介入(インタベンション)についてです

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どうも昨今の「ギャンブル依存症対策」の流れを見ているとですよ。
「受診できる医療機関を増やす」「精神保健センターで認知行動療法をやる」
といった流れになっており、そこにばっかりというかそこにだけ予算がつくらしいんですね。

民間にも予算がおりてくると聞いていたんですが、
国と県の折半の予算なので、国がつけると言っても、
県に余裕がなければ、なんもしないらしく、
結局「国はやってます!」と打ち上げ花火をあげたいだけでは?
と、疑っております。

あのですね、そもそも対策を考えている人が、
アルコールを基準にしてると思うんですけど、
ギャンブルはアルコールのように健康障害が起きるわけじゃないんですから、
医療を受診する機会なんか皆無ですよ。

しかも本人「行け!」と言ったって行かないですから、
回復する気がない依存症者たちをどうするか?ってことが、
一番の問題なんですよ。
そこの対策考えないで、自らの意思で受診するという、
ごく少数派の対策ばっかり強化してどうするつもりなのでしょうか?

ヘヴィな案件こそ、国や行政に対応して欲しいのに、
現在の流れって、逆なんですよね。
死ぬか生きるかの瀬戸際、犯罪を犯しそう、
家族が暴力でひどい目にあってる・・・
なんて緊張でびりびりする様な案件に対して、行政は
「本人がその気にならなければ、こちらでは対応できません。」
「本人を連れてきて下さい。」
この一点張り。

だけど、そんな案件こそ、家族だけじゃどうにもできないじゃないですか。
だから悲劇が止まらない訳ですよね。

で、しょうがないから、私がそこに出かけていって、
「ね~ね~、君、君、ちょっと一緒に回復してみるって気はない?」
ってな感じで出かけていくわけですよ。

もちろん、行ったからには成功するように、
それ以前に、徹底的に家族教育をするわけです。
大体において、妻や母といった人だけが必死になっていて、
父親は逃げてるか、余計な手助けばかりしている、
というパターンが多いので、そこにガツンとメスをいれて、
家族のやるべきことをしっかりと方向付けします。

そして、余計な援助がどっかから少しでも漏れてたら、
まずそこをピッチリと閉めていきます。
もしくは、「回復に繋がらないならここを閉めるよ」と伝えにいき
介入に入る訳ですね。

あのですね、なんだかしらないけど、このインタベンションを、
屈強な男が取り押さえて無理やり施設に連れて行く!
ってなデマを流してる人がいるらしいんですけど、
(どうやらパチンコ業界でも私への批判として流している人がいるらしい・・・)
そりゃ、そういう業者は確かにありますよ。

でもそれは民間救急という名のもとでやってる、
移送サービス会社などが、すんごい高いお金でやってることで、
インタベンションというテクニックなんかじゃありません。
第一そんな風に連れて行ったって、依存症の回復施設で、
閉じ込めておく施設なんかないじゃないですか。

屈強な男たちなんかじゃなくて、
デブなおばさんが一人で出かけてますけど、なにか?
って感じですね。

ホント、聞きたいんですけどね、
刃渡り20センチも30センチもあるですよ、
牛刀包丁を突きつけられる家族の気持ちって、
批判してる人達は分かってるんですか?

例え自分たちが逃げたとしたって、
いつ、よそ様を傷つけるんじゃないか?っておびえてるご家族の気持ち、
あ~だ、こ~だと能書きたれてる人に救えるのか!?ってことですよ。
やれるなら是非やって下さいよ!

あたしゃ、そこに一人で切りこんでいってるんですよ。
誰もやんないから、しょうがないから行ってるわけですよ。

もちろん私だって、行く前はすっげ~恐いし、
「あぁ、明日やだなぁ~。暴れるかなぁ?騒ぎになるかなぁ?」
と思って行くわけですよ。
大体いつも睡眠不足ですけど、
インタベンションの前の日なんか寝られやしないです。
眠りがただでさえ浅いのに、すぐ目が覚めちゃう。
そんな感じですよね。

でもって、まぁ最初は怒鳴ってきたり、すごんできたり、
大声あげてきて、そりゃあまぁ大興奮ですよ。
それをなんとか話しを聞くまで落ち着かせて、
話しをつけて、施設なり、病院なりに入寮させるわけです。

で、しかもですよ、その人をまた、
自分の車に乗っけて、現地まで一人で送って行ってるんですよ。
ご家族がいると、反応して興奮するので、
大体、マンツーマンでゆっくり話しながら、現地まで行きます。
ある意味すっげ~リスクじゃないですかぁ。

っとまぁ、こんなことやってる訳ですよ。
でも、これやってくれる人が殆どいないから、
依存症で、みんな困っているわけですよ。
家族はこう着状態で動けなくなってるんです。

それを「本人が来るならみてあげますよ!」ってスタンスのところには、
ガンガン予算がついて、こんな命がけのことやってる私たちや、
家族に対する支援が全然ないって変じゃないですか?

せめて人材育成くらいしてくれないと、
私だって、いつまでも若くはないですよ。
いつかこれできなくなったら、困ってるご家族はどうするんですか?

国が予算をつけるには資格要件がどうのこうのとかすぐ言いだしますけど、
だったらインタベンションの資格要件を
国かもしくは国が指定した専門医などで作って下さい。
大体、こんな要件が必要ってことは私も分かりますから、
次世代に残せるなら、喜んで協力させて頂きますよ!

インタベンショニストのポイントは、
引き出しの多さと、暖かいディペード力にあるんですよね。
まぁ、その辺は今度また書きますけど。

あのですね、医療や精神保健センターってのは、
いうなれば現代のIT産業ですよね。
だからどんどん広めることができる。

でもですよ、日本の全ての産業がそうであるように、
職人の技がなきゃ、その進歩もない訳じゃないですか。
池井戸潤さんの「下町ロケット」読んだら分かりますよね。
どんなに最先端の技術でも、寸分の狂いなく計算通りに、
部品を作れる技術者がいなくちゃ出来ない訳です。

そのテクニックを伝承していくのが我々職人である、
現場のリカバードカウンセラーとか、
長年家族会や自助グループで培われてきた知恵なわけですよね。
フォローできる人がいなくちゃ、進化もないし広まれないです。

ギャンブル依存症対策を考えるなら、
その辺についても、きちんと取り組んで欲しいです。
もっとですね医療や精神保健センターは、
連携も大切にして欲しいです。
宜しくお願い致します!

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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