たらい回し案件は誰かが真剣に何とかしようと思えば何とかなる!です

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今日のブログは多くの方々に読んで頂きたいので、
是非ともシェア拡散お願い致します。

これは某県で起きた案件です。
プライバシーに配慮するため、詳細は省いて大ざっぱに書きます。

ご家族はかれこれ10年くらいギャンブルの問題で悩んでいました。
ご本人は、ギャンブル依存ではなくて、
うつやパニック障害の診断を受けていた方。

でもって結婚等で独立していた次期もあったものの、
離婚等があり、仕事もできなくなり、
数年前に親と同居し段々問題が悪化していった、
典型的パターンですね。

ご本人は、ご家族にお金を無心することがやめられない。
上手くいかないと、大声を出したり脅したりするので、
ご家族は何か事件を起こすんじゃないかという不安から、
お金をだすことをやめられない。
そしてそれがだんだんひどく悪循環になっていってしまっていたんですね。
・・・と、ここまでは良くある話しです。

問題はですね、こっからの行政の対応なんです。
しかもこっちの行政の問題も良くある話なので我々が大変困っているわけです。

まず、こういう場合大抵街のクリニックに10年近くに及ぶ長期間通院し、
わんさかと精神薬を貰っていたりします。
で、今回もそうでした。
そして警察に対する度重なる要請。
大声を出すので、ご近所からの通報も頻繁に起きているんですね。

で、警察も困る、入院して欲しい・・・
そこで、この街のクリニックに依頼し、大病院に紹介状を書かせる。
で、クリニックは警察の手前、紹介状を書かざるを得ない。

そして一縷の望みを託し、街の総合病院に行くわけですよ。
で、ご本人もあまりの苦しさに、入院できるなら入院しても良いと言っている。
ところが大病院は「入院の必要なし!うちでは治療できない!」とけんもほろろの扱い。

仕方なく、これまた何度も相談に行っている精神保健センターに、
事情を説明に行く。
で、センターはクリニックと大病院に電話をする。
大病院は治療できない、
クリニックは薬じゃ治らないことも分かってたが、 
10年間励ましてきた(じゃあ何の薬だったの?と思うんですけど)
といことで埒が明かない。

そして精神保健センターはこうのたまった。
「こういう問題は今非常に多いんですよ。
ご家族で頑張るしかないんです。」
と言って追い返したんだそうです。

はぁ~~~~~~?
自分たち何も動かず、よくそういうことが言えますよね!(怒)
それでご家族が「もう死ぬしかない」と絶望したらどうすんですか?
そういう痛ましい事件って枚挙にいとまがない訳じゃないですか!
めっちゃ腹が立ちました!

で、家族は力尽きた。
そしてこのご本人のご兄弟が親御さんのSOSを受けて、
動き出し、私にたどり着いたんです。

私は話を聞いて怒り狂いましたが、
まずは倒れそうなご家族を分離させ、保護しました。
年金暮らしですからこんな生活続く訳がないんです。
心労でほとほと参っていらっしゃいました。

そして、どこと連携がとれるか考えた。
こういう案件で、大病院がいかに冷たいか骨身にしみて知っています。
とにかく悠長なことばかり言いやがって、依存症者の気質が分かってない。
そこで考えた。私がご本人を説得したとして、すぐに連携をとってくれる病院はどこか?

めっちゃくちゃ遠いけど長崎の西脇先生を頼ってみよう!
ってことで今までの経緯を先生にお電話して、
「先生助けて下さい!このままじゃ全員で共倒れです。」
すると西脇先生は、間髪いれず、こうおっしゃって下さったんです。
「ご本人とご家族に入院の意思があるなら、自助グループなどとの連携も考えて、
その人の治療の道筋考えてあげるよ。連れてきていいよ!」と。

助かった~と思いました!
で、今日私は新幹線に飛び乗り、ご兄弟と共に某県まで行きました。
ご家族もビビってるし、精神保健センターは見に来てもくれない、
クリニックも大病院もさじ投げたってどんな男性なんだろ?と思いますよね。
会ってくれるかなぁ~と。

当初、お電話した時は、会いたくないとのことだったんですが、
でもまぁ行ってみて、ちょっとだけお話しできませんか?ってな感じで、
お願いしてみたんですよ。
で、最初はダメでしたけど、待ってたらちゃんとお話しできたんですよ。

時間かけて落ち着いて話したら、別に普通の、
ギャンブル依存症で苦しんでる人なんですよ。
礼儀正しいし、言葉使いも丁寧。
慣れてきたら最初の態度もわざわざ詫びて下さったり、
ホント普通の仲間なんですよ。
お互いがハマった、パチンコと競艇の話をして盛り上がったり。

彼「競艇なんて1号艇に賭けてれば当たるんじゃないですか?」
私「いやいやそんな甘いもじゃありませんて!インが強い江戸川だって案外来ないんですから!」
なんてね!(笑)

回復もしたいと思っているし、ご家族に申し訳ないとも思ってる、
ただなかなか変わる勇気がでない・・・
そんな普通の依存症で苦しんでる方なんですよ。
回復施設はちょっとハードルが高いけど、
でも、なんとか変わりたいと思っていらっしゃるんです。

で、「入院できるなら行きます!」と言って下さった。
そこで取り急ぎ荷物をまとめて東京まで来て頂いて、
ホテルに泊まって貰い、明日朝一番の飛行機で長崎に向かうことにしました。
「すいません、朝5時半にホテルに迎えに行きますね。」ってな感じで、
お互い、いやはや早くて大変ですなぁってな感じでしたけど、
穏やかにココまできたわけです。

私は本当に心から言いたいです。
なんでこれを精神保健センターさんはやってくれないんでしょうか?
ちょっとご本人に会いに行ってくれればいいじゃないですか!
ココがダメなら他の病院と探してくれりゃあいいじゃないですか!
普段から依存症に強い病院との連携を模索してくれりゃあいいじゃないですか。

そして、この日本で、本当に困っているギャンブル依存症問題はこれですよ。
ご家族、ご本人共に途方に暮れ、絶望しているケース。
そういう方々に支援が届くように、
人員を配置し、介入の教育をし、連携機関を増やす必要がある訳ですよね。

ご家族を保護できる道筋も必要だし、
もちろん入院後の社会復帰までの道のりだって長い訳です。
私は、ギャンブル依存症のキーパーソンは、
街の不動産屋さんだ!と思ってる位です。

だから今の日本の実情考えたら、各県に1億円位の予算はいるでしょうよ。
とにかく人員がいない訳だし、リソースもないんだから。
だからこそ、ギャンブル依存症対策法案とIR法案で、
大胆な財源つきの対策を打ち出さないでどうするんですか!

どうして行政はもっと深く踏み込まないんですか?
お給料もらって、上っ面しかやらなくて、
なんで我々が走りまわらなきゃならないのか?
だったら委託費位下さい。
こんなに走り回ってたら潰れます。

しかもワケ分かんないのは、長崎県なんか、
依存症対策の連携ネットワークに西脇病院入れないんですからね!
なんだか昔お役人の誰かと確執があったとか何とからしいんですけど、
どうかしてますよね!?

助けられる命より、お役所のメンツの方が大事なのか?
そんな県がIR誘致に乗り出して大丈夫なの?と
私なんかめっちゃ不安になりますね。
長崎で西脇先生にいっちょかみして頂かなかったら、
一体どこが誰がやれるんですか?
ホント今回だって、先生のお陰でマジで助かりました。
前回の会議でも言いましたが、長崎県の再考を強くお願いしたいです。

そして今回のこのケースは、自民党の超大物議員、
ギャンブル依存症対策法案にも絶大な影響力をお持ちの先生がいらっしゃる県で起きました。
M先生、これが現実です。
ギャンブル依存症対策法案、IR法案とも、各県にもっと予算を落とさねば、
良い対策など打ち出せるはずがありません。
是非とも財源つきの対策を打ち出して下さい。
ギャンブル産業は、依存症対策費を負担すべきです。

また連携作りには関係者会議は外せません。
依存症は地域連携が何より大切です。
関係者会議も法案に盛り込んで下さい。

M先生、どうか今一歩対策法案が前進するよう、
先生のお力をお貸し下さい。
先生の地元に苦しんでいる人が沢山います。
何故なら、行政の支援が全く機能していないからです。

近々に地元の仲間がお願いにあがります。
どうぞ宜しくお願い致します。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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