ガッツのある記者さんです

公開日: 

本日、西日本新聞さんに私のインタビューを含めて、
IRとギャンブル依存症問題について記事が出たので、
是非、ご一読下さい。
IR誘致 どうなるギャンブル依存症対策 県・佐世保連携組織検討へ [長崎県](西日本新聞)

いやあ、この記者さんとのやり取り、
ガッツがあってめっちゃ面白かったです。

女性記者さんで、声の感じからするとまだ随分お若い方だと思うんですけど、
ホント何度も電話くれて、分かんないことを確認して下さったんですね。
でも、実は私、最初にかなりうんざりして、ガツンと言っちゃったんです。

何が、うんざりするかっていうと、記者さんってものすごく分かりやすいオチをつけて、
記事をまとめちゃうっていう傾向が強くって、
なんか最近「説明しても無駄じゃん!?」っていう徒労感に見舞われてたんですね。

で、この記者さんも、地元の自助グループとか取材して、
自助グループのこととか分かってはいるんですよ。
でもですね自助グループのミーティングスタンスである
「自分の気持ちを話すこと、周りの人はそれに批判も意見もせず黙って聞くこと」
ということの意味とか何故それに効果があるのか?ってことが、
よく理解できない訳ですよ。

普通の人から見ると、まどろっこしいし、回復には時間もかかりますよね。
でも周り道に見えて、依存症からの回復って、昔からとられている、
王道をいくことが一番安定的で、結局は早道なんですよね。
それが私たちには沢山の経験値から分かっているわけです。

でも、なんとなくぼや~っとしか分かんない記者さんだと、
自助グループが必要なことはなんとなくわかりましたけど、それはさておき
医療ではどんな方法がありますか?
先駆的な取り組みをやってる医療機関はありますか?
みたいなこと言ってくるわけです。

つまり、一番大切で、回復の土台になるものが、
「同じ経験をした人たちとの支え合い」なのに、
もっと分かりやすいものないですか?ってなるんですね。

「ないよ、そんなもん!」って、本当に言いたくなります。
取材に根気強く付き合い、地元の自助グループも紹介し、結局
「医療の充実が求められる」って、
読者に分かりやすくオチをつけられたことはもう何十回もあります。

だからですね、最近、ギャンブル依存症=発達障害
と決めつけ、いきなり投薬療法をする・・・
なんてへんてこりんな報告が増えてきているんですよね。

ギャンブル依存症は病気ですけど、必要なのは医者の診察や治療や投薬じゃなくて、
リハビリプログラムなんですよ。
医者は、診断だけ下してくれれば良いんです。
もちろん併存障害のある方は別ですよ。
そういう方は医療で診て貰う必要があります。

でもギャンブル依存症だけなら、リハビリプログラムを受ければいい。
それをレクチャーするのは病院ではなく、
自助グループでタダで受けられるからそっち行ってね!
ってことになってるんです。

その方が医療費も上がらないし、こっちも自己負担ないし、
社会にとっても良いことばっかりじゃないですか。

海外の記者さんの方が、よっぽど自助グループのこと、
分かってくれてるんですよね。
「日本にもギャンブラーズアノニマスはあるの?」って、
必ず聞かれますもん。
日本の記者さんなんか「なんですかそれ?」って人がいまだに多いのに。

わかりやすいオチなら誰でも書ける、
でも、分かりにくいものこそ、どうやって読者に伝えるか?
それがジャーナリストの醍醐味じゃないんですか?
と聞きたくなります。

ってか、この記者さんにそう言ったんですよね。
「なんのために自助Gに取材行ったんですか?」
「何をみてきたんですか?」って。

大体、ギャンブル依存症に医療が関わるなんて、
ここ2年くらいで急に言われたことであって、
自助Gはもう28年の歴史と実績の積み重ねがあるんですよ。
その重要性こそ書いて下さいよ!ってね。

マスコミさんに、適当に書かれて、にわか医者の自称専門家が、
バカスカ出て来られるのには心底困ってるんですよね!って申し上げました。

しかし私も、本当に言いたいこと言いますよね~。
すいません。

でもこっちは必死ですからね。
正しい情報が伝わらないために、何十年も回り道したり、
囲い込みや、よくわからない投薬をする、
商魂たくましいお医者様が増えたら困ります。

だから過度な医療化を促進しないように、
マスコミさんには、これまで以上にきっちり念押ししないといけないな
と、腹くくってやってくつもりです。

それやるとものすごく時間も手間もかかるんですが、
今はまさにギャンブル依存症の過渡期ですからね。
これも役割と思って、頑張ってやっていこうと思ってます。

で、今回の記者さん、私がガンガン言ったのに対して
「わかりました、今までマスコミに対して、色々思いはあったと思いますが、
私は、皆さんの役に立つ、良い記事をまとめたいと思うので、
色々教えて貰っていいですか?」
って言って下さったんですね。

で、この記事ができるまで、ホント何度もやり取りしました。
地元の仲間も密接に関わってくれて、
私としても今日この記事を仲間と共に「産み落とした」気持ちになりました。

記者さんと共同作業で造りあげたような、
満足感があります。
記事になっちゃうと、短い文章なので、
普通に読んだら「ふうん?」って感じかもしれませんが、
私としては、自助グループのことを中心にまとめてくれたこと、
すごく満足しています。

これまでも、依存症に理解のある記者さんて、
何人かはいらっしゃいましたけど、まだまだ少ないのが現状です。
でも、また一人味方が作れたなぁと嬉しく思ってます。
西日本新聞の後藤さんありがとうございました!

理解するまで根気よく取材してくれる、
ガッツのある記者さん大募集中です。

こんな分かりにくい病気を、分かりやすく書けたら、
めっちゃ腕が上がること間違いないです(笑)
どうか私たちの味方になってくれませんか?

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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