依存を発揮するのは常ですが、
もともと共依存のパワーをもっている人達もこの世に多く存在します。

ヒンシュクをかいそうですけど、
まぁこのブログは常にヒンシュクをかっているので今更なので言いますが(笑)
援助職の方ってどちらかというとこの共依存パワーを抱えた人が多い気がしますね。
良い方に作用していればいいですけど、
こういう援助職に抱え込まれたり、関わられたりすると依存症問題は大変です。

それから宗教関係、中小企業の社長
この辺に強力な共依存パワーをもった人達がいて、
この間に入った人を説得するのに時間がかかって仕方がない・・・
もしくは、介入が失敗に終わる・・・なんてこともザラです。

だから依存症問題は、当事者・家族・支援者に限らず、
世の中の人全部に理解して貰わないと、上手くいかないと思っているんですね。
およそ1億人の人に「ギャンブル依存症は病気であって、説得や説教に効果はない!」と知って欲しいです。

で、共依存の人って何がポンコツかって言うと、
「自分がなんとかしなくっちゃ!」ってなっちゃうので、
「相手を変えること」に必死になっちゃうんですね。
だから常に武器が「説得」しかないんですよ。
めっちゃ視野が狭くなっているんですね。

そんなこといくら言ったって、ダメなもんはダメなんですよ。
だから例えば自助グループに繋ごう!と思ったら、
繋げるような「作戦」を「他人と連携」してやらなきゃダメなんですね。
これが依存症支援のコツなんです。

大体、言い訳なんか決まっているんですよ、本人なら「お金の問題が先だ!」と思っていて、
「お金の問題が解決したら行く。」みたいなこと言うんですね。
もうそうしたら放っておけばいいんですね。
「そっか~、お金の問題は何も手伝えないや~」ってね。
もしくは「そっか~お金のことは分からないからGAに行って聞いてきて。」とかね。

それをですね「そうじゃない。まずは回復することが先なんだ!」
なんて、言ったって仕方ないし、聞きやしないんですよね。
だからこっちも疲れちゃうことはやらない方がいいんです。

なんとかしてGAや施設を回避して、金の問題を解決したい!と思っているんですから。
別にそれは本人が逃げてる訳じゃなく、そういうもんなんです。
「今回さえうまく乗り切れば、もう絶対やらない!」と思っちゃう病気のメカニックなんですよね。

喘息の人が咳こむのを
「いいか咳がでると苦しいだろ。だから咳を止めるんだ!」
って説得したって仕方ないじゃないですか。それより
「ちゃんと通院して、薬が常に切れないように管理し、手元に置いておくしかない」
ってことを自らの体験で学び実行するしかない訳ですよね。
うっかり薬を切らしたら、どれだけ大変なことになるか!ってことを、
経験で学ぶから、きちんと管理できるようになるわけですよね。

依存症も同じなんですよ、
「お金より、治療が先!」って言ったって、それが理解できないんだから、
お金を優先しているとどうなるか体験し、そこから学んで貰うしかないんですよね。

それから家族が自助グループに行かないとか、
ギャン妻がなかなか就職しないなんてのも、
行動できない人を説得しても仕方がないんですね。

例えば、家族はどういう理由で自助グループに行かないのか?
近所にないとか、
子供の預け先がないとか、
そんな理由がある場合があるんですね。
そしたらそこ具体的に解決してあげるんですね。

県内の自助グループメンバーに働きかけて、地域に受け皿作って貰うとか、
例えば、ファミリーサポートセンターに登録して、子供の預け先を確保させるとか、
そういうことを一緒にやってあげるんですね。

私なんかはですねギャン妻が就職しないなら、
「ちょっと履歴書書いてきてみな」なんて言って書いて来て貰って、
それ見ながら「ふ~ん、こういう前歴ならこういうとこは?」なんて言いながら、
ネット見ながらキャリアコンサルして、そこにその場で応募しちゃったりします。

あとは、履歴書と職務経歴書を書いて来て貰って、
「年の数」だけコピーしてあげて
「い~い、今の時代は自分の年の数だけ履歴書出せばどっか絶対受かるから、
これがなくなるまでとにかくどこでもいいから出しまくりなさい。
そして決まったところをご縁だと思って行ってみな。
行って嫌だったらすぐに辞めていい。向いてないところに留まる必要ないから。」
と、この位具体的に指示して、一緒に就職活動したりします。

大体、働かないギャン妻は自信がないだけなんですよ。
だから勇気づけの暗示をかけてあげることと、
嫌ならさっさと辞めていい!って言ってあげるとなんとかなるんです。
そして、一緒にやってあげちゃう。
具体的な行動提案。これが一番大事なんですね。

だから私、転職サイトとかも、めちゃくちゃ詳しいですよ(笑)
「はい、ここメルアド入れる。パスワード決めてGO!」とかね。
どんどん考えないうちに、やっちゃうんです。
一緒に探してるうちに、自分が転職したくなることもしばしば・・・
めっちゃおもろいですよね~、転職サイトとか。

私はとにかくギャン妻がバリバリ働いて元気になる姿をみるのが大好き!
そして、実際みんなそうなってます。
支援者の人にも「子供が小さいから」なんて昭和の価値観を鵜呑みにしちゃう人いるんですよね。
やめましょう!今はもう平成も終わろうとしているんですから。

時々、支援者が世間知らずなんで驚いちゃうんですよね。
便利なサイトやサービスを全然知らなかったり、
しかも自分の地域の民間団体のことすら知らない。
遠く離れた東京人の私の方が詳しかったりしてね。
「えっ!?この問題なら、この県のこの人超有名ですよね?連絡したらいいんじゃないですか?」
みたいな感じで、びっくりしちゃう時が多々あります。

依存症の支援者は、この問題だったら、
「あっ、あの人に繋げばいいな。」って、パッと浮かぶくらいにならないとダメです。
それにはまず支援者が「脱!世間知らず」です。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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