死刑制度についてです

公開日: 

この度のオウム死刑囚13人全員の処刑を知り、
生まれて初めて死刑制度に反対する気持ちになりました。

オウム事件はまだまだ闇に包まれた事件も多く、
何故、あの事件が起きたのか?
何故、当時の天才たちはオウムに引き付けられたのか?
何故、人はマインドコントロールされてしまうのか?
などなど、もっと貴重な資料や研究を残すべきだったのではないかと残念に思っています。

特に、マインドコントロールは、これからも多くの人達が、
陥るであろうリスクで、例えば北九州で起きた猟奇的殺人事件なども、
このマインドコントロールが原因と言われています。
詳細な聞き取り作業や、データを残し、後世に生かすべきだったのでは?と思います。

また、今までずっと「人を殺すような奴は全員死刑だ!」と思ってきましたが、
このような事件で、教祖とその弟子たちは果たして同じ罪状で良いのか?
という気持ちもぬぐえません。

何故なら、オウムの死刑囚たちはそのほとんどが私と同世代の、
当時の若者たちだからです。

若者達というのはいつの時代も、ピュアである分、間違った方向に集団が舵を切ってしまうと、
暴走してしまいます。そして何度も大きな事件に発展しています。

私が子供時代は、左翼全盛の時代でした。
学生運動がそこかしこで起き、街は荒れまくっていました。
ベトナム戦争は泥沼化し、成田三里塚闘争は激化、
連合赤軍によるあさま山荘事件では銭湯がガラガラになり、皆テレビにくぎ付けとなりました。

そして今の若い人達は信じられないと思いますが、
日本人は世界で暴れ回るテロ軍団を有していたのです。
「テルアビブ空港乱射事件」や「三菱重工爆破事件」など、
ホンの子供だった私ですら鮮明に覚えている位ですから、
私より9つ上の麻原彰晃は、この時代の空気感と共に青春を過ごしたはずです。

その後、反動を受けたような世代が我々で、
私たちは前の世代が熱く政治を語った結果、惨劇を生んだ姿をまざまざと見ているので、
その真逆を行くこととなり「しらけ世代」「新人類」と呼ばれるようになりました。
80年代前半に高校生や大学生となり、社会人になるかならないかの頃、
空前の好景気「バブル時代」が到来するのです。

つまり我々は、子供時代は「ブルジョワジー」を快く思わない空気感で過ごし、
その後、青春期は政治色のない「しらけ世代」となり、
大人になろうとする頃急に子供の頃あれほどさげすんできた「拝金主義」が、
急にもてはやされるようになったのです。

あの時、狂ったように遊びながら、「こんな時代が続くはずない」「何かがおかしい」
とずっと心の中で思っていました。
そしてそんな時代を共に生きたのが、オウムの幹部達なのです。

死刑執行された13人(13という数字も不吉ですよね・・・)の年齢をみていただくとお分かりの通り、
殆どの人達が50代ですから、当時は20代か30代前半の若者だったんですよね。
そして広瀬健一は早稲田の理工学部首席
豊田亨は東大理学部、中川智正は京都府立大卒の元医師、
などなど私なんかから見たらとんでもなく賢い人達が、
なぜいともやすやすと殺人に加担してしまったのでしょうか?

マインドコントロールはどのように行われ、どうしたら防げるのか?
同じような集団が再び現れたら、我々はどうしたら良いのか?
私はむしろFBIの様に、死刑にしてしまうのではなく、
生かし贖罪のために、マインドコントロールに苦しむ人達の
手助けのために、もっと調査すべきだったのでは?と思っています。

特に社会との関連、時代の空気感や閉そく感がどう関係するのか?
何故、若者がハマるのか?そういったことをもっと知りたかったです。

また、マインドコントロールされた側を死刑にすべきなのか?
そこにはどうしても疑問が残り、仮釈放なしの終身刑という選択も、
あるのではないか?と思っています。

いずれにせよ、オウムの様な事件が今なお世界中で起きている、
そのことに胸がふさがれる想いがします。

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