今日は、アマチュア野球を取りまとめる、「日本野球連盟」の役員会の皆様に、
ギャンブル依存症及び、ギャンブルを取り巻く社会問題について、
講演させて頂くことができました。

日本野球連盟さんのHPはこちらです。
日本野球連盟

本当にありがたいことに、野球チームを率いる企業のお歴々の皆様が、
大層熱心に聞いて下さり、あっという間に問題の本質を理解され、
後半の質疑応答の時間でも、
「これは小学校、中学校からきちんと教育すべきだね」
とおっしゃって下さり「そうなんです！」と思わず大きくうなずいてしまいました。

やっぱり見極める力が凄いですよね。
一流企業の社長さんですもんね。常にリスクマネージメントには、
細心の注意を払われておられるわけですもんね。

鈍い人だと「依存症」と聞いただけで否認が入っちゃうんですよね。
色んな企業の経営者にお会いしますけど、
依存症者のこと知らない人に限って、
「そこまで言ってないだろう」とか「本人の認識が甘いだけ」
なんて感じになっちゃうんですよね。

あのですね、一流選手がこんなヤバい橋を渡ってですよ、
野球賭博にまで手を出すようになったら、
そりゃあもうギャンブル依存症の疑いが濃厚ですよね。

身内同士で予想して賭けているのならまだしも理解できますが、
外部に賭けてるんですからね。
当然そんなこと新人の間に教育されてもいるでしょうし、
しかもバカじゃないんですから、
過去の例から言ってもヤバいことなんか当然認識してるんですよね。

そう、どんなギャンブラーも認識なんか皆ちゃんとしてるんですよ。
理屈では全て分かってるんです。

その辺がどうしても依存症の素人さんには分からなくって、
「理解できてないんだろう」「認識が甘い！」ってな、
道徳概念で片ずけたくなっちゃうんですよね。

だってこの私にも
「胴元が勝つって僕は分かってたんで・・・」
的に意気揚々と説明して下さる、インタビュアーとか記者さんがいたりして、
ほほえましいなぁ～と、内心うんざりしながら思うんですけど、
そんなの私だって当たり前に知ってましたよね、ハマってる時も。
ってかそれ知らない人いないですからね～、おそらく(笑)

で、今は野球賭博問題から「声だし」問題に社会の関心は移ってるみたいですけど、
これが賭博かどうかの議論は法律の専門家に任せるとして、
このことに対する意見って
「この位別にいいんじゃない？」っていう人と、
「スポーツの士気をあげるためにお金って・・・なんかイヤ！」
という二つの国民感情があるんじゃないかな～って思います。

私自身は、これが「許せない！大問題だ！」ってな気持ちは全然なく、
「まぁ、これ位良いんじゃないの？
と思う野球界のお気持ちは十分理解できますけど、
選手を守るならやめておいた方が無難です。」
という気持ちです。

大体ですね～愚痴になりますけど
「声だしは賭博だ！」と声高に叫んで、
「パチンコは遊技」って、どう考えても変ですからね。
だったら「パチンコ不正くぎ台は違法賭博か？」
ってことこそ議論して欲しいと思っちゃいます。

で、なんで「声だし」が問題かと言えば、
普通の人が思う「その位いいんじゃない？」ってなことなんですけど、
でもそれ毎回やる訳じゃないですか。
そうすると当然にしてギャンブル依存症の体質を持ってる人は、
「その位」なことでも過剰にドーパミンが反応しちゃうようになるので、
それを習慣化するのはやめておいた方がよいですよね。

なんせギャンブラーは、なんだって賭けごとにしちゃう訳で、
だからこそFXや株なんかにもハマっちゃうし、
宝くじにもはまるわけですよ。
そして最初は大したことないことからでも、
取り返しのつかない所にまで進んじゃう訳ですから、
選手の安全に万難を排して望むのであれば、
賭け事的要素を球団に持ちこむ、
雰囲気作りはやめといた方が無難です。

勝負事が職業な訳ですから、
当然賭けごとは皆さんお好きでしょうから、
必要以上な風習は極力排除した方がよいですよね。

と、こんなことも今日の講演ではお話しさせて頂いたんですけど、
本当に皆さん大層納得して下さり、
私としてもとてもやりがいのあった講演となりました。

一野球ファンとしても、才能ある選手に、
こんなことでドロップアウトして欲しくないですから。

そうそう！もう一つ嬉しいことが。
ジャーナリストの江川紹子さんが、
なんと私のコメントを引用して記事を書いて下さっていました。
江川紹子の「事件ウオッチ」第49回
昨日のチキさんでも、津田大介さんの時も思いましたけど、
ジャーナリストの中にも、依存症のことよく勉強されてる方、
いらっしゃるんですよね。
本当に有難いです！
江川紹子さんにもお会いしたいなぁ。

クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者536万人（2014年厚労省）のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を！
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研)　ギャンブル依存症(角川新書)