対話の大切さです

公開日: 

本日は、板橋区の中妻穣太先生のお招きで、ギャンブル依存症について、
講演させて頂きました。

政治家の先生の主催されるタウンミーティングって面白いんですよね。
何度か講演させて頂いたことがあるんですけど、
そもそもメンタルヘルスにそれほど興味ない方とか、
「依存症なんて甘えだ!」的な一般の方がお見えになるので、
質疑応答などで、普段のセミナーなどではあまり出てこない質問なんかが、
毎回飛び出すんですよね~。
今日もそんな感じで、大変興味深く、ワクワクしておりました。

そしてですね、本当にまだまだ理解って得られてないなぁと思いますね。
あのですね私が思うに、お医者様や支援者が話す依存症と、
当事者が話す依存症には、ズレがあります。

あと、ギャンブル産業側は、基本自分たちの産業を守ることを考えているわけですから、
そこを説得するのなんか一筋縄じゃいかないです。

一般の方は、理解しようとする人と、
ハナッから聞くつもりのない人では、
ポテンシャルが全く違います。

でもってギャンブル依存症問題。
現在、最も社会から対応が取り残され、遅れている依存症と言えば、
もうギャンブル依存症が最悪ですね。
行政に調査してみても、ギャンブルなんてやる気ありません・・・
って都道府県は多々あります。

でもそれってなんでか?
答えは一つ。あまりに当事者の発信が少ないからです。
当事者で、必死に発信をしている人って、果たしてこの日本にどれだけいるんでしょうか?
殆ど思い浮かばない・・・ホンの数人って感じですよね。

アルコールはなんと言っても断酒会さんがあります。
皆さん、実名でガンガン活動し、地域の資源となっています。
政治家の先生や行政とのパイプも太く、組織力がもう全然違います。
だからこそ理解者、支援者の数も全く違いますよね。

そして薬物にはダルクさんがあります。
全国80カ所もの回復施設を持ち、こちらも地域の資源となり、
もちろん皆さん実名で活動し、
政治、行政、司法他、一般社会の方々にもダルクと言えば通じます。
私もこの活動していて、何度色んな方々に
「それって、ダルクみたいな所?」
「ギャンブルにもダルクみたいなところがあるんだ!?」と言われました。

皆さん、ホントご自身のお仕事の他に、
忙しい合間を縫って、政治家の先生に陳情したり、協力したり、
行政に説明したり、かけあったり、それこそいくつもの打ち合わせや、
ネットワークに参加して、色々なものを勝ちとってこられたわけです。

それに対してギャンブル・・・
殆どなんもない・・・とほほです。
まず、声をあげ実名で活動している組織が殆どない。
アノニマスグループだけじゃ無理です。
社会を変えていくことなどできません。
そんな魔法のようなことが起きるわけないんです。

自分たちで汗をかき、理解して貰えるよう足を運び、
頭を使っていかに分かり易く説明できるか考え、
頭をさげてさげてさげまくってやっと道なんて開けてくるもんなんですよね。
何故、ギャンブルには、後世の人達のために、
道を切り開いていこう!という人がなかなか出てこないのかなぁと、
いつも考えているのですが、なんでなんでしょうかねぇ・・・
みんな、やりましょうよ!

この活動をやっていると、いかに思いこみで、皆勝手に恐れ、
相手を攻撃しているか、良く分かります。
でもホンの少しの対話があれば、全然変わるのにと思うことばっかりなんですよね。

だから地域で語れる人、発信ができる人、
実名、顔出しでマスコミの取材に応えられる人、
ロビー活動ができる人、ギャンブル産業とネゴれる人、
などなど沢山の人材が必要です。

だからまず、身内側からの対話が一番必要だ!と
今日は思いを新たにしました。
ギャンブル依存症者の当事者とご家族の皆様。
力を貸して下さい。
宜しくお願い致します。

クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑