疲れ果てる生活保護担当者の不勉強さです

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もう昨日は、ブログもかけない位、徒労感と疲れに見舞われました。
どうして生活保護の担当者というのは、「人の命に直結しているのだ」という、
危機感を持って仕事をしていないのでしょうか・・・

ことの発端は、Twitterで入ってきたSOSにあります。
面識はない人でしたが「助けて欲しい」と連絡がありました。

本当に偶然、その日入っていた予定がキャンセルになり家で仕事をしていたんですね。
それで、住まいを聞くと我が家のお隣の区。
なので早速会いに行くことにしました。

話しを聞くと、ご家族が2人も次々と自死されていて、
しかもその方が第一発見者で、PTSDを発症していたり、
その他にもかなりしんどい成育歴があるんですね。
頼りになる身内は誰もいない状況なんです。

でもって、所持金は数百円。
もうあと幾日も生活できないし、月末の家賃ももちろん払えない、
光熱費はすでに1ヵ月遅れという状況なんですね。

で、このままじゃ犯罪を犯すか死ぬしかない・・・
というくらいご本人は追いつめられているわけです。

もうこれは施設に入って貰って、とにかく食住を確保するしかない、
と思い、グレイスロードにお願いして、引き受けて貰えることになったんです。
でもこれ移送費及び次の保護費が入るまでの半月間は、
完全グレイスロードの持ち出しになるわけです。

で、さらに区役所に
「彼はギャンブル依存症なので、施設に入寮させたい。
移転はするけど、引き続き中野区で生活保護を出して欲しい」
とお願いしに行ったんですね。

移転先の甲斐市で保護を貰うことになると、
引き受手である甲斐市の財政が破たんするし、
施設がうとまれ出ていく羽目にならないよう
前居住地で継続保護というのは、
結構どこでもお願いしてやって貰っているんです。

理解のある市区町村なら比較的スムーズに進むし、
逆に、生活保護で生活が度々まかなえなくなる依存症者を、
自治体の方から「保護は継続するから、そちらで引き受けてもらえないか?」
と連絡がくることがあります。
意識高い系の職員さんがいる市区町村ですね。

そりゃあ、そうでしょ。
こうやってぐずぐずしているより、
さっさと施設に繋いで、上手く回復してくれたら、
2年位で生活保護切って自立できるんですから。
その方がずっと社会のためにもなるじゃないですか。

ところがこの区は、担当者がぜんっぜん理解がない。
おまけに「アルコール依存症は聞くけど、ギャンブル依存症なんて初めて聞いた。」
と言いだす始末。
「こんな回復施設があるのか?」と、
まるで貧困ビジネスでもしているかのような、見下した感じ。

あったまきました。
「いや、理解のある自治体は生活保護の担当者の方が、
勉強会をやってくれたり、勉強会を主催してくれたりして、
連携してくれます。ご存じないのだとしたら、今後是非勉強会を開催して下さい!」
と言いましたけど。

この案件、部屋の原状回復に業者を入れないと、
粗大ごみが捨てられないし、
さらに今月分の未払い家賃がある。
その費用を一体どうするか?ということも悩ましいわけで、
実は、我々こういったパターンの時に、
自腹切って何とかして来てるんですね。
どこも出してくれないから。

そこまで我々やってんですよ、もう勘弁して下さいよ!
と心から言いたいですわ。

その上この生活保護の担当者の無知と無理解のために、
とんでもない時間が使われる。
本当に疲れます。

もう次から次へと、行政が引き受けない、
もしくは行政に理解のない案件が飛び込んできて、
我々だけでは対応しきれないです。

ギャンブル依存症がIRのお陰でフュ―チャーされ、
表に出てきたことは喜ばしいですが、
それに対して社会の理解も、行政の対応も、受け皿も全く追いついていません。
そして予算もつけて貰えない私たち。
なんでもかんでも身銭切って、緊急対応してきましたけど、
それももう限界です。

先日、経理スタッフに聞きましたけど、3年間で500万円を私、
持ち出ししてるんだそうです。
年間200万弱。
講演費やなんかで頂いたお金、全てぶっこんでます。
それでももう社会がこんな感じだと、回らないです。

誰か、助けてくれませんか?
この区の担当者を説得し、速やかに対応するよう、
(対応が遅れると、グレイスロードの負担が増えるばかりなんです)
一緒に働きかけて貰える、議員さんとかいないでしょうか?

何区かって?新宿区のとなりにある、私の故郷です。
これでお分かりになる方は分かるはず。
どうか力を貸して下さい。

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