最近の自治体事情:ギャンブル依存症対策の進み具合です

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ここにきて急にですね、様々な自治体さんから、
「来年度、何か協働できませんか?」とった具合にお問い合わせを頂くようになり、
少しずつ希望が持てるようになりました。

さんざん言ってきた、民間団体支援の助成金ですね。
自治体が半分、国が半分持って、民間団体の事業を助成するってやつです。
あれ、昨年、今年の年度初めまでは殆どどこも予算つけてもらえず、
「絵に描いた餅だよ!」と怒ってたんですね。

さらに、予算をつけて貰えることになっても「事業費の半額」なんて回答になってですね、
国が1/4、自治体が1/4で、受け皿作りでボランティア出動する我々が1/2の出費になるという、
おかしな事態となっていて、まさに「やってられん!」と怒り狂っておりました。

だってそうですよね、あの民間団体助成金はくれるのは、
会場費とか印刷代とか交通費とか「事業費」だけなんですよ。
人件費は完全度外視でこちらの奉仕の精神の上で成り立ってるのに、
その上事業費まで一番負担して、国と自治体の実績に貢献するって変な話ですよね。

で、ですね~、地方の仲間たちが、粘り強く辛抱強く、各地の自治体に働きかけ、
少しずつ我々の活動が認知されるようになり、
また新潟のような先駆的取組をバンバンやってくれる自治体の取組みを、
各地にフィードバックしていった結果、
来年度は一緒にやりましょう!ってお声かけ頂くことになったんです。
ホント有難いことです。

カジノ誘致に関係ない自治体の方が、結果として熱心なんですよね。
「地域連携で、依存症対策充実させていきましょう!」
という誠実な本気度があって、しかも効果的かつ現実的です。

逆に、カジノに前のめりの自治体は、掛け声はすごいんだけど、
本当にギャンブル依存症対策を充実させたい!
っていうよりも「カジノに対する住民の反対運動を抑え込んで、無事誘致にこぎつけたい!」
ってな想いが強いんじゃないでしょうかね?
利益相反でもなんでもやっちゃう、当事者や家族と関わってもいなければ、
学会にもあんまり来てないような、どっちかっていうと異端のお医者さんなんかと、
平気で手を組んじゃったりするんですよね。困ったもんです。

自治体も勉強して欲しいし、情報をきちんと精査して欲しい、
そういうお医者さんは何が一体目的なのか?
依存症者が死のうが苦しもうが、家族が悲しもうが、
自分さえ儲かって、名誉が与えられればいいんですかね?
私なんぞ、全く理解できないメンタリティですが、
だけどそれは個人の自由なんで自治体が選別すべきですよね。
私は、少なくともギャンブル依存症対策を利権になんか絶対させないぞ!と頑張ってますけど・・・

当事者・家族の会を作ったり、自助グループが増えるような取組みをやったり、
啓発や予防教育、今起きている問題に対処する地域連携作り、
そういう地に足のついた依存症対策こそ、効果ある取り組みですよね。

それと産業側がやるなら、きちんとシステム化したものじゃなきゃ。
今どき「目視」なんて、やる気全くないでしょうよ。

ところが最近誘致自治体の中でも、ちょっと「おっ!」っと思える誠実な県が出てきたんですよ。
以外にもと言ったら悪いですけど、ダークホースであがってきた和歌山県ですね。

少し前にですね、和歌山県さんのIR誘致のセミナーがあったんですよ。
で、そこには県知事さんも来ていて、カジノ誘致の大合唱みたいな感じだったんですけど、
シンポジストに私が入っていて、「遠慮なく何言っても良い」って言うから、言葉通り遠慮なく
「私がカジノの審査委員なら、和歌山県は絶対選ばないです。
なぜなら自助グループもろくすぽなく、和歌山の人は大阪に助けを求めている状態です。
今、和歌山でギャンブル依存症になったら助からないです。」
って言って「えぇ~!」っと全員をのけぞらせる・・・って出来事があったんですよ。

そしたらですね、仁坂和歌山県知事さんが、
「えっ!そうなの!それは知らなかった。早速、対処しましょう」
「でも、こうやってあなたみたいな人を呼ぶ和歌山県はさすがでしょう!わはは!」
みたいな感じで、面白いなぁ~と思ってたんですよね。

でもですね、人前で政治家の先生方が約束してくれたことって、
殆ど実現したためしがないからですね~、あんま期待もせず、
まぁ我々はやることやるだけだ!と思ってたんですよ。

そしたらその後、仁坂知事のご指示で県の担当者の方とか、
わざわざ東京まで来てくれたんですよね。
んで「どういうことをやったらいいのか?」ってお聞きになるので、
「依存症対策は地域連携なんです!」ってなことをお伝えした訳ですよ。

そしたらその担当者の方が実に真面目ないい方でですね、
大阪の家族会のフォーラムとかにもわざわざいらしてくれたり、
そこで、和歌山の仲間を助けている、泉南っていううんですか?岸和田とか、
あの辺の仲間たちと繋がって下さったんですね。

で、その家族会の仲間たちと、
「来年は地域の受け皿作りご一緒にやりましょう!」
「相談会などが開けるよう、助成金も検討します」
みたいなこと言ってくれたとのことなんです。

すごい!こんな地味なんだけど、王道で誠実な依存症対策を理解してくれるなんて嬉しいです。
派手な打ち上げ花火なんかじゃないんですよね、依存症対策って。
もっと一人一人に即した、オーダーメイドなんですよね。
そういう小さい事を大切にしてくれる、自治体さんだと、
ギャンブル依存症になっても、見殺しにされない気がしますね。

逆に、内輪で「こんなんやります!」「これで大丈夫です!」なんて、
当事者・家族は置き去りで、身内で固めた有識者会議で、
何でも決めてくような自治体だと、マジ危ないと思います。

これからはその辺の見分け方や、チェックシートを作って、
どんどん公表していくつもりです。

でも、ここにきてグッと、意識高い系の自治体が出てきたことは、
間違いないですよ。
来年早速「ギャンブル依存症の啓発週間にイベントやります」って、
講師依頼が来ている所ももう2カ所あります。

やっとちょっと希望が見えるようになりました。
各地の自治体に、探してると感度のいい誠実な方が必ずいらっしゃるんですよね。
仲間と共に、これからもコツコツとやって参ります。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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