Session-22でギャンブル依存症対策の問題点を考えたんです

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今日は、荻上チキさんのラジオ番組「Session-22」に出演させて頂き、
警察庁が発表した出玉規制の件と、
秋の臨時国会で話し合われる「ギャンブル依存症対策法案」について、
お話しさせて頂きました。

いつも通りチキさんの、小気味良いテンポでどんどん話を振って下さるので、
私のこの小さな頭もフル回転。
この緊張感が私にいつも目覚めを与えてくれるんですよね。

本日一緒に出演した蒲生先生が驚いていらっしゃいましたが、
チキさんの番組って殆ど打ち合わせしないんですよね。
でもって、ほぼほぼぶっつけ本番で、チキさんがあれだけの内容を咀嚼し、
どんどん的確な質問を振って下さるんで、私自身話しながら、
「あ~なるほどな~」って整理されていくんですよね。

現在、音声配信されておりますので、
是非こちらからご視聴下さい。
【音声配信】「パチンコの出玉規制、依存症対策法案…ギャンブル依存症対策、その効果は?」田中紀子×蒲生裕司×荻上チキ▼7月12日(水)放送分「(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)

そして今日番組でつくづく考えたのは、
何故、ギャンブル依存症対策はなかなか上手く行かないのだろう・・・
ということですが、それはやっぱり
「話し合いがないから」という一言に尽きると思いました。

ギャンブル産業はもちろんのこと、そもそもそれらの所轄官庁が、
ギャンブル依存症対策などやる気が全くない。
そして政府はIR実施法をスムーズに通すためにも、
早いとこ対策法案のアリバイ作りをしたい、だから意見など聞いている暇がない・・・
現実ってこんな感じだと思うんですね。

でも、だからといって、のらくらしててもまずいし、
なんかやらなくっちゃなぁ~ってことで、
パチンコがスケープゴート的に血祭りにあげられた。
そりゃ日本のギャンブル依存症といえば、ぱちんこが8割を占めるわけですから、
確かにそうなるのは方向性としては間違っちゃいない。

だけどね~、競馬、競艇、競輪、オート依存だっていない訳じゃないですよ。
特に、競馬、競艇は相談も結構あります。
それなのにこのおとぼけぶり、パチンコへ全てをおっかぶせた、
その手腕はおみごととしか言いようがないですね。

絶対、このままじゃおかんぞ!と私なんぞ思ってます(笑)
特に、競艇関係者の様々な発言が耳に入ってきて
「人類みな兄弟じゃないわけ?」とムカついてますが、
まっその話は、今のパチンコ出玉規制が終わってからにします。

とはいえ私も、まずはパチンコ依存症対策を!と思ってましたし、
今も思っています。
パチンコがやれば、実際依存症対策は大きく進みます。

だけど、ず~~~~~~~~っと言ってますが、
警察庁、パチンコ業界、そして私たち依存症当事者家族、
それらすべてが良い方向に向くためには、
話し合いしかないと思うんですよね。
それは今回の件で、皆さんも実感されたんじゃないでしょうか?

警察庁さんが何故私たちの話を聞いてくれないのか?
その意図は良く分かんないです。
もうね~、警察で不祥事起こして、皆さんがぽいっと放りだした、
かつてのお仲間を、私たちは必死で助けて回ってるんですよ。
少しは敬意を払ってくれてもよいのでは?と思っちゃいます。
元桜田門がどれだけいると思ってるんですか~。

一番不思議なのは、依存症支援団体は全国津々浦々で細々と頑張っているのに、
何故リカバリーサポートさんだけに、パチンコ業界から予算をつけさせ、支援させようと指導するのか?
そこに何があるのか?私にはさっぱりわかんないです。
まるで加計ありきみたいですけど、ワンストップ型では、
依存症支援なんか日本全国に行き届くわけないです。

そしてパチンコ業界さんだって、話し合いをしないのは何故なのか?
多分、私がムカつくからだと思いますけど(笑)
良い結果に全然なってないです。

そしてこの出玉規制も、パチンコ業界には、
様々な痛手があるそうですけど、
その割に私たちにはメリットもない。
そもそも聞こえてきたところによると、
これまで何度も出玉規制というのは行われてきたそうで、
それでも全然パチンコ依存は減ってない訳です。

みなさんいいんですか?
カジノのスケープゴートにされて、
こうして痛みばかり伴っているご様子なのに、
依存症対策は一向に進まない。
だからまたへんてこりんな対策を押しつけられる。

そして、公営ギャンブルはほうっかむりで逃げ切りですよ。
公営ギャンブルにも応分の負担をして貰った方が良くないですか?
それに、パチンコだけ対策したって、射倖心下げたって、
今や公営ギャンブルの4割はネット投票の時代ですよ。
お手軽さがどんどん増しているわけで、
パチンコにとって代わる日も近いと思っています。
なんせ今や朝から夜11時過ぎまで、ほぼ毎日投票できる公営ギャンブルですからね。

そして一番バカ見てるのは我々です。
依存症対策ということなのに、意見がきかれるわけでもなく、
ギャンブル依存症対策に予算をつけたとか、
対策が進んだ!と言われる。
今年民間団体についた予算なんてたったの5万円ですよ!

でも相変わらず、現場は資金難であえぎ、
ボランティアでの活動を余儀なくされ、
それどころか朝から晩まで365日休みなく持ちだしで働いてるんですから。

で、このままだとすべての恩恵がカジノに行っちゃうわけですよ。
それでいいのか!?って思いません?
まあパチンコ関連の一部業者さんは、カジノにも参入するようで、
そちらで儲けるからいいんでしょうけど・・・
あたしゃ悔しくてならないです。

いいですか、パチンコ業界のみなさん。
将棋の駒は、かつての敵がひっくり返って味方になるから強くなるんです。
依存症対策と言われたことを全部私への憎しみとしてぶつけてないで、
もういい加減話しあいませんか?

それで良い対策を作って、世間にも認めて貰い、
そして実際依存症問題を減らし、
他のギャンブルも巻き込むべきです。
実績ができたら、他だってやらざるを得なくなります。
そしたら負担は軽減されるし、よいことずくめじゃないですか~。

「田中紀子土下座して謝れ!」っていうなら、
そうしますよあたしゃ。
何に謝るのか良く分かんないですけど、とにかく憎まれてるようですから。

でもこのまま美味しい所をカジノに全部持っていかれるのも、
公営ギャンブルに逃げ切られるのも全部嫌です。
そして、ギャンブル依存症対策が大したことなく、
医療化だけが進むのが、最も嫌です。
仲間が全然助からないです。

どんなにみっともないと思われようと笑われようと、
この私、大義の前には全然平気。
話しあってくれるまで、話しあってと言い続ける所存です!

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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