孤独と暇は大敵です

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最近、以前関わっていた施設の卒業生の一人が、
スリップしてしまったとSOSがあり、
立て直しの支援をしています。

時間の都合が合えば、ちょこちょこ会って、
ご飯を食べたりしながら、色んな話をしています。
依存症者にとって「孤独」と「暇」は大敵ですからね。
実は、今日も山梨出張の帰りに呼びだして、
夕飯を共にしてきた所です。

「施設に入っている時だけ止まってます」
ってな状態では意味がないですからね。
そして依存症者にとって、スリップ(=再発)はつきもの。
その時に、どんな風にSOSを出し、
どんな風にリカバリーしていくかが大切ですよね。

スリップはなるべく早めにくいとめ、
「やめられないとまらない」の状態で落ちて行ってしまわないよう、
どれだけ早く、誰かに正直に打ち明けられるかにかかっていると思うんですね。

特にギャンブルはお金があっという間になくなりますから、
手持ちのお金がなくなった時が、止めやれるチャンスな訳です。
そうすると、大抵一度は皆、親御さんに電話をかけ、
お金を無心してきます。

でもその時、死ぬとかなんとか脅されてもぐっと我慢して、
「お金は渡せない。困ったならりこさんに電話しなさい」
と伝え続けて下さい。

すぐには連絡してこなくても、どうにもならなくなれば、
私に連絡をくれる可能性は大です。
今、支援にかかっている人は、このパターンで連絡をくれました。

現在は、本人とどうやって経済を立て直すか計画をたてつつ、
さらに正直に話しをすることで、ギャンブルを止めることができました。
自助グループに行くことももちろん提案していきます。

あとですね、以前関わっていた施設の仲間に、
連絡を入れて貰って、途切れていた繋がりを復活させたりもします。
仲間にスリップを話すって、勇気がいるけど効き目があるし、
そういった交流はお互いの支えにもなります。

こうして極力「孤独」と「暇」という要因をつぶし、
なんとかスリップから持ち治せるようにサポートしています。

もちろんこれご家族にもやって頂かなくちゃならないことで、
本人がスリップして「死ぬ」なんてほのめかすと、
頭がグルグルしていてもたってもいられなくなるご家族がいて、
折角、私が繋がりを強固にしていこうとしているのに、
横からあれこれ口を挟まて、うまくいかないパターンがあります。

家族も当事者がスリップしてしまうと、
ミーティングから足が遠のいてしまう人もいますが、
そんなことで暇ができるとロクなことはないです。
孤独にもなっていきますので。
本人のことはわきに置いて、
とにかく自分のミーティングに参加しましょう。

以前、薬物依存症治療にご尽力された小沼先生に、
「リラプス(=再発)とリユースは違うんだよね~」
と教えて頂いたことがあり、
「なるほど~」と激しく納得しました。
リユースで喰いとめる!これが大事ですよね。

私、アフタフォローもできる限りのことは致しまっせ!
ですから、あたふたせずに信じて手放して欲しいです。
分かっているようでも、とっさになると巻き込まれて行くんですよね。

でも、全てはとっさにやってきます。
「今から1週間後にスリップするからね」
などと予定を告げられることはありません。

ですから、とっさの時の対応を、
ご家族は頭に叩き込んでおいて下さいね。

何かあると、急にビギナーさんのように、
対応が戻っちゃうご家族がいるので、
今日はちょっと心配で確認してみました。
宜しくお願い致します。

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