インタベンションの実際です

公開日: 

昨日も書きましたが、インタベンション(介入)について、
よりにもよってパチンコ業界で、いちゃもんつけてる人がいると
風の噂で耳にし、今日はこの手法についてもう一度きちんと書きたいと思います。
あのですね、はっきり言いますけど、陰でぐちゃぐちゃ言ってないで、
男なら堂々と調査に来たらいかがですか?と言いたいですね。

インタベンションして回復した人の当事者、家族の話を、
いくらでも聞かせて差し上げますよ。
私なら、知りたいことがあれば、正面切って聞きに行きますけどね。

でもなんで、パチンコ業界って身内で固まって話し合いばかりしてるんですかね?
この期に及んで、こんなに逆風吹いてるのに、外部の風を入れなきゃ意味がないでしょうよ。
私なら、まず絶対に私と話し合おう!と思いますね。(笑)
むしろ自分の陣地に呼び出して、質問攻めにして、
血祭りにあげてやる!位に思うかも・・・あはは!

まっ、そんな臆病風ふかして陰口で対抗してくるような人は、
どうせパチンコ業界のご機嫌取りですから、どうでも良いですけど、
インタベンションについてご存じない方も多いので、
今一度説明する良い機会と感じています。

さて、インタベンションですが、昨日も息子が「1000円寄越せ!」とモノにあたっている、
と電話があり、駆けつけようか迷っていたところ、家を出ていったらしいので、
まっ今日の所は保留で、来週早々に仕切りなおそう!となったのですが、
なんにせよ、インタベンションは事前の仕掛けが大切だと思っています。

昨年のアルコール薬物医学会で発表させて貰ったんですが、
インタベンションに至るまでは、こんな感じですね。

スライド2

家族も、当事者が「もうどうにもならない」とお手上げになるくらい、
きっちりと余計な援助をやめ、底付きの底上げをしてあげる必要があります。
これが一番難しいんですよ。
例えば「会社の経費を持ったまま、会社に出勤して来ない。」
なんて言われるとですね、介入の大チャンスなのに
「会社に迷惑かけちゃいけない!」とばかりに、
あっというまに、損失補てんしちゃったりですね。
最初はどうしても、一般常識と、依存症常識の区別がつけられないんです。
ですから「できれば週3日位、家族の自助グループに行ってください」
ってな感じで、シャワーのように依存症界の考え方を浴びて貰います。

でもってですね、そのうち先ほどのようにチャンスが来るわけですよ。
だって、支援の蛇口をきっちり締めるわけですから、
お手上げになりやすいわけですよね。
そこで、タイミングを見計らって、インタベンションをするわけです。

で、大事なことは、もし施設に繋がらなくても、
本人が家を出て自立できればいいし、一発勝負と考えないで、
とにかくまずは家族が安全安心に暮らせることを目指します。

効果的なタイミングの例はこんな感じです。

スライド5

こう書くと、ものすごいへヴィですよね。
そうなんですよ、こんな状態でハラハラしながら、
暗く、重苦しい雰囲気で生活しているのが、
依存症者がいる家庭なんです。
だからこそ、インタベンションが必要とされてるわけです。
せめて家族は救出しなくちゃなりません。

んでもって、本人とどっかで落ちあい、
施設入寮とか、入院とか、場合によっては一人暮らしをしてGAに行けとか、
そんなような提案をするわけです。
でもそんなこと言われて、「はいそうですか・・・」なんて言う依存症者はいません。
だからこそ、どんな交換条件を提示できるかが大切なんですね。

例えば施設に入寮させたい場合の条件はこんな感じですね。

スライド6

日本人て、こういう交換条件みたいなものを、嫌ったりする傾向がありますけど、
そんなね~「自発的神話」にこだわってると、依存症問題なんか解決しないですよ。
そんな甘いもんじゃない!ってことだけはお伝えしておきます。

でもって、インタベンションをした結果どうなるか?
という図がこちら。
全てが、このパターンになる訳じゃないですけど、
大体こんな感じですね。

1)施設入寮、場合によっては入院
2)入寮は拒否するもGAにつながる
3)入寮、入院もせずGAにも繋がらないけど、自立する
4)とりあえず家を出て行ったあと、ネカフェや友人宅、野宿、車上生活などをしたのち底付き→入寮

ってな感じですね。

先日のパターンは、1か月位私がなんだかんだと、
自立に向けて面倒見たけど、結局「やっぱダメだわ」となって、
入寮する・・・なんて場合もあります。

こんな具合に、インタベンションは行っています。
当事者を回復に繋ぐのはもちろんですけど、
ストレスだらけで、鬱状態になっているご家族をまず救う・・・
私は、どちらかと言えばこちらが大切じゃないかと思ってます。
家族が、健康的になると大体において当事者も回復するんですよね。

インタベンションについて大体ご理解頂けましたか?
こんなおばさんが、大の男を無理やり連れ去る・・・なんてできるわけないじゃないですか。
一人で悪戦苦闘しながら、進化させてきた職人技です。
何かご質問があればいくらでもお答えします。
特にパチンコ業界の方が、インタベンションに不信感をお持ちとのことですので、
いつでもお電話ください!

クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑