ギャンブル依存症の研究をリリースして下さい!です

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学会ネタの続きです。
学会で一番納得したのは、2組のチームで「ギャンブル依存症と重複障害」について、
発表されていたのですが、どちらもおよそ7割前後については「重複障害なし」との結果だったんですね。

「お~!やっぱりそうだよなぁ」と思いました。
また、その重複障害の診断の中では、うつ病が多かったのですが、
一つの研究では、そのうつ病のうち半分は、
ギャンブル依存症のためにうつになったというものでした。
この結果、先生方には是非プレスリリースして欲しいんです。

学会で発表しただけなんてのは、はっきり言って我々には何の役にも立ちません。
当事者・家族や一般社会の人は結果について何も知らず、
知ってるのは、身内の医療関係者しかも依存症に関わる小さなコミュニティだけです。

でもギャンブル依存症は今、法律に関わる大事な局面を迎えています。
そういう局面で、必死にロビー活動しているのは、ハッキリ言って我々だけです。
アルコールの基本法の時には、もっとずっと医療者の協力がありました。
でもギャンブルはカジノの勢いで法律ができたので、
医療者の協力体制がまだ全くできていません。

また、アルコールの方も実際には、法律作りに積極的に関わった先生方が、
ある程度決まってますので、大きな流れには加わったけど、
プロセスについてはお任せしっぱなしだったのでさっぱりわかりません・・・
というお医者さんが大半じゃないでしょうか?
だからデータを公に発表する必要があるなんて思ってもいないことでしょう。

でも、ギャンブルは今大変な大ピンチの状況にあります。
アルコールの法案とは全く違うのです。

というのも何度もブログに書いてきましたが、
信じられない事にギャンブルの場合、依存症に関わってきた医者の中で、
ばっちりギャンブル産業からお金を貰ってしまっている医者らが現れ、
その先生達が、ものすごく産業側におもねった発信を繰り返しているのです。
そしてその都合のよい発信をギャンブル産業が利用して、
更に発信するという、最悪の事態です。

こんなことは、タバコやアルコールだったら絶対に許されない事でした。
タバコの先生方は、利益相反に関してめちゃくちゃ厳しく見張って下さる先生方がいらして頼りになるし、
アルコールに関わる先生がメーカーとくっつくなんて有り得なかったし、
そもそもアルコール産業側が紳士的ですからそんなことしないです。

ところがギャンブルの巨大マネーの前では、飛びつく医者達がいた。
しかも依存症側の先生方で!
ギャンブル依存症対策を当事者・家族のためでなく、
自分たちの利権しようとしているとしか思えないです。
そしてギャンブル産業側にも管轄省庁にも保身の態度しか見えないです。

そしてこういう先生方の主張は、
「ギャンブル障害なんて病気はない!」もしくは「病気があるかどうかまだ分かっていない」などと、
独自の理論を展開しており、厚労省の取組みとは全く違う極端なものです。

そして「ギャンブル依存症の殆どは自然治癒し、治癒しない重症者はその人自体になんらかの問題がある」
という主張です。
その何らかの問題としてあげられているのが「ギャンブル依存症=発達障害」と言われるものです。
「ギャンブル依存症は全部発達障害だ!」という暴論と、これまでも我々闘って参りましたが、
この主張をギャンブル産業側も非常に都合よく使っています。
先日のNHKでもパチンコ業界のお偉いさんが、
「ギャンブル依存症という病気は幽霊みたいなもの。見える人には見える。」
と、発言したことでも分かりますよね。

そしてもう一つは「ギャンブルで破滅的な結果になる人は、幼少期に親に問題があった人」
という主張ですね。親がアルコールやギャンブルの依存症だったと言っています。
そりゃ、依存症は遺伝的要素がありますけど、それもごく一部です。
全部なんかじゃありません。研究結果でも出ています。
ギャンブル依存症者に対する、人権侵害レベルのことがまかり通っているのです。

依存症に真摯に関わる、まともなお医者さん達にお願いです。
研究データをどんどんリリースして世に出して下さい。
そして利益相反問題にについてももっと発信して下さい。

学会の常連のまともなお医者さん達は、まさか身内からこんな医者がでていると、
思ってもいないのです。
危機感を抱いているのはごく一部の先生方で、あまりに情報共有がされていません。

また行政は講師に選んだり、委員に選任する際には、
利益相反の有無をきっちり調査して下さい。
今の行政あまりに無頓着です。

先日もアメリカで利益相反問題で110億円もの費用をかけた、
一大研究がふっとぶという大事件がありました。
110億円規模のアルコール飲用に関する大規模研究が中止、アルコール飲料業界からの資金提供問題で

厚労省のHPにはこんなレポートもUPされています。
アメリカにおける臨床研究と利益相反マネジメント

ギャンブルでもこの利益相反の問題をとりあげるべきです。

またリリースしないのであれば、せめて研究データを私に下さい。
私が、把握しきれないものももちろんある訳ですから、
どんどんどんなデータがあるのか?ロビー活動をしている私に教えて下さい。

ギャンブルは今危機的な状況です。
このブログを読んで下さったお医者様は、是非このことをお仲間のお医者様にお伝え下さい。
どうか宜しくお願い致します。

またタバコ・アルコールの先駆者の先生方、
どうか正常な依存症対策ができるよう力を貸して下さい。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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