アノニマスを超えていこう!です

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「依存症の誤解と偏見の払しょく」これは大きな社会の課題と思いますが、
その責任を担うのは、政治家、有識者、ギャンブル産業など多々あるとしても、
やはり一番は我々当事者と家族だ!と思っています。

そこで大きな壁となるのが「アノニマスグループの伝統」です。
この「伝統」は私たちが回復していく、安全な場所を確保するには、
絶対に必要なものであることは間違いないです。

この「伝統」によって、アノニマス系の自助グループ、

アルコール(当事者)AA/(家族)アラノン
薬物(当事者)NA/(家族)ナラノン
ギャンブル(当事者)GA/(家族)ギャマノン

らは、顔出し、実名での活動できないし、
行政を始めとする外部の団体に意見を表明することも、
助成金などで活動資金を得ることもできません。
いや、できないというか、
自分たちの存続のためにやらないことになっています。

でも、この伝統に慣れ過ぎてしまっているために、
我々当事者・家族の間では、
「社会に対し何もしなくてよい。」
と、勘違いしている人達も多くいます。

いや、そんなことは全く書いてありません。

初期のAAの文献をよ~く読むと、
「自分たちで宣伝するのではなく、友人たちに広報はお願いしよう!」
と書いてあるのです。
そしてこの友人というのが、
行政であったり、政治家の先生であったり、マスコミの皆さん他、
様々に関わって下さる方達なわけです。
だから少なくともこの「友人作り」には尽力しなくてはなりません。

「こういうグループがあります。困っている人がいたら繋いで下さい。」
「こういうグループがあります。是非広報して下さい。」
と関係各所にお願いしたり、連携を創る努力が必要な訳です。

第一そもそも
「自分たちは何にもしないけど、必要ならそっちから来いよ!」
なんて超傲慢じゃないですか!そんなプログラムがあるわけない!
新しい人達が繋がってくる努力をしなかったら、
自分たちが滅びるわけですよね。

ところが、長く繋がっている人達でも、
この努力を全くしてない人達も多いのが日本の自助グループの現実です。
伝統が誤解されているんですよね。
私はこの「動かざる事山の如し」みたいな現状では、
日本の自助グループは近々滅びると思います。

だってすでに医療での囲い込みや、
精神保健センターでも独自にプログラムをやって、
自助グループとの連携は特にとっていません!
という試みがどんどん始まっているんです。
危機はすでに静かに進行しているんです。

さらにもう一つAAの書籍に書かれている「二つの帽子のかぶり分け」も、
特にギャンブルにおいては全く理解もされていないし、
殆どの人がやろうともしていないのが現実です。
これが現在のギャンブル自助グループの低迷を招いていると思います。

アルコールでは、マックさん。
薬物ではダルクさん。
また、アスクさんや薬家連さんといった、
家族の支援団体も、アルコール・薬物では30年も前からあった。

それにくらべてギャンブルはそういった、
回復者がサポーターにまわる力が、
当事者・家族共に著しく弱い・・・
それがギャンブルの現実だったと思います。

その一つの原因として、他のアディクションに比べて、
借金額がとてつもなく大きく、
給料の安い回復支援の仕事では追いつかない・・・
ということもあったと思います。

でもやっぱり、アルコールや薬物には、
ミニーさんや、ロイさんといった、
奉仕の心を伝えてくれた先駆者がいた!
という違いも大きいと思います。

昨年、衝撃を持って伝えられた、
映画「アノニマス・ピープル」
アノニマス・ピープル
まだご覧になっていない方は、是非ご覧いただきたいのですが、
アメリカでもやはり「二つの帽子のかぶりわけ」
つまり

・アノニマスグループのメンバーとして匿名で回復していく努力
・回復支援の団体メンバーとして、支援の輪を広げていく

という両方の活動をやっていこう!
という気運が2000年ごろに高まったようです。

日本の現在は
「アルコール健康障害対策基本法」
「刑の一部執行猶予」
「ギャンブル等依存症対策基本法」「IR法案」
と、依存症対策推進の黎明期です。
これまでには考えられないほどの、注目が集まり、
山が動き始めているのです。

仲間の皆さん!
今やらなくていつやるのですか?

私たちは、人任せでもなく、そして過去や未来に生きるのでもなく、
「たった今他の誰かを全力で助ける」というプログラムに生きているはずです。

今一度、このプログラムに立ちかえって、
今こそ、声をあげ、回復のメッセージを伝えませんか?

このアノニマスピープルのHPには、
松本俊彦先生やアスクの今成さんらが、
推薦文を寄せています。
是非是非この推薦文もお読み頂きたいです。

一番やらなくてはならないことは、
私たち当事者と家族が、メッセージを伝えること。
そのための最大限の努力を、自分たちはしているのか?
今それを問うべきだと思っています。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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