「老後破産」です

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今週は移動が多く、体は疲れますけど、
その分本はめちゃくちゃ読めるという、
まさに怪我の功名みたいな時間を過ごしています。

で、今、NHKスペシャルで特集された、
「老後破産」という本を読んでいて、
これって依存症支援に似てるなぁ~と気づかされました。

何が似てるって、支援を拒否して自分で頑張ろうとするところですね。
あのですね、私も自分が年金をいくらもらえるかなんて気にしたことないですけど、
世の中にはそういう人が沢山いるみたいなんですよ。

でもって、老後のことなんか気にしちゃいない人たちも、
体が丈夫なうちは、年金が少なくともなんとかなるらしいんですね。

でも、一気に困窮するのって、
1、連れ合いがなくなって年金が半分になる
2、身体を壊して働けなくなり、年金だけになる
3、医療費が重くのしかかる
っていう状態らしいんですね。

で、世の中年金だけだと、ひどい人だと25000円しかもらってない!
なんて人もいて、普通に国民健康保険でも65000位しか
貰えないらしいんです。
だったら生活保護をもらったらいいじゃん!って思うんですけど、
世間体を気にして生活保護をもらわなかったり、
資産価値がなくても持ち家のために貰えなかったり、
持ち家でも貰えることもあるのにその制度を知らなかったり、
年金貰ってると保護はもらえないと思っていたり、
わずかな貯金を死守してたりするために貰えなかったりするんだそうです。

で、体壊すと、医療費負担も例え1割でも重くのしかかってくるらしく、
生活保護になれば医療費もただになるので、ずっと楽になるのに、
保護をもらわないで、自分で頑張っているそうなんですね。

「もし貯金を全部使っちゃって保護が貰えなかったら死ぬしかない」
って恐れてて、今、めちゃくちゃ困窮してる・・・
そんな老人が沢山いると書いてあってビックリ仰天しました。

しかも私なんて、この人たちと全く同じですからね。
厚生年金の期間がものすごくわずかしかありません。
多分5年間くらいでしょうか?
弁護士事務所にいたときとか、稼いでいたけど個人事務所で、
厚生年金じゃなかったんですよね~。
デパート時代の厚生年金基金とか不景気になったら解散しちゃったし、
今なんか収入ないから夫の扶養に入ってる始末。
稼ぎはほとんど全部活動にぶっこんでますから。
だから多分私、将来年金なんて、10万も貰えないと思いますね~。

で、この本を読んで「なるほどなぁ~」と、
制度の抜けや漏れ、そして老人のメンタリティなんかはよくわかりましたけど、
私も十分この老後破産の可能性があるが、
私なら遠慮なく生活保護貰うなぁ~と思いました。

そもそも貯金というもんを生涯にわたってしたことないから、
貯金がないと不安・・・なんて思ったことないです。
いやむしろ貯金があったら不安ですわ。
「一発FXでもやって儲けよう!」とか思っちゃいそうですもん。

あと、「家を手放したくない」って老人が多くて、
たいして資産価値がない家でも持ち家なので保護が受けられない人がいて、
これも全く気持ちがわかりません。
住み慣れた家に住み続けたい・・・とか思ったことないです。
むしろ引っ越し大好き!持ち家なのに4回も買い換えたくらいですから、
引っ越しでしがらみなくなると「あぁ~せいせいした!」と思います。

もし夫の方が先に死んじゃって、年金が6万くらいしかなかったら、
売れるもんバンバン売って、食いつぶしていきますね。
むしろ「なくなったらどうなるんだろう・・・」とかドキドキすんのも嫌だから、
身体丈夫なうちに、さっさと使っちゃおう!と、世界一周旅行でも行きそう。
そこで、最後のあだ花で、老人の金持ち見つけて再婚を狙うぞ!とか、
そんなこと考えてそうな気がします。我ながら浅はかですが(笑)

もしくはですよ、老人たちの福祉の抜けやもれを見つけ出して、
国に訴えよう!なんて老人たきつけて、
「声をあげなきゃ!」なんて言って自助グループとか作っていそう・・・元気なら。

十分、保護の対象になって、それ貰った方がずっと楽になれるのに、
そっちに行くのが怖い!って思ってるのって、
それもまた否認だよなぁ~と思います。

だってさぁ~、世の中格差が進むような政策バンバンとられてるんですよ、
その結果、自分が老後破産して保護貰うようになったとしたらですね、
そりゃもう自分のせいじゃなくて、世の中の制度のせいじゃないですか。
私なら、堂々と「国は、私の老後の面倒を見ろ!」って、大手を振って思いますね。

真面目に働いて、長生きして、病気になったら死ぬしかない・・・
なんて、そんな悲観しなくても、日本てそこまで貧乏じゃないと思うんですよね~。
だからやっぱ啓発が必要だと思いますけど、
でも、生活保護の啓発だけは絶対誰もやらないし、やれないと思いません?

「そこまで無理して切り詰めなくても、
安心して生活保護を貰っていいんですよ。」
なんて、そんなこと啓発したらとたんに、文句言いだす市民も多そうですよね。
当事者の皆さんも声もあげられないし、頑張るっきゃない!って思いこんでるんですよね。
私なら絶対カミングアウトして、
「みんな貰いなさい!」ってたきつけると思いますけど、
なかなかそんな人も、年代的にも出てこないですよね。

子供の貧困も見えにくいけど、
老人の貧困も見えにくいですね。

でも、現代日本で、こんなに「貧困層」と呼ばれる人たちが、
孤独に、そして十分の医療も受けられず、
1日1食に節約してやっとこ生き延びているって、
そんな現実があるなんて絶対変!

だってこれじゃインドのマザーテレサをあがめてる場合じゃなくて、
日本の隠れ貧困老人があっちこちに
「死を待つ家」にいるようなもんじゃないですか。

我慢している老人たちにも
「無理してないで、保護貰うべし!」と言いたいです。
やっぱこんな現実があるなら、誰か声をあげていかないとって思います。
あげているのかもしれませんが・・・

いずれにせよ貧困問題には非常に興味があるので、
引き続き注視していきたいと思います。

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