ご存知ですか?「ラットパーク」です

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昨日、「ダメ絶対の終焉」というブログを書いたら、
「ダメ絶対教育」終焉の時です
松本先生がFBシェアして下さり、先生のご講演のパワポが貼り付けてあったので、
ちょっと拝借してというか、私も撮影したのでここに貼り付けますね。

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このように松本先生は、「ダメ絶対」は当事者・家族を孤立させるとおっしゃっています。
そりゃそうですよね、「こいつダメな奴」とレッテル貼られて、
孤独にならない人なんています?
恥ずかしいし、惨めだし、もう誰にも会いたくない・・・って思っちゃいますよね。

じゃあ、こういうレッテル貼りじゃなく、何が必要なの?
ってことになるじゃないですか、そこで紹介されたのがラットパークのお話しです。

一般の皆さんは、「ラットパーク」と聞いてもピンと来ないかもしれませんが、
我々は「あぁ、あれね!」とすぐに分かる、超有名な実験のお話しなんです。
この度、そのお話しがマンガになったご本を、
松本俊彦先生と、小原圭司先生が監訳されて出版されたんですね。

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で、これどういう実験か?というと、ものすごく簡単に言えば
普通の水とモルヒネ入りの水を用意しておいて、
ねずみを個別に檻に入れて孤独にしていると、やがてモルヒネ入りの水を飲むようになるんだけど
お友達や恋人が沢山いて、遊ぶものもあるような「ラットパーク」にいるネズミは、
普通の水しか飲まなかった!っていうものなんですね。

その上、個別の檻に入れられてモルヒネ水を飲んでいた、孤独のネズミも、
「ラットパーク」に入れられると、やがて普通の水を飲むようになった!
っていう、すんごい深い実験なんです。

つまり薬物にハマる人っていうのもこれと同じで、
孤独で孤立している人っていうのは、薬物を使うリスクが高いって言われているんです。

だから依存症はなんでもそうですけど、孤独の病って言われるんですけど、
つまり予防するなら孤立させちゃダメだし、
なんらかの生きずらさを抱えて、孤独になっている人に、
どうアプローチするか?ってことが大事なんですよね。
詳しくは、「本当の依存症の話しをしよう」(星和書店)をお読みになって下さいね。

でも、ここで不思議に思う人もいるかもしれませんよね。
「いや、自分は一生懸命、依存症者に関わろうとした。」
「依存症者の居場所をつくろうとしたし、相談相手になろうとしたよ!」ってね。
もしくは「孤独だと思わなかった。」「孤立しているように思えなかった。」
と思う人もいるかもしれません。

でも依存症者は自己肯定感や自尊心が低く、自分に自信が持てないどころか、
存在自体を消してしまいたいと思っているんですね。
それぞれに様々な背景があると思うんですけど、そういう風に思ってる人にですよ、
誰かが近づいてきたとしても、常にびくびくしていて親密な関係なんて築けないじゃないですか。
優しいことを言って近づいてこられても、信用なんかできないんですよね。

その上「ダメ絶対」なんて説教言ってたりしたら、
もう「あぁ、早くいなくなりたい・・・」と追い打ちをかけちゃいますよね。

だからこそ同じ経験をした仲間、
自分と対等の立場で話してくれる、仲間の存在が大きいんですよね。
家族や友人には心開けなくても、自分と同じ経験をした人とは、
打ちとけることができたりするんですよね。

でも、中学の時にそうそう同じ経験をしている、同じ想いを抱えている、
リスクの高い仲間になんか出会えない訳ですし、
もし出会えても、両方で薬物使っちゃったり、お酒飲んじゃったりするわけですよ。
それに、まわりの友達が、異変に気がついたとしても助けられないじゃないですか。

だから予防教育では何を伝えるべきなのか?ってことを考えないといけないんですよね。
そしてリスクの高い子供にどうアプローチするのか?そこが重要なんですね。
どう考えてもそれは「ダメ絶対」ではないですよね。

自信や自尊心は一朝一夕では取り戻せないです。
ましてや自分一人の力ではまず無理です。
もし、周りにリスクの高い子供達がいたらどうしたらいいのか?

それはつまり自尊心を取り戻せて、自信をつけられるようになる!
っていうゴールを目指すといいと思うんですよね。
そのためには信頼関係を少しずつ築いていく。
いきなり深掘りしようとしないで、ゆっくりと話しを聞いていくことが
大事じゃないかなぁ~と思います。

私自身、とにかく死にたくて仕方なかったあの中学時代。
どんな大人に出会いたかったかな・・・と考えてみると、
丸ごとの自分を受け入れて、そのままで充分素敵だよと、
ありのままを愛してくれる人ですね。
とにかく周りには私を、否定し怒ってくる大人しかいなかったですからね。

あのころ「充分やってるじゃない!」とか、「それは辛いよね~」と、
受け止めてくれる大人がいたら、すごく救われただろうなと思います。

あわてて教え諭そうとしないで、見え透いた嘘を言わないで、
ましてや説教しないで、話しを聞いてくれる、
そんな信頼できる大人に、自分もなりたいです。

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