解説!しくじり先生貴闘力関のギャンブル依存症の続きです

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昨日のブログの続きです。
さて、大鵬親方という、昭和の名横綱超ド級のイネイブラーが登場した、
貴闘力関はどうなっていったのか・・・

当然貴闘力関だって感謝して2度とやらない!と誓う訳です。
けれども今度はこんな症状で悩まされます。

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そう俗にいう禁断症状ですね。
それほど多いわけではありませんが、
こんな症状が出るという方も聞きますね。
確かに私も不眠はあったかも・・・

けれどももっと一般的なのは、
「鬱になる」じゃないでしょうかね。

ギャンブル三昧だった日々を断ち切ろうと、
自助グループや治療に繋がらず、
自分一人で止めようとすると、
これまで心の全てを埋めていたものがなくなり、
ぽっかりと穴が空いてしまうんですね。
それで出てくるのが「鬱」の症状。

そもそもギャンブル三昧だと、借金や家庭不和など、
ギャンブルに伴う二次的な問題も多く、
鬱になりやすいですよね。

で、こういった禁断症状や鬱などの問題があり、
「やめ続ける」ことが出来ないんです。

するとまたこんな風に「ちょっとだけならいいじゃん」
と、甘い言葉をささやく人がいるんですよね。

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はい!ここでも関根さん良いコメントを残しています。
「アルコール依存と同じだ!」
そうなんですよ!
ダメなんです。

一度依存症になった人は、適度にやるということができません。
だから一生やめ続ける必要があるんですね。

常々、芸能人の方が気軽に、元サッカー選手の前園さんに、
「もう飲んでもいいんじゃない?」とおすすめすることが、
とても気になっていました。
ダメです!気軽にすすめちゃ。
前園さん依存症かもしれませんから、折角やめていらっしゃるんですから、
もうこのままやめ続けていかれた方が安全です。
ああいう風に気軽におすすめする様子を放映することは、
是非やめてくださいねTV局の方。

さて、こうしてまた始まってしまったギャンブル。
ちょっとだけで済むはずがありません。
またあっという間にギャンブルがエスカレートしていきます。

ここで若林さんからの一言。

「治療しようと思わなかったんですか?」
でも貴闘力関は「病気だと思っていない」わけです。
そうです、自分でこれが病気だなんて気がつけないのが、
依存症の一番の問題「否認の病」と言われる所以です。

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でも貴闘力関は最近になって病院でギャンブル依存症の診断を受けます。
俗にいう「20の質問」ですね。
http://www.gajapan.jp/jicab-20questions.html

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で、この質問のうち7つ以上あてはまると、
ギャンブル依存症の可能性がある!と言われているんですが、
貴闘力関はなんと20問中20問あてはまったそうです。
まぁ大体我々ギャンブラーがやると、19問から20問あてはまる人はざらです。
私も、20問あてはまります・・・

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なので、今なら貴闘力関も分かるわけです。
自分が重度のギャンブル依存症だった・・・と。

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でも当時はそんなこと思わないです。
最近だと思います、認められたの。
それまで「依存症なんてアホだよと思ってた。」
収入も多いわけですし、当然そう思いますよね。

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そして否認したまま、行きつくところまで行き、
ついには違法賭博に手を染める。

それが昨年巨人軍の問題でも騒がれた、
「野球賭博」ですね。

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そして、こんなにも愛していたお相撲の世界から、
解雇され、さらには家族も失うことになってしまいました。

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そして、絶望の淵にたった貴闘力関ですが、
そこから、私たちもよく伺っている焼肉屋さんを、
オープンさせるに至るわけです。

この焼肉屋さん、本当に安くて美味しいんですよ!
ですから当然軌道にのってお金も入るようになる。

普通はこれだけの苦労を乗り越えてきたのだから、
いい加減懲りてもうやるわけない・・・と思いますよね。
はい、ここが大きな間違いです。

依存症は「病気」です。
どんな病気も「懲りた」からもうならない、
「懲りた」と思えば治りますか?
「懲りた」ということと「回復」なんて全く別物ですよね。

そう懲りてはいます。
でも、病気は回復していないから、またやります。

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従業員のお給料に手を付けてしまう・・・わけです。

この辺の様々なドラマは、当会のフォーラムでも、
詳しく語ってくださいました。

貴闘力さん、今はギャンブルは止まっているそうですので、
是非、自助グループにも繋がって、
このままやめ続けて頂きたいですね。

貴闘力さん、ギャンブル依存症の人に
対応するアドバイスとして、こんなことをおっしゃっていました。

「ギャンブル依存症の人がいたら、絶対にお金を貸してはいけない。」
「貸さないことが優しさ」なのだと。

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そうです!これぞ大原則。
イネーブリングをやめ、本人に底付きさせる。
周囲は良かれと思ってお金を貸してはいけません。

皆さん、逆のことをやって、
事態を悪化させてしまいます。

貴闘力さん、昨日の番組で一瞬言葉に詰まったシーンがありました。
それは関根さんの
「大鵬親方の寿命を縮めましたね」

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これはですね、関根さんや皆さんがそう言いたくなるお気持ちは、
ものすごく良く分かるのですが、なんとも微妙です。
何故なら尻拭いをしたのは、大鵬親方の意志だからです。

そして、それがもちろん大きな心労となるのですが、
案外生きがいとなっている部分もある・・・
というのが依存症と共依存の不可解な関係なんですよね。
ですから一概には言えないと思いますが、
いずれにせよ貴闘力関は回復し続けることだと思います。

このような人気番組で、しかもゴールデンで、
ギャンブル依存症についてこれだけ広報して頂いたこと、
本当にありがたく、その貢献は計り知れないと思います。
勇気をもって、過去を告白して下さった貴闘力関と、
ギャンブル依存症という難しいテーマを、
思い切りよく扱って下さったテレビ朝日さんには、
心より御礼申し上げます。

番組でナイスパスを出し続けた関根さん。
昨日の最高の名言はこれでした。

「小学校くらいから学んだ方が良い!」

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そうです!その通りです。
是非、以下のURLから↓
青少年への予防教育の導入を掲げた、
「ギャンブル依存症10万人署名」に、
ご協力お願い致します。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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