支援の複雑化です

公開日: 

昨日のブログアゴラさんで掲載して頂きましたので、
どうぞご一読下さい。
御礼!ギャンブル等依存症対策基本法成立

基本法ができたことで、一歩前進は間違いないですが、
法律はただの枠組みなので、ここから魂を入れていくことが大切なんですよね。
そのためにも関係者会議を最後の最後に押し込んで貰えたことは、
本当に大きな意義があることなんです。

で、私としてはこの関係者会議で、いかにきめ細かい地域連携ができるか?
それが非常に重要だと思っております。
本日の産経新聞でもコメント引用されておりますので、ご一読下さい。
ギャンブル依存症対策 カジノだけでなく…包括的な対策が課題  反応 おすすめ記事を受け取る
実は先日、新潟刑務所でギャンブルの問題がある受刑者の方に、
プログラムをやらせて頂いて、実に面白く、また私自身も学びになったのですが、
最近、本当にこの司法の手にかかる依存症者が増えています。

これはひとえに、ギャンブル依存症問題が顕在化し、
これまで声が届かなかった世帯に、声が届くようになったからだと思うんですね。
14年前に私が自助グループに繋がった時には、
家族が逮捕された・・・なんていう方は仲間の中では1人しか知りませんでした。
ところが今じゃ、そんな人は珍しくも何ともない・・・ゴロゴロいます。
おそらく昔も沢山いたんでしょうけど、繋がれなかったんですよね。

ここのところこの「犯罪系ギャンブル依存症者」の相談が相次いでおり、
私としても非常に悩ましい思いを致しております。
この犯罪系の人達の中には、重複障害とくに軽度知的障害とか、
そういったものを持った人も多くて、依存症モデルだけでは回復できないんですよね。

とはいえ、今の日本なんて「自助グループ」「回復施設」「医療」と、
この3つくらいしか受け皿がないんですよ。
となるとその他の必要な支援は、自分でやらなくてはならず、
実に大変なんですね。

最近の案件は、相談が来た時点で「う~ん」と唸ってしまうことがしばしばです。
それに対して、親御さんが実に簡単に「どこかに何とかしてくれる、人、場所、機関がある」
と考えているのも厄介です。
いや、依存症と犯罪による社会復帰と、さらにベースにある重複障害と、
全てを網羅してサポートしてくれる所なんかまずないですから。

ここから連携を作っていって「あっ、こんな機関があるのか~。使えそうだな~」
ってな感じで、組み合わせていくっきゃないんです。
だからもう親も頑張って、いろんな社会資源を探して繋がってこないとダメなんですよ。

大体ですね、なんもやらない親御さんに限って、
「りこさんが何とかしてくれる」幻想があって、
子供が犯罪起こす度に「何とかして下さい」ってなりますけど、
いや、何度も繰り返してると、どんどんパイはなくなっていくんだよね、
私だって知ってることなんかごくわずかですよ・・・と言ってるんですね。

みんなで使えそうな社会資源を探す!
これが今後の大きな課題です。

みんな信じらんない・・・というのですが、
私、この法案成立のクソ忙しい中でも、
きっちり相談業務もやってるんですよ。

で、ここのとこ本当に「こりゃ大変だなぁ」という案件ばかりで、
連携がないとまず無理よね、と実感してます。
法律ができることで、少しでも前進させていきたいです。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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