スポーツマンはギャンブルをしないという印象論についてです

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「ギャンブル」というと、人は一日中薄暗い店内で、
機械の強烈な音と光にさらされながら、
もくもくと煙草をくゆらせ、じっと動かずにパチンコ台へばりつく・・・
こんなイメージを持つ人が、日本には多いと思います。

だからギャンブルによる借金問題などが発覚すると、
「スポーツをやれ」などと意味のないアドバイスをしたり、
また逆に「青空の下で爽やかにプレーをするスポーツマンは、
ギャンブルなどとは無縁だ。」などと思いこんでしまうのです。

けれども、この世に「スポーツ選手だけは罹患しない病気」
などあるでしょうか?あるわけがないですよね。
または「スポーツ選手だけが手を染めない犯罪」とか、
「スポーツ選手は絶対やらない社会悪」とか。
そんな特異体質にスポーツ選手が生まれついているわけではないですよね。

むしろ何度もお伝えしているように、
スポーツ選手というのはそもそも勝負師なのですから、
勝ち負けにこだわるという点で、ギャンブルには親和性があるわけです。

桃田選手も会見でそう言っています。
勝負の世界で生きているのでギャンブルに興味があった

そして一流のアスリートであればあるほど、
一つのことにのめり込めるわけですから、
依存症になりやすい体質を備えていると私は思っています。

このことは私たちも実感していて、
ギャンブラーの夫や息子がかつてはスポーツマンだったこと、
もしくはとてもスポーツ好きであることは、よく話題に出ます。

世界では、アスリートとギャンブルについて、
さまざまな研究や論文も出されており、
私たちが肌感覚で実感している、
ギャンブルとアスリートの関係というのは、
日本以外では注目されているのだと思います。

昨年、ネット上で話題になったAFPの記事を再びUPしますが、
特にお金を稼げるスポーツ選手は、ギャンブルにはまりやすく、
イギリスでは、このような専門クリニックもあります。
多くのサッカー選手を苦しめる依存症

精神論、根性論ばかりでは何も解決しません。
ここの所立て続けに起きた、スポーツ選手のギャンブル事件を受け入れ、
国は対策に早急に動き出すべきです。
アゴラさんに私の想いをつづったブログを掲載して頂きましたので、
まだお読み頂いてない方は是非ご一読下さい。
バドミントン選手に寛大な措置を

今回の件で、様々な人が
「スポーツマンとしての倫理観」
ばかりを強調して、こういったギャンブルとスポーツの親和性について、
誰も言及していないのには、本当にがっかりなのと、
重責を担う人々の勉強不足、
時代の事件から問題の根本を追求しようとする姿勢がないことには、
本当にがっくりです。

ご自分たちの発言が、どれだけ影響力があるかを、
よくお考えの上発信して頂きたいと、
不遜ながら、こちらこそ厳重注意申し上げたい位です。

鈴木大地さんも、橋本聖子さんも、
「人間としての高潔性」「子供たちの模範に」
などとおっしゃってますけど、
そんな100年も前から使い古されたような言葉を使っても、
なんの説得力もないですし、
そんな「倫理感」で喰いとめられたりしないのです。
バドミントン選手賭博、教育後回し 

それと日本商工会議所の会頭さんの
「スポーツマンというのは、国を背負い、
代表してオリンピックに出場するわけだから、
それだけの厳しい倫理観が問われている」
日商会頭「国を背負うのだからやむを得ない」
という発言にも心の底からがっくりきました。

仮にもIR(カジノ)誘致に積極的に先頭に立っている、
商工会議所のTOPにあたる方がですよ、
今回の件でこれはないでしょ!と、
本当に本当に本当にがっ~~~~~~~くりです。

私は、この国のギャンブルが放置されている状況を、
IR(カジノ建設)によって、
既存ギャンブルの規制を進める起爆剤となって欲しいと、
期待しています。
それができるならカジノ建設に反対しないと、
ずっと申し上げています。

それなのに、ジーザス!あなたまでここで倫理観を持ちだしますか!?
と、各地の商工会議所の誘致の勉強会は何を勉強していらっしゃるのか?と、
がっくり、脱力しました。

折角ならここで、
「暴力団の資金源となるような闇カジノ根絶のためにも、
IR法案を是非とも今年度通過させ、
今後はカジノをはじめとするギャンブル産業が売上金の一部を拠出し
・ギャンブル依存症対策の推進、
・闇ギャンブルの根絶
・ギャンブルと社会問題に対する調査や研究
を強力に推し進めよう!
これだけギャンブル問題が起きているのだから、
この国のギャンブルの矛盾を是正すべく、
カジノという起爆剤が必要だ!」
位のインパクトある明言をして欲しかったです。

ここまでは無理だとしても責めて、
「ギャンブルの問題は、自己責任だけでなく、
国をあげて仕組みから見直すべきだ。」
くらいにはおっしゃって欲しかったです。

この位のことを言ってくれたなら、
この魑魅魍魎がうごめき、大人の事情が複雑に入り組む、
この国のギャンブル問題の是正の具現化が一気に見えてくるのに・・・

これだけ世論が盛り上がっているのに、
重責を担っている方々が誰ひとりとして、
具体的な再発防止策に触れていないことに、
益々危機感を強めています。

倫理観や精神論なんて、どれだけ言ったって、
再発防止なんかにならないのに
世の偉い人達が、
それを声高に叫ぶことが再発防止策だと思っていらっしゃるのではないかと、
とっても心配しております。

皆さん、どうかお願いです。
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名、
下記のリンクから入れます。
いまこそ是非ご協力下さい。

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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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