ギャンブル事件簿~警察官編~です
昨日の、ブログでギャンブル事件簿愛知県編を書きました。
本日は、警察官編です。
ギャンブル問題が動機にある事件簿を作っていると、
特に多く目に着く職業があり、そのひとつが警察官です。
もちろんこれは警察官だから報道される、
という側面があることは否めません。
しかしながら警察官という日本の治安の要となる職業で、
ギャンブルが原因で度々事件が起きているということが分かっていながら、
なんの対策も教育も行われていないというのは、いかがなものでしょうか?
あまりに呑気であり、無策であり、
なによりも無責任だと言えるのではないでしょうか?
この1年の間に警察官が起こした事件は、
私たちが把握しているだけでも、これだけあります。
・落し物の現金搾取巡査逮捕 (北海道 札幌中央署 2015/10/17)
・窃盗及び車上荒らし事件 (栃木県 鹿沼署 2015/10/27)
・遺失物30万円着服事件 (石川県 輪島署 2015/11/21)
・官舎共益費着服事件 (岐阜県 各務原署 2016/1/15)
・独身寮費横領事件 (埼玉県 上尾署 2016/1/23)
・落し物現金着服事件 (兵庫県 東灘署 2016/8/5)
・強盗未遂事件 (青森県 八戸署 2016/8/18)
申し上げておきますが、私たちが報道で目にした事件だけです。
もちろん把握しきれなかった報道もあると思いますし、
そもそも報道されなかった事件もあるのかもしれません。
さらに良く考えて頂きたいのは、
まだバレていない事件、現在進行中の事件も、
当然あるであろう・・・ということです。
そこで、今日は元警察関係者であり、現在は回復している仲間に、
警察関係者のギャンブル事件の再発予防には何が必要か、
インタビューさせて貰い、その結果見えてきた問題点を、
書きたいと思います。
差し障りがありますので、インタビューさせて貰った、
細かい仲間のプロフィールは省きますが、
ある地方の県警にお勤めだった、
警察関係者で現在は退職されています。
まず警察官が、パチンコにはまっていくきっかけの一つとして、
勤務形態があります。
当直や非番、週休があり、平日の昼過ぎに勤務が終わったりします。
ヒマつぶしにパチンコぐらいしかない・・・という現実があるそうです。
というのも、休みといっても、遠出がなかなかできないそうで、
警察官というのは、何かあったらすぐに駆けつけられる体制を取っておかないと、
ダメなのだそうです。
遠出はできるが、申請などなかなか面倒くさい。
そんな不自由さの中、職場の近くで、手軽に息抜きできる
パチンコが手っ取り早いわけですよね。
事実、彼の周りにも、パチンコをはじめとする、
ギャンブル好きの職員は多かったそうです。
そしてですね、日頃事件を扱う訳ですから、
当然依存症などの教育は受けているのですが、
職業柄どうしても、
「自分は違う」「自分はならない」と上から目線で見てしまい、
否認に繋がってしまうのだそうです。
この「自分は違う」という上から目線否認は、
誰にでもあるわけですが、
確かに、容疑者と警察官という立場にあると、
むしろ上から目線に立つのが仕事な訳ですから、
「こいつらとは違う!」的な感情は強いのかもしれません。
また、職業柄「弱いところを見せたくない。」
という気持ちも強いそうです。
実に良く分かりますよね。
日本はそもそも「弱さ=悪」という教育方針が、
いまだ色濃く残る国ですし、
その上、警察官や自衛隊、消防署員等という職業の方は、
ことさら強さを求められ
「弱くてもいいんだよ」などと言うようになってしまったら、
逆に命を落としかねませんもんね。
しかもこの強さの上に「正しさ」も求められる職業ですから、
内部監査などが厳しいわけです。
これは以前別の仲間に聞いた話ですが、
ギャンブルによる借金が800万円になった時点で、
肩を叩かれ、依願退職を勧められたという話です。
これなんかひどい話ですよね。
警察の不祥事になりそうな芽はさっさと摘んでしまえ!
あとは社会で何が起きようと知ったこっちゃない!
という大企業の傲慢さが、そのまんま現れています。
となると、「死んでも正直になんか話すもんか!」
となってしまい、自分の問題なんか誰にも打ち明けられませんよね。
昨日のインタビューでも、
「警察内部にも匿名で相談できる機関はあるが、
どこでどうバレるか分からないと思ったら、
そういう所に、自分のギャンブル問題など相談できない。」
とのことでした。
ですから二人で話した結果やはり、
警察官にも、自助グループなど安全に助けを求められる場所が、
組織外の社会にあることを認知してもらうしかないのでは?
と、いう結論に至りました。
警察関係者の方、是非ギャンブル依存症の予防教育を、
組織の中に取り入れて下さい。
まずそれだけでも助かる人はいるはずです。
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