話題の映画「アリ―」一般の人はどう思うのだろうか?です

公開日: 

やっと観に行くことができました~。世界中で大ヒットとなった話題の映画「アリー」。
ロック大好き議員の初鹿明博先生におススメして頂き、絶対行かねば!と思っておりましたが、
ほんっとう~~~~~~に良かった~です~!

あれスター誕生となっているので、どっちかって言うと、
プリティウーマン的な、ストーリーを想像していたんですけど、
いやいやいやいやこの映画は完璧に依存症者とその家族を描いた、
アディクションのファミリーストーリーですわ。

アリ―の一家庭には、ギャンブルのファミリーヒストリーがあって、
クーパーの家庭には、ドラッグとアルコールの歴史があるんですよね。

もうね、ホントやばい。依存症者なら胸がキューンとなる、
何とも言えない、淋しさ、切なさ、苦しみ、そしてそれらを取り巻く家族の愛憎劇に、
自分を投影し感情移入することでしょう。

しかし映画を観ながら、私なんかはスターダムにのし上がった、
クーパーがアルコールやドラッグにおぼれている姿は、
プレッシャーに対する重圧、どこにいっても注目を浴び私生活が全くない暮らしの抑圧、
自分の才能や体調に対する恐れ、腹違いの兄弟との複雑な関係、アルコール依存症だった父への想い・・・
そういった複雑にからみあった心の重圧を考えたら当然だよな・・・と思うのですが、
普通の人ってどんな風に感じるのかな?と思いました。

例えば、日本のタレントさんが薬物事件なんかをおこすと、徹底的に叩かれ
「そもそも薬物を使うことが悪い・・・」といった道徳概念にもとずく
そもそも論に終始しますよね。

で、そもそも論で見たらこの映画って、
「でも苦しみながらもそれでも負けずに頑張っている人はいる!」
みたいな感想になって、クーパーはただのダメ男に映ると思うんですよね。

でも、海外の映画やドラマだと、描き方が全く違っていて、
「何故、この人がアルコールやドラックに溺れなきゃならなかったのか?」という、
依存症になってしまった背景にフォーカスをあてて、
依存症の裏側には、人間の苦悩や悲しみがあるんだという、
ヒューマニズムの上に成り立っているじゃないですか。

このアリ―はまさに、人間の行動の裏側にあるものにフォーカスをあてた映画なんです。
みんなが愛し大切に思っているのに、それがまっすぐに伝わっていかないもどかしさ、
十分な才能も実力もあるのに、それを自分自身が信じられない苦しみ、
周囲の人間の思惑や、自分の音楽性へのこだわりとビジネスのはざまで起こる軋轢、
アルコールやドラッグは、解決策にはならないのに、
それがないと人生に向き合えっていかれない恐れ。

我々アディクトが見ると、ものすごく感動し、えぐられるような気持ちになりますけど、
この映画、道徳が優先する日本の一般の人達はどう見るのかな?と思いました。

あまりに切ない最後。
だけど、その心情は良く分かる・・・
そんな幕切れです。

アディクトがシラフで生きていくのがいかに大変か。
アディクトが生きていくには、この世には厳しすぎる現実があると思いました。

アリ―是非見て下さい。

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