処分だけなら無責任です

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昨日、考える会のブログに、読売巨人軍のフロント向けに、
メッセージを出しましたので、是非ご一読下さい。
http://gamblingaddictions.info/archives/381

この野球賭博の問題を起こした、福田聡志選手は、
ギャンブル依存症の可能性が非常に高いと思います。

福田選手、これまで契約金などをあわせたら、
数億円の収入があったとのことです。
そして、今季も1軍登板がなかったとはいえ、
2400万円の収入があったんですよね。

それなのに、バレたら大変なことになるであろう、
野球賭博のツケ、百数十万円が払えなかったこと、
ギャンブル好きで有名だったこと、
負けを取り戻すために掛け金を増やしていったとのこと、
そもそも野球賭博にまで行きついていること、
などなどを考えていくと、
ギャンブル依存症の疑いは濃厚ですよね。

ですから、北里大学のギャンブル障害専門外来を受診させて欲しいと、
書いたのですが、こういったケースの場合、
大抵は解雇になってお終いですよね。

場合によっては刑事罰を受けることもありますけど、
そういった刑事罰や解雇などでは、真の解決になどなりません。

企業は解雇することで、責任を果たしたと考えがちですが、
それは社会にリスクを押しつけていることに他なりません。
じゃあ、一体そのあとどうなるのか?
といったことを企業には今後
是非考えて頂きたいですね。

横領などの問題もそうですけど、
企業がギャンブルで問題を起こした社員を解雇すれば、
もちろん本人も家族もその日から路頭に迷う訳です。
警察組織なんかも、借金の問題があるとすぐに解雇します。

でも、この福田選手のような有名人の場合は特にですが、
警察官や公務員といった方も、
再就職というのは非常に困難です。

で、どうなるか?
奥さんには離婚され、孤独から自暴自棄、
その後、再びギャンブル三昧となり、
犯罪に手を染める。
この負のスパイラルから抜け出せなくなります。

このパターンの人を何人も助け出し、
回復させて参りました。
でも、助け出せずに犯罪を繰り返している人、
時には自殺を選ぶ人も多くいることも現実です。

私たちも最大限頑張りますけれど、
限界があります。
お金も人手も全然足りない訳ですから。

ですから、解雇時に企業側も当然社会にリスクが及ぶことは、
想定内な訳ですから、
いきなり放りだして、誰かに被害が及んでも知らんぷり・・・
ではなく企業努力もして頂くべきだと思います。

巨人軍は、すぐにギャンブル障害専門外来を受診して、
医師の診断を仰ぎ、ギャンブル依存症であるなら、
治療に繋げるまでは、解雇する前にやっていただきたいです。

ギャンブルが止まらなかったら、
再起なんかできるわけないんですから。
そしてその状態で収入がなくなれば、
当然自暴自棄になってしまうのですから。

解雇という処分をすることが、
企業の責任ではありません。
もちろん慈善事業ではないのですから、
被害を被った社員に余計なお金など使う訳にもいかないでしょう。

でもだからといって、そのリスクを社会に押し付けるのではなく、
可能な限り社会の安全に配慮し対策を講じてから、
社会に送りだして欲しいです。
自分の企業だけ安全になれば「あとは知~らない」って、
それはあまりに自己中です。

いつもいつも受け取り手となる我々は、
「そりゃないよ~」と思ってます。
解雇されてから、多くの年月を使い、
家族も疲れ切ってしまっていまいます。

巨人軍には、こういった問題に対する、
最先端の企業として、ロールモデルとなり
先鞭をつけて欲しいです。
解雇する前に、まず最低でも治療の道筋をつけて頂きたいのです。

道徳概念は、依存症者には何の役にも立ちません。
「これに懲りて、真人間になれ!」なんて、
ドラマの世界だけなのです。
自分でも不可解な症状に苦しみつつも、
どうしたら良いのかわからないのです。

巨人軍の皆さま、どうか福田選手に診断を。
そして、診断名がギャンブル依存症であったなら、
治療に向き合うよう、動機づけをお願いします。
それが企業の真摯な責任の取り方ではないでしょうか。
タイミングとしては、今が介入のチャンスです。

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